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#014 夏の幽霊話

#日経COMEMO #NIKKEI
8月17日夕刊プロムナード #怪談 #ホラー 約1400字 ★少しむずかしい

<すぎ>
先日図書館のイベントで
中村七之助さん、上白石萌音さんの映画『牡丹灯篭』(ぼたんどうろう)をみました。
『四谷怪談』(よつやかいだん)の お岩さんや
『番町皿屋敷』(ばんちょうさらやしき)の お菊さんは
日本人なら誰でも知っている超有名人です。
(今の若い人はどうかしら?)

同じストーリーでも講談でも、落語でも、歌舞伎でも演じられる。
さらに演じる人によって
少しずつ表現やテーマや登場人物の性格まで変わるところが面白い。
酷暑の夏、怪談話で涼んでみてはいかがでしょうか。

<ことば>
怖い話(こわい はなし):怪談(かいだん)、幽霊話(ゆうれいばなし)
怖がり(こわがり):怖い話が苦手な人
ほんのりと:まわりに比べて部分的に少し明るい様子
異界(いかい):現実とは異なった世界
落語(らくご):一人で、おもしろく、おかしい話をする庶民の芸能。舞台の中央の小さな範囲で、身振り、手ぶりで複数の人物の会話が中心に話が進む。
講談(こうだん):日本の歴史的な戦い(軍記物)などを、小さな机をたたきながら一人でリズミカルに読んでいく芸能。
思わず~する:「しよう」と意識しないでしてしまう
目を逸(そ)らす:見ないように少し違う所を見る
「目を背(そむ)ける」は絶対見ないようにする意思がある
ギリギリの解像度(かいぞうど)を楽しむことができる:映像の場合は、見たくなくてもはっきりと見せられてしまうが、落語や講談は話を聞いて頭の中で想像するので、楽しい範囲で想像することができる
真景(しんけい):実際にある景色
累ケ淵(かさねがふち):地名 茨城県常総市羽生町の法蔵寺裏手辺りの鬼怒川沿岸
豊志賀(とよしが):人名
「真景累ケ淵~豊志賀の死」は題名。江戸時代にあった物語をもとに落語家の三遊亭圓朝が作った。
年増(としま):中年女性。江戸時代では、いろいろな経験をして、より魅力的になった女性、という意味で使われていた。
女師匠(おんな ししょう):浄瑠璃が盛んで、庶民も先生に浄瑠璃の歌や語りを習うことが流行していた。豊志賀は富本節という一つの流派の先生だったようです。
煙草屋(たばこや)
恋に落ちる:英語でも「fall in love」って言いますね
心を移す:ほかの人を好きになる
嫉妬(しっと)の炎(ほのお)を燃(も)やす:嫉妬の気持ちがとても強くて自分でも抑えられなくなる状態
祟(たた)る:死んだあとも霊になってしつこく離れない
出自(しゅつじ)にまつわる因縁(いんねん):豊志賀の親は新吉の親に殺された
愛憎(あいぞう):愛と憎しみ
怨霊(おんりょう):強い恨みや、くやしさを抱いたまま死んだため、この世に残って悪いことをする霊
今は亡(な)き〇〇:今はもう亡くなっている〇〇
講談師(こうだんし):講談を読む人(「講談を語る」とは言わないそうです)
一龍斎貞水(いちりゅうさい ていすい):人名
師匠(ししょう) :教える人、先生
執着する(しゅうちゃく):そのこと以外には考えられなくなる気持ち。悪い意味で使われることが多い
魅入られる(みいられる):豊志賀に好きになられる(この場合の受け身表現は迷惑の受け身ですね)
運の尽き(うんの つき):運命が決まってしまうこと、その運命から逃げられなくなってしまうこと
落語家(らくごか):落語をする人
五街道雲助(ごかいどう くもすけ):落語家の名前
己(おのれ):自分自身
悲哀(ひあい):悲しく、哀れな気持ち
執着を抱く様(しゅうちゃくを だく さま):どうしてもあきらめきれない気持ちの豊志賀の様子
哀(あわ)れさ:哀れな様子
切(せつ)ない:悲しい、寂しい、胸が切られるような気持ち
古典(こてん):古い時代の文学や芸能など
演目(えんもく):作品
文言(もんごん):使われている言葉
高座(こうざ):落語の舞台のこと
口調(くちょう):言葉の調子
仕草(しぐさ):動作や身振り手振り
間合(まあ)い:言葉と言葉、せりふとせりふの間の時間の空け方、タイミング
名人(めいじん):その世界で上手で有名な人
唸(うな)る:感動や感心で思わず出てしまう声
名手(めいしゅ):ここでは落語の上手な人の中で特に怪談を得意とする人
明治時代(めいじじだい):1868年から1912年の45年間
三遊亭円朝(さんゆうてい えんちょう):落語家の名前
谷中(やなか):東京都台東区の地名
全生庵(ぜんしょうあん):お寺の名前
幽霊画(ゆうれいが):幽霊の絵
円山応挙(まるやま おうきょ):人名

自ら目にした(みずから めにした):実際に自分の目で見た
正(まさ)に:ほんとうに
とりわけ:とくに
浮世絵師(うきよえし):浮世絵を描いた有名な人
月岡芳年(つきおか よしとし):人名 画家
宿場女郎図(しゅくば じょろう ず):浮世絵の題名
甲州(こうしゅう):地名 山梨県
この世のもの:現実に生きている人
一幅(いっぷく):ひとつの日本画や書
産後の肥立ち(さんごの ひだち):出産後に体や心が元の状態にもどること
女郎(じょろう):売春婦
概して発端は「人」にある:多くの場合、人の感情が原因である
澱(おり):液体の中に溶けずにゆっくりと沈んで溜まるもの。
この場合は、静かに少しずつ重なり、心の底に積もっていく恨みやくやしさなどの気持ち
凝る(こる):固まって戻らない
怪異(かいい):現実とは思えないような不思議なこと
涼む(すずむ):涼しさを感じる

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