売れなくても、有名にならなくてもいい仕組み無いかなぁ

私のコンテンツ消費の中で、特に熱心に消費しているのが音楽である。四六時中聞いている。休職中なおかげで、でかけるときはほとんどずっと音楽を再生している。

その音楽で特に近年感じているのは、異常なまでのクオリティの上昇ではないか、と思う。ネットが発達しきらない時代は、テレビが主要な情報発信ツールであったため、テレビに出ているごく少数のアーティストばかりが有名になっていることが多かった。それから、ネットの発達や、人々の交流、一般人の音楽文化の発展により、テレビにでなくても有名になれたりすることが多くなった。それはひとえに、膨大な楽曲や演奏のコンテンツに、一般人がアクセスしやすくなったということだろう。それにより、ごく少数のアイドルやアーティストが名を馳せる時代から、より競争力がましていった。アイドル部門は、楽曲自体よりアイドルの要素全体での評価がされるため、歌唱力に限界があったりすることも多かったが、近年は、KPOPを中心に、以前のダンスやアイドル力の魅力はそのままに、歌唱力もいわゆる歌手に劣らないクオリティに仕上がっていっている。
また、ある程度多様なジャンルの音楽が、それぞれ混じり合うことが少なくなったが、近年はそれぞれのアーティストが、ジャンルをまたいだ楽曲が多いように感じられる。それにより、あらゆるジャンルで、芸術的評価の高い作品が目まぐるしいスピードで発表されるようになっている。無名のアーティストや、一般人による作品についても、演奏や楽曲制作のクオリティは非常に上がってきているように感じる。どれだけクオリティの高い作品を作ったとしても、売れ続けることは早々なく、そもそも売れるかどうかもわからない時代になっている気がする。また、どれだけ権威のあるレーベルや歴史ある団体から出されていても、テレビに出演したとしても、売れるかどうかすら非常に怪しい。次々と、他の楽曲に上位を取られる前に、新しい楽曲を制作しなければいけない。

アニメにおいても、近年制作費の高騰が問題になっている。それは全くそのとおりだと思われ、テレビで放送されるだけでなくなり、より多くのアニメが放送できる時代になった昨今、ここ数年で、主要アニメの画質、モーション、音質、構成、声優の演技力など、急激に上昇している。無名のアニメや、とある団体が「作ってみた」アニメでも、クオリティは著しく上がっているように感じる。

これはおそらく、音楽に限らず、ネット上でやり取りされる様々なコンテンツに当てはまると思う。このnoteの文章においても同様だろう。こうした状態では、クオリティの高いものを作り上げることができなければ、なかなかコンテンツを手に取ってもらえるハードルは非常に高いままではないだろうか。クオリティはそこまでなくても、ある程度の過激性や衝撃の強さによりコンテンツが広まることもあるだろうが、それも真似できる人はこの世に居ないのではないか、というレベルでないと広まりきらないだろう。
現代において、ちょっと「作ってみました」程度の作品は、ある程度のクオリティが上がっていかない限り、それで食っていくことは本当に難しくなってしまったように感じる。とはいえ、技術力がそこまで追いつかないにしても、クリエイティビティを発揮し続けたい性質の人間、(INFPが特に)芸術家が適職と呼ばれる人たちは多く、無理して他の職業で社会に参加するのが難しい人たちも多いはずである。そうした人たちでも、有名にならなくても、食っていける仕組みがあればいいな、となかなかお花畑な理想を描く今日このごろである。そうすれば自分も・・・

AIを駆使すれば、作品のコンテンツを高めてくれるのかもしれないが、AIを使いこなすのもある主の技術は必要だろう。それくらいは自分たちでやらなきゃ、ということかもしれないが…。

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