見出し画像

大学生警備員の小砂8:世代間の交流があるって良い

ここの話は私が20歳の頃のしょうもない経験と考えたことを元に回想し、解釈しているだけで、必ずしも正しい知識ではないことが含まれていることをあらかじめおことわりしておきます。
1992年、夏。私は朝の新聞配達以外は「引きこもり」のような生活から少し歩みだし、20歳の時に江東区にある高層ビルで警備員のアルバイトになりました。夜間のアルバイトです。そして、夜勤の警備員アルバイトをしながら、21歳の時に大学生になりました。

昼間に大学に行って、夜に警備員をしていましたら、労働時間が長くなり、準社員となりました。

さて、警備員をしているとですね、半年か一年に一度、警備員講習というのを受講する必要があります。そのような講習を提供している協会が豊島区内にあって、アルバイト警備員も参加が義務付けられていました。同じアルバイト先の大学生たちと一緒に参加するときもありますが、多くは他の会社の警備員の方が参加されます。年齢層も幅広く、20代から70代くらいまでおられます。

いろいろな人たちと机を並べ、時間を共有するけっこうワクワクする時間でした。

私のアルバイト先の同年代の大学生も、もっとあからさまに退屈そうにするんじゃないかと思っていたのですが、意外とまんざらでもないように参加していました。やっぱり、人間は好奇心の生き物ですね。警備に関わる科学や機械の話などを聞いていると意外と楽しいし、実技まで付いている。法律の話の時間などは、たぶん講師は警察OBだったりしてですね、休み時間のおしゃべりなんかも面白いのです。

私のアルバイト先には、女子大生の警備員もいました。女子大生は夜勤はなしです。服装も警備服っぽくない制服だったので、会社の受付の人と言う感じでしたが、ちゃんと警備員講習は受講していました。この講習で楽しさを感じたからではないでしょうが、彼女たちの中には大学卒業後に警備会社に総合職で就職した人たちもいました。それからすぐですかね、テレビCMなんかでもその企業たちは露出が多くなって、いまや、大手企業です。先見の明がありましたね。

このころの企業は余力がありました。アルバイトにもいろいろ教えてくれる社員たちがいました。教えたいというニーズと習いたいというニーズがかみ合う。私はまだパソコンなんかいじったことがない初心な人でしたが、社員さんの仕事を少し手伝うことで、文書作成や表計算を教えてもらったり、宅建取引や不動産鑑定士等の資格を持っているヒトから仕事の話などを聴く機会も多くありました。

今思うと、世代間の交流があるって良い機会だなと思いました。大学だとやはり同年代との付き合いが多くなってしまいます。

仕事の話からはじまり、雑談していると家族の話や育児の話をしてくれます。いまでこそ「イクメン」等の言葉がありますが、当時の男性社員の中にもそういう人はいましたよ。ただ、そういう人がそんなにフォーカスされていなかったのだと思います。人材を測る評価の尺度にワークライフバランス的な生き方の基準が入っていなかったからでしょうか。

教訓

学生の目から見ても、自分なりの納得で仕事と生活の両立をバランスしていた人はそのころから幸せそうに見えました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?