前斜角筋の触診
前回まで腹側・背側の触診の整理をしてきました。
一緒に機能解剖を調べると、臨床でなぜ触診が必要なのか?がよく理解でき、学習する目的も明確化しますね。
今回から触診のテーマを”頸部”に向けていきましょう。まずは前斜角筋から整理してみたいと思います。
1 触れることの臨床意義
前斜角筋は第3〜6頸椎横突起から第1肋骨に停止しています。
そのため同時に収縮すると肋骨を引き上げる作用があります。つまり触診の結果、前斜角筋が異常に膨隆している、過剰収縮をくりかえている、などがあった場合は呼吸に注目していくことがポイントです。
(引用:visible body 2021)
また、上記の図のように前斜角筋と中斜角筋の間には腕神経叢が走行しています。斜角筋が不全が生じると上肢に神経障害をきたす斜角筋症候群が見られます。この点からも触診しておきたいポイントとなります。
2 腹直筋の特徴
前斜角筋の触診は『中斜角筋との触り分けが難しい』と聞かれます。
しかし、解剖学上の位置関係がイメージできると意外に簡単にできます。
ポイントは隣接している筋との位置関係です。
前斜角筋の一部は胸鎖乳突筋の深層に位置しています。つまり胸鎖乳突筋をランドマークに触診していくことで中斜角筋との触り分けが可能となります。
(引用:visible body 2021)
3 実際の触診方法
実際に触れていきましょう。
① 対象者に同側側屈・体側回旋をしてもらい胸鎖乳突筋を確認します。
② 胸鎖乳突筋のすぐ後方を触診
③ 強制吸気で収縮を確認する
4 まとめ
いかがだったでしょう?
運動学を一緒に確認すると難しく感じる触り分けが少し楽に考えられるようになりますね。
触診を学ぶときには必ず解剖学のイメージもつけていきましょう。
ぜひ、ご自身でも整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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