(ご参考)quoraでの量子力学~情報幾何学関連の回答集
quoraでの量子力学~情報幾何学関連の回答を集めてみました( *ˊᵕˋ* )
どなたかのお役に立ちましたら、とっても嬉しいです(ง'̀-'́)ง
・量子力学や情報理論における情報とはなんですか?
巷でよく聞かれる
「情報ってそもそも何?」
についての、量子力学~情報幾何学的な、基礎的な内容です。
・シャノンエントロピーと熱力学エントロピーは、確率変数がミクロカノニカル分布やカノニカル分布している特別な場合以外は、一般には一致しないと、コメント欄の文献にあるが、一致しない本質的な理由は何ですか?
「エントロピー」について、
熱力学側から入った人がよく混乱するポイント
についての、情報理論側からの基礎的な説明内容です。
※「エントロピー」と「偏差」
「三次以上のモーメント(歪度・尖度・・・)」が無視できるなら、
(≒ 指数型分布族/正規分布の形状が左右対称に近い)
二次モーメントである「偏差」と、エントロピーは同一視できる。
「偏差」は何らかの(物理)量を持っているのに対して、
「エントロピー」が(物理)量に依存せす、
単純に確率分布の形状だけで決定する
(確率事象の具体的な中身に依存しない)。
※※一様分布(ミクロカノニカル分布:等比重の原理)は、
正規分布(カノニカル分布)において
「偏差→無限」の極限。
デルタ関数は「偏差→0」の極限。
デルタ関数は、離散化・量子化されているなら、
偏差が厳密にゼロでなくても、
偏差の値が「離散化単位未満」なら、実質デルタ関数。
1次のモーメント「期待値」を微分したものが
2次のモーメント「分散/偏差」。さらに微分すると
3次のモーメント「歪度」。さらに微分すると
4次のモーメント「尖度」。
古典物理は「期待値」のみを扱うので、
2次以上のモーメントを切り捨てた近似。
量子物理は「偏差」も扱うので、
3次以上のモーメントを切り捨てた近似。
非平衡量子統計では「歪度」が非平衡成分として寄与するので、
4次以上のモーメントを切り捨てた近似・・・かも?
(歪度が0へ近づく確率過程において、過剰エントロピー生成が発生する)
・なぜ熱力学と統計力学を分けずに「熱・統計力学」というタイトルの参考書や教科書が多いのですか?
エントロピーとギブス測度、示量変数と示強変数からの基礎的な説明です。
古典力学での「作用」と「エントロピー」の対応が重要です。
※文中の「驚き Surprise」というものは、「自己情報量」のことです。
・シンプレクティック幾何学/シンプレクティック構造と
(量子力学の)ハミルトニアン・正準形式についての記事
なぜシンプレクティック幾何学が、
量子力学や情報幾何学において重要なのか
についての、メモ書きのようなものです。
・ヒルベルト空間を定義する意義はなんでしょうか?
ヒルベルト空間についてと、量子確率論、密度行列、量子計量などについての解説記事です。
・量子確率論について簡単に教えて頂けませんか?
上と同じく、量子確率論についての、より詳細な記事です。
こちらを先に読む方が分かりやすいかも?
密度行列、同時確率分布、条件付き確率分布(周辺分布)、
フォンノイマンエントロピー、テンソル積状態、
プロセス-状態双対性などなど。
・量子力学において「量子化」とはどのような意味で使われていますか?2つの何かしらの間に交換関係を課すことですか?離散化する、という意味では使われてないですよね?
確率過程量子化の観点からの短い解説です。
次の記事とも関連しています。
・確率微分方程式やマスター方程式を解くことのと意味はなにですか?
確率過程・マルコフ連鎖・マスター方程式と
熱力学・統計力学的な
平衡状態・詳細釣り合い・確率密度行列・エントロピー生成
についての記事です。
確率密度行列について、
遷移確率と同時確率分布(平衡状態)からの理解
が深まります。
量子マスター方程式や、量子リンドブラッド方程式(Lindblad 方程式)へとつながります。
・確率過程、確率遷移行列/状態遷移行列、トポロジカル指数、巻きつき数、非エルミート系など、興味深いテーマ
上の記事に関係して、トポロジカル物性や、非平衡系についての理解を深めるための内容です。
情報熱力学の沙川先生の資料なので、特にオススメです。
量子トポロジカル相については以下の資料もオススメです。
【開放量子系における 非平衡トポロジカル相】
北海道大学大学院工学院 応用物理学専攻 数理物理工学研究室
河崎 真樹男 (令和 4 年度博士論文)https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/89499/1/Makio_Kawasaki.pdf
・非平衡状態の相関関数に潜む普遍法則
非平衡系であっても、結局「相関関数」という
(あたりまえだけど)重要な結論です。
次の記事とも関連して、物理学であったとしても
理論・数式モデルにおいて確率統計を用いるし、
「実験科学」としても確率統計を用いるので、
結局は、確率統計をベースにした「応用統計学の一種」というお話です。
・現在、統計学研究のホットな方向にはどんなものがありますか?
機械学習的熱力学・統計力学的機械学習や、情報幾何学、情報熱力学、量子情報、リソース理論など、「情報=物理」的な観点が、日本国としても「革新的領域」「学術変革」として推しているので、オススメというお話です。
・最適化数学に興味がありますが、全く初心者です。もし独学で勉強する場合、おすすめの本がありますか?
結局は、最小作用の原理と統計学奥義(※)が、
物理学の「数学的モデル」における限界
という当たり前の結論のお話です。
※クラメールラオの情報不等式についても。
多体系や物性物理・生化学などでは機械学習による数値計算を行いますが、それには確率統計学的な推定限界が存在するということです。
※※量子相関・エンタングルメント・GHZ状態(EPR状態)という、
量子力学側から「実在性の否定」に加えて
実験科学側でも、
最尤推定モデルに推定限界がある(≒ 真の値が原理的に不可知)
というお話でもあります。
・数学的に機械学習や深層学習を説明している良書はありますか?
機械学習と量子情報の「MERA」や「くりこみ群」との関係についての記事です。
確率過程における量子ランダムウォークや、
ホワイトノイズによる時間発展などと関係しています。
自由エネルギー・分配函数と関連するので、
機械学習的熱力学、統計力学的機械学習とも関連しています。
・自由エネルギーと、ギブスの自由エネルギーとでは、何が違いますか?
自由エネルギーと相対エントロピーが(定性的には)同じものだ、というお話です。
相対エントロピーは「負の」カルバックライブラー情報量なので、
情報幾何学的な解釈もできますし、
相対エントロピーはホログラフィック原理でのエントロピー的な見方もできるので、量子情報的な解釈もできる、というお話です。
・自由エネルギー原理とは何ですか?
機械学習的にも、
脳神経学的(学習のメカニズム)にも、
情報幾何学的にも、
どれも数学的には(定性的には)同じだよね、というお話です。
・量子の振る舞いがランダム性を伴っているということは何をもっていえますか?
量子力学での非可換性(とそこから生じる、クラメールラオの情報不等式の最小の偏差・エントロピー)が、
座標と波数(運動量)から成る【シンプレクティック構造】に由来する
というお話です。
・初学者なのですが、興味があるので詳しく教えて頂ければと思います。物理学における時間についての質問です。 質問1. 時間の定義について 2.原子時計について 3高速下で時間が遅れるのは何故ですか?
「時間とは何を測定しているのか」
固有時間と量子速度限界
についてのお話です。
本文中では一般相対論での固有時間の遅れと同じように書いていますが
一般相対論では物理量の「期待値」に起因する効果に対して
量子速度限界は物理量の「偏差」に起因する効果なので、
それぞれ別に発生しているかもしれません。
※ただし、現代の測定工学の精度では、後者を区別して測定できないかもしれません。
・一般相対性理論と量子力学の完全統一すなわち量子重力理論の確立により大統一理論が完成されました。さて宇宙の神秘は完全に解明されるのでしょうか?
AdS/CFTと情報幾何の観点からの記事です。
情報計量や量子計量で、どこまで既存の現象が計算・推定できるのか、というお話です。
・エントロピー関数と量子エネルギー状態と量子的事象の時空座標の三つを相互関係する式とはなんですか?
情報幾何における、
カルバックライブラー情報量 / カルバックライブラーダイバージェンス
空間曲率(フィッシャー計量、共分散行列、計量テンソル)
指数型分布族でのe接続とm接続
場の理論/重力の双対性
(非計量の曲率に対して、2+12+1次元では以下の
Chern-Simons作用から重力作用)
指数型分布族をもたらす場の理論と、非計量の曲率を含む重力作用との間の双対性
についての少し専門的なお話です。
「 様々な力/4つの相互作用
≒ 幾何空間的な曲率
≒ 計量テンソル/共分散行列(相関行列)」
というお話ですね。
・「波動関数がシュレーディンガー方程式にしたがって時間発展する」という量子論の核心部分をわかりやすく言い換えることは可能ですか?
波動関数とスゴそうな名前で呼ばれていても、
単なる関数・値の集合・ベクトル・行列・テンソルだよ、
という素朴なお話です。
・エンタングルメントに関して勉強している時に出てきたのですが、量子相関が、古典相関よりも強いと言えるのはなぜですか?
「共役物理量 ≒ シンプレクティック構造」
が、量子相関においても重要、というお話です。
また、単なる確率分布ではなく、共役物理量から成る
確率密度行列(の非対角成分)
こそが、量子論の特徴・重要性ということです。
なので、確率密度行列については
・対角成分からなる対角関数(確率密度関数 / 確率分布)
・非対角成分からなる擬ベクトル(ホッジ双対でのホッジスター)
・これらの間のフーリエ双対による変換
(波動関数の座標表示 ⇔ 波数表示{運動量表示})
という多面的な理解が重要になります。
・確率過程は無限次元の確率分布や関数の確率分布という説明がされますがこれはどういうことですか?
場の理論の一種である共形場理論(CFT)と確率論・確率微分方程式
についてのお話です。
AdS/CFTとも関連するお話で、量子確率論・確率過程・量子情報・情報幾何とも関連していきます。
(量子マスター方程式、量子リンドブラッド方程式)
・量子物理学を理解するには?
プランク定数、ボルツマン定数、ギブス測度・分配関数・フーリエ変換、温度、エントロピー、クラメールラオの情報不等式などの絡みについてのメモ書きです。
・量子状態は何故複素数で表されますか?
複素確率というのは、
確率量が複素数ではなくて、
確率事象・基底ベクトル・物理量{の偏差/エントロピー}の方が
複素構造(ミンコフスキー計量的)になっていて、かつ、
共役物理量(座標 & 波数{運動量・周波数})がシンプレクティック構造になっていることとも関係している、というメモ書きです。
・科学とは、統計的な理解によるものですか?
実験科学においては
【数式によるモデルを作ること】
その中でも、最小モデル(真の分布と一致するモデルで、
モデルのパラメータ数が最小のもの)
を求めること、実験で確認することが目的になっています。
そこには自由エネルギーによるモデルの選定と
統計学奥義による「モデリングの限界」が存在する
というお話です。
・真理とは統計的に決まるものでしょうか?
上と同じお話ですね。
最終的に「実験で確認できること」という要件が、
実験科学に課されている以上は、必ず統計学的な影響を受ける
ことになります。
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