【随想】宮沢賢治『どんぐりと山猫』
街に出る度、猫に遭遇する。初対面の猫か、以前にも出会った猫か、それは分からないけれど、人が人に共通な態度を取るように、猫は猫らしい態度を取る。
猫を見つめてみる。猫は見つめ返してくる。一定の距離を保つ限りにおいて猫はその場を動かない。視線を捉えることが彼らにとって何の意味があるかは知らない。
さらに猫を見つめる。猫は座り込む。警戒に疲れたのか、それとも何かをじっくり考えようというのか。
さらに見つめてみる。猫は呆れたように去って行く。
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