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中国のチャット小説「快点(Kuaidian)」がセコイア・チャイナから1億ドルを調達。DAU500万人、自社IPを武器にショート動画市場へ参入の面白い動き
中国の読書プラットフォーム「快点(Kuaidian)」がシリーズCで1億ドルを調達しました。
今回の調達ラウンドはセコイア・チャイナがリードし、GGV CapitalやMorningsideといった既存投資家も参加しています。
Kuaidianは2017年5月にローンチされたばかりのモバイルアプリです。
当初は「快点阅读(Kuaidian Yuedu)」の名称で運営されており、会話スタイルのテキストコンテンツを提供していました。いわゆる「チャット小説」的なやつです。
ローンチから2ヶ月後にはUGC強化に向けて共同執筆(Co-writing)機能を追加。ユーザーの約半数はレビューを投稿し、20%程度がクリエイターとしてコンテンツを執筆する活発なコミュニティに進化していきます。
2018年にはチャット小説の音声読み上げ機能、2019年にはショート動画機能を投入。サービス名から「読む」ことを意味する阅读(Yuedu)を取り払って「快点(Kuaidian)」にあらため、マルチメディア化を推進しています。
最近はプラットフォーム内に蓄積したチャット小説等を原作として、ショートドラマを制作しているとのこと。TiktokやKuaishouとは異なった路線でなかなか面白い取り組みです。
ショートドラマといえば、17.5億ドルもの資金を調達して鳴り物入りで三有してきたQuibiは大コケしている模様。巣ごもりとスマホ動画は相性が悪かったのかもしれません。
UGC的アプローチでは、電子書籍を出版するアルファポリスがあります。
投稿はライトノベルが多め。コンテンツを集めるために賞金付きのコンテストも開催しています。
2020年3月期の売上は前年比+13.1%増の56.3億円、来期は+20.8%増の68.0億円と加速する見込みです。Webオリエンテッドな印象があるので、モバイルやKuaidianのような動画市場にも参入できると面白いのかなと思ったりしました。
アルファポリスの株価は2018年に高騰した後は横ばい。時価総額は250億円前後で推移しています。Amaziaやインフォコム、メディアドゥといった電子書籍企業は巣ごもり特需もあって上昇傾向にありましたが、アルファポリスは波に乗り切れていないようです。
中国でデジタルコンテンツ市場はTencentの支配が年々強まっている印象ですが、KuaidianのようにUGC起点で攻めるのは一つの戦い方だなと思いました。
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