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#024 闇から〇〇

#日経COMEMO #NIKKEI
3月14日 夕刊 プロムナード 約1300字

<すぎ>
虫の嫌いな人は、虫を見ただけで悲鳴を上げて逃げますね。Gが出れば、それはもう大騒ぎになります。日本語は主語や目的語を省略することができますが、説明しようとすると、「ゴキブリは」「ゴキブリが」「ゴキブリを」とはっきりと書かなければならないので、何度も出てきてしまいました。嫌いな人は、読むのもイヤかも。得体のしれないものに対する恐怖の表現もいろいろあることがわかりますね。

<ことば>
やみ:暗い空間。「心の闇」のように人の心の悪い考えにも使う。→暗くてとても嫌な場所
ゾーン:区切られた範囲。→部屋の中の場所
秀逸しゅういつな:とても優れている→すばらしい
秘境ひきょう:誰も行ったことがない場所、誰も知らない場所→普段は見ない、気が付かない場所
目にしたくない場所:見たくない場所
ゴシック・ゾーン:ゴシックとは幻想的げんそうてき怪奇的かいきてき廃頽的はいたいてき雰囲気ふんいきという意味がある→何が出てくるかわからないので、怖くて、気持ちの悪い場所
「G」:ゴキブリ(GOKIBURI)はっきり「ゴキブリ」と言うだけでも気持ち悪いので「G」という人がいる
「G」のトラウマとかかわる:ゴキブリが出てきて怖かったという体験と関係する
彼らのホームグランド:ゴキブリの巣 ゴキブリが動き回る場所
G対策:ゴキブリが出ないように、出てきたら殺すためにいろいろな薬や道具を準備すること
ついやすエネルギーは相当そうとうなもの:考えたり、買ったりするお金や時間はかなり大きい
過剰防衛かじょうぼうえい:防ぐための薬や道具を必要以上に準備していること。準備しすぎていること。
火炎放射器かえんほうしゃき:火を吹きだす武器
激烈げきれつな商品:大変強い効果がある薬→一瞬でゴキブリを殺したり、捕まえることができる薬
あまり大きな声では言えないが:秘密にしておきたい内容ですが
嫌悪けんお:嫌い、嫌だと思う気持ち
憎悪ぞうお:憎い、と思う気持ち
存在権そんざいゆるす:ゴキブリが生きていることを認める
言及げんきゅうすることすらありえないという態度たいど:ゴキブリについて会話することなんてあってはいけないという態度
→ゴキブリの存在を認めていないので、絶対に人とゴキブリについて話さないし、もし誰かが話し出すと「キャー、やめて!やめて!」と言って逃げ出してしまう人。
自分もいやがらないと変人へんじんあつかいいされる:ゴキブリを嫌いな人がふつうなので、平気な私はおかしい人だと思われる
保身ほしんのためにおいをしている:嫌われないように、嫌いなふりをしている
正直しょうじき言えば:本当のことを言うと
出くわす:会うと考えていなかったときに、急に会う→道に蛇がいた
出会う:会う→道を歩いていて蛇がいる
べびとからめて考えると:ゴキブリが出てきたときの恐怖と、蛇が出てきたときの恐怖を考えると
キッチンの別の闇に思いが及ぶ:キッチンでの恐怖は、ゴキブリが原因じゃないかもしれないと思う
いかにも:みんなが言うように、本当に
図々(ずうずう)しい:人の気持ちを考えない、遠慮がない、厚かましい、
不定形ふていけいなもの:形のないもの それが何なのか、はっきりとわからないもの
思いうかかぶ:思いつく、思い出す
〇〇と言えば✕✕の象徴しょうちょう:〇〇はみんなが✕✕と思う
あらゆる:すべての ぜんぶの
しれっと存在そんざいする:普通にそこにある 当たり前のようにある
用途不明ようとふようの「あいまい布巾ふきん」:どういう目的で置いてあるのかわからない布巾。「あいまい布巾」は筆者の造語
底知そこしれぬ不気味ぶきみさ:よく考えると、とても気持ち悪くなる
一見いっけん:ちょっと見ただけでは
清純せいじゅん:きれいで美しい、汚れていない
善意ぜんいにあふれている:「人のために働こう」という気持ちがいっぱいある
過去:→私が使う前に、その布巾はどこを拭いたのか
おぞましい:体が震えるくらい気持ち悪い
わかりゃしない:わかるわけがない まったくわからない
禍々(まがまが)しさ:悪いことが起こりそうで不安になる気持ち
雑巾ぞうきん:汚れや床など、汚いものを拭くための布
処遇しょぐうも簡単だ:→使い方もわかりやすい
台布巾だいふきんか、皿拭さらふきか、新品しんぴんタオル:台布巾はテーブルの上を拭く布、皿拭きはきれいに洗った皿などを拭く布、新品タオルはまだ何も拭いていない新しいタオル
いったい誰が責任せきにんをとってくれるのか!:(反語)誰も責任は取ってくれない
もの:油で揚げた食べ物 てんぷらやフライ
「あいまい油」:筆者の造語 捨てようと思ってたけれど忘れていた油なのか、次の料理に使うために置いていたのか、今ではなぜ置いてあるのかわからなくなった油
まんいち:可能性はほとんどゼロだけれど
ぬらっとした:油の光る不快な様子、触って気持ち悪いと感じる気持ち ぬるぬる、ぬめぬめ、てらてら
てしなく:限りなく 終わりがないくらい →表現ができないくらい 
不明瞭ふめいりょう:はっきりしない わかりにくい
不気味ぶきみ:気持ちが悪い それが何かはっきりわからない、理解できないために気持ち悪く感じる
出所不明しゅっしょふめい:原因や理由がわからない→なぜそこにあるのかわからない
消極的能力しょうきょくてきのうりょく」という概念がいねん:ネガティブ・ケイパビリティ Negative capability
ジョン・キーツ:John Keats 1975-1821 イギリスの詩人
帚木ははぎ 蓬生ほうせい:日本の小説家、精神科医 1947-
『ネガティブ・ケイパビリティ』:本のタイトル
身につけられる力ではない:できるようにならない
うずくまる:足をまげて座り、動かない
想像力そうぞうりょくまれてしまう:そんな想像をしてしまい、他の考え方ができなくなる

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