【随想】太宰治『十二月八日』
破壊は絶望だ。だがその先に新しい希望が見えるから、妙に心を昂ぶらせる魅力がある。台風の赤焼けに終末の興奮を覚える。徒な否定はよせ。駄目だ駄目だと言っているだけではそこから何も得られない。どうせそれは必ずあるのだから、無駄にするのは勿体ない。細胞は常に入れ替わる。変身欲を人と切り離すことは出来ない。テセウスの船など問題ではない、変わることは生命の本質だ。創造は破壊と共にある。真理とは倫理や道徳を超えたものである。価値観が入り込む余地など無い。やれとは言わない。諦めろとも言わない。ただ目を背けてはならない。終わるまで、終わらないのだから。
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