【随想】芥川龍之介『侏儒の言葉(遺稿)』
ありふれた惑星にありふれた歴史を繰り返す
瞬きより短い現象が発生と消滅を繰り返す
環境と反応が偶然と必然を交えて無意味に構築される
ここに意志などない
まして人格なんてある筈もない
創造は時間を形成する道具でしかない
我々がそうあるために我々はそう認識しているし
我々がそう認識するために我々はそうあるだけだ
偶然を神と呼ぶなら必然もまた神格化される
ここには誰もいない
何も証明できない
何一つ確かなものはない
唯言葉があるだけだ
言葉が創造する理屈に依拠せざるを得ない我々は
余りにも人間的で余りにも脆弱だ
世界は生命を消化する
何の意味もなく何の目的もない
ここには誰もいない
阿呆の認識があるだけだ
この記事が参加している募集
素晴らしいことです素晴らしいことです