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宍道湖は 鳥の楽園 守ろうよ

宍道湖は 鳥の楽園 守ろうよ(詠み人 失念)

この標語は家の前の公民館に昔貼られていた、ある小学生の標語である。毎年、その公民館には小学生の書いた標語が1枚、古い標語と入れ替わりに新しい標語が貼り出される。だから今はもうその題名の標語はない。よって詠み人も失念してしまった。もうかれこれ10年以上も昔の標語だから、それを書いた子供は立派な大人になっていることだろう。もし、それは自分が書いたという人がいたら、ぜひぼくに連絡してほしいものだ。

なぜ、この標語の話をしたのかというと、ぼくは仕事で宍道湖沿いの国道を車走らせるときに必ずこの標語を口ずさんでしまうからである。もう頭にこびりついてしまっているのだろう。宍道湖にはたくさんの水鳥が集まっている。その光景を見ていると、ついくだんの標語を思い出し、ひとりつぶやいてしまう。そう思うと、(個人的ながら)こころに沁みる標語だったということなのだろう。



この時期になると、水鳥とは別に渡り鳥もたくさんやってくる。代表的なのはハクチョウだろう。休耕田にエサを撒いているのか数十羽のハクチョウが群れをなしてやってくる。毎年おなじみの光景だ。

ハクチョウ(白鳥、swan)とは、カモ科の7種の水鳥の総称。シベリアオホーツク海沿岸で繁殖し、冬季は温暖な日本などへの渡りをおこない越冬する大型の渡り鳥である。

しかしおかしなことに、この時期やってくるハクチョウの群れとは別に一年中宍道湖にいるハクチョウも数羽いる。

宍道湖北岸に道の駅・秋鹿なぎさ公園というのがある。

そこにはハクチョウタイプのペダルボートがあるのだけど、まさかあれを見て「よしおれたちも住み着くか」とおもったハクチョウが数羽いたわけでもあるまい。やはり、おそらくだれかが飼っているハクチョウなのだろう。

というわけで、ときどき国道をハクチョウが歩いて渡ることがあるため、交通渋滞を引き起こすことがある。かといって、我々はハクチョウを怒るわけにもいかず、だまって通り過ぎるのを待つことになる。そのあたりに出雲人のやさしさというものがあると思いたい(怒っている人がいるのかもしれないけれど)。



出雲の古代の地理誌「出雲国風土記」は神話の宝庫であるとともに、古代の地理誌として当時の生活風景や、植物、海産物、動物なども克明に記載されている。

その中に鳥たちの生態も記録されている。例えば、先の秋鹿なぎさ公園のある秋鹿郡には

「秋にはすなわち、くぐい、かり、たかべ、かもなどの鳥あり」

とある。このくぐいというのがハクチョウのことである。

このことから、古代から人々はハクチョウを見知っていたことになる。



今日は出雲も雪が降っており、一段と寒さも厳しい。しかし、冬には冬の楽しみもある。

たまにはハクチョウを見に出かけてみるのもいいかもしれない。


ヘッダーの画像はotatakahikoさんの画像をお借りしています。ありがとうございました。



こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。

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