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歯の治療と摂食障害とADHD

今日で5年以上お世話になっていた、1時間以上かかって通っていた歯科医院の先生から、「インプラントをしたいけど、骨の幅が狭すぎてうちでは無理なので、紹介状を書きますね」と言われた。

先生は本当によく治療して下さったので感謝しかなくて、色々説明されながら、これまで歯が悪くなった経緯を考えていた。

といっても幼稚園の頃から、本当に歯医者が大嫌いだった。ということは、その頃からまあ歯が悪かったんだとは思う。

2~3年ほど前かなんかに、ADHDの当事者と、発達障害の方向けの就労支援会社の人の講演会のパネルディスカッションを聞きに行った。就労支援会社の人がADHD当事者の人に「歯、大丈夫ですか?ADHDの人って歯に問題がある人が多い印象です」みたいな話をしていたのを聞いて、度肝を抜かれ。

私のADHDであろう母親も歯は若い頃から悪くてよく歯科にいっていたけど、我が三姉妹のうち、歯もADHD度合いも、一番状態が悪いのが私。歯が悪いのは、遺伝かなぁとも思ってた。母のADHDも遺伝してますが。

その上、私は、大学時代に過食症になっていた時期があって、食べては吐いていたので、それも歯が悪い原因なのかなと思う。胃酸で歯がやられたのかなとか、今日は診察台上で、色々思い巡らせていた。

ADHDがあると過食症というか摂食障害にもなりやすいというのは当事者会でも話題になる。ちょうど私が過食症だった時期は、アルバイトなんかはしていて、少ないながらも好きにお金は使えた。心が未熟だったうえに、友達らしい友達もいなくて、やりたいこともなーんにもない時代だったから、ADHD的な衝動性を自分のためにどう発揮して良いかも分からず、過食に走っていた。段々、吐きやすい甘いパン類・お菓子類を食べるようになって、吐くことが目的になる嗜癖の類になっていった。1年は続いたと思う。

吐き癖を止めることができたのは、母親がある日なぜか「マウンテンバイクを買ってあげるから吐くのやめなさい」と言ってきたことがきっかけだったと思う。別に自転車なんて欲しくなかったのだけど、結構高いめの5万円ぐらいする自転車を買った。母親なりに心配はしていたのだと思う。親に心配されたのが嫌だったのか、ホッとしたのか、今ではよく分からない。高いモノを要求して、買って貰えたことで、なにがしか親から愛されてると思えたのかもしれない。

ADHDと過食症が関係あるなんて、線でつながるまでは、ずっと自分が弱いからだと思っていた。というより、歯が悪いことと、過食症もADHDのせいにしてしまっていいのかなという気持ちもある。でも一旦、点が線で繋がったら、衝撃すぎた。

発達障害当事者会で、偶然過食症の話が出て、主催者のかたが「依存症や嗜癖は自分を癒やすためにしている行動なんですよ」と話されていて、それは頭では分かっていたけれど、その文脈で耳から聞くとすごくその言葉が心に沁みた。

正直、これまで、歯科にいって「なんでこんなにひどい状態になったか聞き取りをさせて下さい」とか言われて、本当にしんどくなったこともある。私は、多分、歯科医にとっては、手がかかる嫌な患者だったのではないかなとも思う。今日まで行っていた先生も、私の歯だけではなく、私のいろいろな背景を、何も聞かずに、ある意味治療してくれていたのではないかなと思えてきて、ありがたいなと思える。歯は私の歴史なんだなぁとか、ぼーっと考えている。新しい歯科医に行くことをちゃんとto-doリストに載せとかないと、今のところどこも痛くもないし、困っていないので、そのままになってしまいそう。怖い。














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