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2020年マイベストトラック30+α

キリよく30曲に絞り…きれませんでした…。以下にまとめていきますー。ちなみに上半期の30曲は ↓ より。

Official髭男dism「I LOVE…」

上半期選出。今年もヒゲダンの勢いは健在。ホント編曲が楽しくてしょうがない。細かく刻まれるハイハット、シンセベース、二番のゴスペルライクなハンドクラップとリズムだけで煽るパート、、、Cメロにいくときに敢えてエフェクトかけた声で助走を作るところ…聴き所づくしでアレンジ能力の高さを思い知る。「喜びも悲しみも句読点のない想いも 完全に分かち合うより 曖昧に悩みながらも 認め合えたなら」というのも真摯で優等生で流石…。「Laughter」とも迷ったが、初めて聞いた時のインパクトでこちら。

chelmico「Easy Breezy」

上半期選出。まあ、もう完全に「映像研には手を出すな」という作品にやられたくちでして。そのOPとして起用されたこの一曲。完全にリリックの内容は「映像研」に響き合っている。「誰に頼まれたわけでもないのに 止まらね~筆」「見たもん 聞いたもん それ全部 血になる」「どうせやるなら めんどくさくなろうぜ」…まさにじゃん。つんのめるような早目のリズムも「止まらね~筆」感出ててイイ。アルバムもこの勢い引き継いだ好盤。

w-inds.「DoU」

上半期選出。クールなダンスナンバーをドロップ。フックの前にブレイクを入れて、ファルセットと指のスナップが印象的な「どうして~」のパートを入れてるのニクい~!橘慶太のクリエイターとしての冴えようが引き続き感じられる。三人の最後の作品としても一つ大きな意味のある作品として残っていくし、それに見合う優れた楽曲。二人になってのBeautiful Nowも悪くなかった。

Base Ball Bear「EIGHT BEAT詩」

上半期選出。ここでガッツリ書いたので割愛。

サニーデイ・サービス「コンビニのコーヒー」

上半期選出。厚めに弾かれるギターの音も、ずーっと刻まれ続けるシンバルもイイ~。「コンビニのコーヒーはうまいようでなんとなくさみしい」というフレーズから始まるが、まさにこの「~ようでなんとなく…」というフィーリング!様々なものが安価でいい品質で得られるようになってきていて、確かにその恩恵を受けているのだけど「なんとなく…」という気持ちが滑り込んでくるんだよな…。そして「意味がなくたって生きていけるように祈ってる」とこの曲に書いてくれてありがとう~。ホント今年はこの言葉が響いた気がしてる…。

lyrical school「OK!」

上半期選出。昨年のライブで披露されたタイミングでもガツンとクラった一曲だった。やりたいようにやらないと人生もったいないじゃんねーっていうバイブスの一曲。「死ぬまで生きてく Yeah!Yeah!Yeah!」ってのは「僕は死ぬように生きていたくはない」という中村一義名フレーズのシリアスさを抜いたver.といってもいいのかもしれない。そこのカラッと感が彼女たちの魅力よね。ラストのhimeさんのパートもキマってるぜ~。

佐野元春&THE COYOTE BAND
「エンタテイメント!」

上半期選出。公式の紹介文の通り、ガツンとしたビートロックを骨格にして、この曲を「嫌なことを忘れる」エンタテイメントに、とリスナーに寄り添う一曲。詞の中ではTwitter界におけるキッツいアレコレが描かれていたり「落ちていく星を見ていた夜 It’s just a entertainment.」という一節があったりするが、ここでの「エンタテイメント」とはそれらも含んでいるのかもしれない。シニカルに捉えると。だとして重くならないのは、このビート感とテンポの速さとポップ性ゆえのものだろうなあ。そして「奇妙なガス」のくだりはなんともビジョナリーな…。SONGSでのアクトもキマってた。

ゲスの極み乙女。「マルカ」

上半期選出。2分半頃からの間奏が、ピアノと管楽器だけでなく口内で生み出したノイズを挟んだもので、そういう遊びの入れ方がたまらん好き。ラップパートの「空前の不幸せブームの背景は 政治家でも金でもない 圧倒的に足りなくなってる ハートフルな傷のつけ合いさ」の世相批評も芯を食っていてさすがだ。「STAY HOME」含め、川谷絵音の才能は2020年に入ってもホント冴えまくってるな。

ukka「恋、いちばんめ」

曲名はキャンディーズ感じる(「春一番」)し、楽曲はSMAP感あるポップかつファンキーさだしで外さなさバッチシだ。サビでの「ゆめ はな びら~」という歌の譜割りは乃木坂46「帰り道は遠回りしたくなる」「ここではないどこかへ」でやってたトラップ的なものだよね。これまで自覚してなかった「恋」に気づきそれが「いちばんめ」に来ることで、これまで何となく受容していたものが特別な意味を帯びていく様をポップに描いた歌詞もステキ。これをリードトラックとしたシングルも、収録曲どれも良くて引き続きチームとして好調なのがうかがえた。

宇多田ヒカル「Time」

上半期選出。ハチャメチャにカッコいい。50秒からの10秒間に高いところからフェイク的に低いところへグワーンと移動するメロディもだし、二番のAメロの歌詞と歌い回し、「逃したチャンスは~」への展開もラストのリフレインも…と宇多田ヒカルのボーカル楽しみまくれる。ビートの鳴り方もメチャ好きなやつ。

MELLOW MELLOW「最高傑作」

上半期選出。「メインストリートは朝7時」とかなり迷ったけど、こちらをセレクト。小西康陽提供曲。彼の3人組アイドルへの提供曲といえばNegicco「アイドルばかり聴かないで」だと思うけれど、やっぱツボを外さねえなぁ~!早いギターカッティング、効果的に挟まれる金管楽器に高揚させられる。少しリズムを食って「いーーーーま目の前に」と入る最後のパートの入り方も超好き。結局今年はこの後に何もリリースしなかったなー。押せ押せでリリースラッシュカマしてほしかった。

RYUTist「ALIVE」

上半期選出。今年はRYUTistの年だったのではないか、と思えるほどの活動の超充実ぶりよ。しっかし、この曲のインパクトは尋常じゃなかった。蓮沼執太フィル提供のこの曲は、南波さんがツイートしていた通り、快い速さの春風吹き抜けるような爽やかな大曲となっている。語りのパートはちょっとだけ口ロロ「00:00:00」とか浮かんだ。曲提供者の味も爆発してるけど、結局6分辺りでフィーチャーされる4人の声の重なりの魅力に尽きる。

降幡愛「CITY」

上半期選出。この楽曲に込められた熱量の高さや楽器云々に関してはナタリーの記事に詳しい。しかし、一聴して刺さって仕方ない完璧に作りこまれた80sサウンドと、ネオンサインがボンネットを滑っていくかのような夜と明かりと彼と彼女が織りなす「city」を描いた降幡愛自身が書いた詞のマリアージュぷりったらない。この曲を収録したEP「Moonrise」もムチャクチャ快作。のこのこさんのnoteに詳しい。

OKAMOTO'S「Dance To Moonlight」

ハマ・オカモトのこのツイートが物語っているけれど、コンセプト決め込んで作られた彼らの楽曲が好きなんだろうなあ、俺は。それとシティポップスを掘ってたタイミングともかぶったし、という。結構コーラスと演奏のみのパートの時間が長くて、それも彼らの楽曲の中では珍しい印象。

竹内アンナ 「I My Me Myself」

吉澤嘉代子や、Rei、藤原さくらなど、10年代になってガツンときたギターを操る女性シンガーソングライターはいるが、20年代になって「こりゃハイクオリティだ」とガツンときたのが竹内アンナだった。この曲ではアコギの演奏を基調としつつ、打ち込みもバリバリで、歌唱にしても英語も流暢に操るし、キャッチーなメロディを歌うだけでなくラップ的なパートもしっかりこなす。アルバム・EPともに今年リリース作品はいずれも充実作だった。

藤原さくら「Waver」

CDTVだっただろうか、彼女が出たときにその声を「癒される」的な紹介がなされていて、それも頷けるのだけど、一方でそのスモーキーさハスキーさには微かな摩擦感がある印象で。この曲もトラックは浮遊感が強めではあるし、攻撃的な詩ではないけれど、「西の方へ帰ってったよ」辺りの摩擦感が強く見えるぶっきらぼうさがグッときた。アルバムもメチャ良かった。

I'm「サマータイムラブ」

今年の夏はアルバムで言うと、ナツ・サマーの『HAYAMA NIGHTS(葉山ナイツ)』が都会派でトロピカルでスティールパンの音とかチルくて撃たれた。曲単位でいうとエビ中「23回目のサマーナイト」やKEN THE 390,PES,Ymagikの「Summer Vacation」もリピートしたけど、やっぱりこの曲。夏のマジックアワーを涼しげに切り取ったような力の抜け具合で好き。「神様に誓っても意味ないし 君に会いに行くよ」「悲しみのなか生きることを選んだって」と、ピリッとした言葉がいい塩梅で入ってるのもステキ。

米津玄師「感電」

俺はドラマは見てないけど、その相互関係もエぐそうだなと思いつつ。この早くないBPMでもしっかり乗せてくる楽曲作っちゃうよね~!しかも、「肺に睡蓮~」のパートでは後ろで石若氏にとんでもないドラム叩かせておきつつ、ちゃんとサビ前のキメに「ダッダッ」て入れてリスナー置いてけぼりにしないサービス精神もありで。「Flamingo」に顕著だった色んなサンプリングも引き続きで聞きこむほどに面白みがある情報量もスゲえ。POPLIFE the Podcastのこの回は要チェック。

indigo la End「夜風とハヤブサ」

「夏夜のマジック」以来の衝撃と言っていいくらいの撃ち抜かれ具合だった。存在感強い重心低めでシティポップみのあるパターンのリズム隊がカッチョええ。だけども、サビはファルセット気味の歌唱で浮遊感を持たせるという、その相反している感じが病みつきになる。「今はまだハヤブサ通りで」と強めの声で歯切れよく歌うのもスパイスになってる。

Tohji「プロペラ」

もう完全にリリックには意味がなくて聞こえの良さというか、口馴染みのよさでしかない。にしても、このトラックの落ち着かなさというか、地に足ついてない浮遊感と飲み込まれそうな感覚は何なんだ。ワケワカランけど、ワケワカランから好きだしついつい聞いてしまう一曲だった。

BTS「Dynamite」

全世界を虜にする七人組の一曲(MVもいいけどこのアクトにはシビれた)。バックトゥ80sなノリはグローバルな同時代性だろうけど、楽曲だけでなくダンス、衣装にも効いてるのが(当然ではあるものの)たまらんよね。押韻を十分に利かせたリリックも体を揺さぶってくるし、セルフボーストな部分もサビもサイッコー。ホントこれきくと、w-inds.のことを考えてしまう。。

Travis Scott「The Plan - From The Motion Picture"TENET"」

「ゴゴゴ・・・ゴゴゴ・・・」となるベース?のリフレインが耳から離れねえ。今年はUSのラップも興味があったらいろいろ聞いてみて、それこそ彼の「FRANCHISE feat. Young Thug & M.I.A」とか、フューチャー「Up the River」だとか様々ピンとくる曲があったけど、この曲にまさる印象の物はなかった。IMAXで『TENET』観に行って大音量で聞いたこれ、ハンパなかった…。

Creepy Nuts「耳無し芳一Style」

「みんなちがって、みんないい」以来にピンときた曲。なんというべきか、先述の曲以来(出ているメディアがそうだからか)いわゆる「J-ROCK」的なノリの曲が増えたような印象だったが、この曲はそれとは一線を画す曲となっている。隙間恐怖症かと思うほどの文字量で差し迫ってくる。声の使い方・フロウもできる限りを詰め込んできて1秒も飽きさせることがない。

tofubeats「RUN REMIX(feat.KREVA & VaVa)」

tofubeatsのもともとの能動性とそれによる変革への意識も、VaVaの引用と二人へのリスペクトもグッとくるけど、KREVAのパートにヤラれまくっちゃって。全フレーズパンチラインじゃない?と言いたくなるくらいの筆の走りよう。完全にレベル908じゃんかよ。「俺またスプリント 響くファンファーレ」で実際ファンファーレが鳴るけど、このアレンジはそのまま過ぎてちょっとなー笑、と思いつつ、このファンファーレは誰が為に鳴ってるの?KREVAの為でしょ。当然鳴るでしょ。何言ってんの?

Kaede「ジュピター」

この曲が収録されているミニアルバム『秋の惑星、ハートはナイトブルー』は制作にLampが関わっており、全編シュガーベイブを思い出す楽曲・編曲で超イカしてるのだけど、リードトラックたるこの曲もそれにたがわぬ印象の一曲。控えめでウィスパー成分強いKaedeの歌唱と雰囲気がマッチしてる。ご結婚おめでとうございます!!

BUCK-TICK「ユリイカ」

ホンット景気のイイアレンジされてるな…。サビの歌詞も「LOVE!LOVE!LOVE!LOVE!LOVE!YEAH!YEAH!YEAH!YEAH!YEAH!」と景気がいい。最初聴いたとき「MOONLIGHT」まんまじゃねえか!とゲラったものの、そのくらい昔の曲が浮かぶほどタイムレスな感覚で曲を作り続けられるのはスンゴイ。

真心ブラザーズ「炎」

こちらも景気がイイ曲となっている。コロナ禍、ベテラン勢が景気のいい曲をリリースする率高・・・かったのか?ソウルフルなアレンジでグイグイ引っ張られる。「つまらないよ 君でないと」と思える相手と会える時は中々来ず「待ってるんだ 待ってるんだ 待ってるんだ」とリフレインされる。ああ、これはコロナ禍で会う機会を奪われた誰かの歌なんだと知る。その障害をギターソロで燃やせ。

ゴスペラーズ「I Want You」

彼らはその五人の声だけで彩りを楽曲で表現できる優れたコーラスグループだと思う。『アカペラ』というアカペラのみの楽曲をまとめたアルバムを出しているくらいで(この楽曲も収録する『アカペラ2』が来年リリースされるとのこと!)。ドゥーワップもそうだけど、グルーブ?ノリ?のあるアカペラの曲は山下達郎の『ON THE STREET CORNER』シリーズを端緒に好きでねえ…。そこのツボをグリッと刺激してくれた一曲だった。

ANARCHY,BADSAIKAUSH「DAYDREAM」

「カバン持ち」「大麻」といった言葉が並ぶが、それ以上にリリックに浮かび上がるのはラッパーとしての自らの活動に真摯に向き合っている彼らの姿だ。「命を削って作り上げる不朽の名作」「CultureにArtなら背負わないと書けない」といったラインが他の言葉と同程度の熱を持ってラップされている。つまり、大麻と深く関わって生活することも、命を削って音楽・芸術に向き合うことも当然の振る舞いだということだろう。メロウなトラックに刻まれる言葉の数々にビリビリシビれた。

流線形,一十三十一「悲しいくらいダイヤモンド」

一十三十一と流線形という間違いないコラボの楽曲、当然バッチリの仕上がりでたまんない。シティポップキマってんね。ユーミンの「DESTINY」「埠頭を渡る風」「14番目の月」辺りが頭に浮かぶような一匙の切なさと爽やかさと速度を持った楽曲。「なんとなくクリスタル」を彷彿とさせるタイトルもクスッとさせてくれて好き。

End of the World「Dropout Boulevard」

SEKAI NO OWARI名義で出した「Dropout」はアレンジがわかりやすくEDMライクだなーと思ってしまって全然ピンとこなかったのだけど、こちらは一瞬で撃ち抜かれた。ピアノを含め打ち込みではない生演奏の音を基調としていつつ、残響の強いクラップ音や、泡がはじけるコポコポした音が聞こえるといった工夫が効いているのも好印象だった。

吉澤嘉代子「サービスエリア」

彼女にかかるとサービスエリアも恋人たちの逢瀬の場と変化する。それも世界を死に追いやるほどの。彼女は言葉を使って、以前からあるものを「これまでのようではいられなく」する才に本当に長けている。それは穂村弘などの現代短歌からの影響も多分にあるのだろうけれど(「ガードレール」について対談で話していたことが思い出される)。「えらばれし子供たちの密話」のようにリズムへのアプローチもトライしているが、メロディのキャッチ―さ仄かな奇妙さ不穏さも光っており、これまでのトライが結実した一曲という印象も。

赤頬思春期「Red Lipstick」

シンプルなリズムパターンと、爪弾かれるエレキギターの音、サビ終わりに差し込まれる管楽器の音、気だるげに続く歌唱(2分半ばはけっこうアグレッシブな歌いまわしになるものの)、どれも押しつけがましくないのに、強く印象に残っている。どれもこれも収まりがいい音の配置と当たりの強さなんだよなー。

Mr.Children「others」

ここでガッツリ書いたので割愛。しかし「Birthday」と非常に迷った。ミスチルの新機軸という観点だと「Birthday」ではないか、と思うものの、「ミスチルのバラード」もここまで進化するのか、という驚きをこの瞬間では尊重しランクイン。

NONA REEVES「Disco Amigo」

BTS「Dynamite」からの影響もあるというTHE ノーナなダンサブルポップで、サイコーでしかねえや。ストリングスの感じは筒美京平イズム的なことだったりするのだろか。音が非常にクリアでキレがいいのも好きなポイント。

評価、というより好き~てなノリのチョイスでございました。ちなみに10曲に絞るとこのツイートのようになります。

ここで挙げた曲はプレイリストにまとめました。

各シーズンでもまとめたので、以下に列挙。

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