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思考のしおり

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いろんな分野にわたって考えたことをまとめています!
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#noteの書き方

共感はそこまで必要なのか

デザイナーである田中 一光の著作を読んでいたところ、「共感よりも芸術の啓蒙を」というような一節にぶつかった。デザインに関わらずどんな分野や場面でも共感を重んじる現代には物珍しく響く言葉である。逆に「啓蒙」の方はは久しく耳にしていない。 共感が重視されるようになったのは言うまでもなくインターネットの影響だろう。誰でも気軽に意思表明できると言うのは今までにない変化だといえる。今まで出版という関門を抜け出すことのできなかったものも世に出てくるようになった。 意思があちらこちらで

「ヒットの法則」は存在するのか

自分の作品が世に認められてほしいと願うのは自然なことである。近所の書店を少し歩けば、こんな希望を叶えてくれそうな「バズる文章術」や「ヒットする作品の秘訣」といった本がたくさん並んでいる。 ただ従うだけで人気を保証してくれるような法則があるのか疑問に思う人もいるだろう。実際これらは当てにならない内容のものがほとんどではあるが、だからと言っていわゆる「ヒットの法則」が存在しないと言い切ることはできない。 「ヒットの法則」なるものが本当にあるならそれは喜ばしいことだろう。創作者

いい文章とはどんなものか

名文を書きたい。これは腰を据えて文章を書いた経験のある人なら誰でも考えることである。「プロが教える文章術!」などといった本が書店に溢れていることはそれを証明しているが、新刊が出続けているのを見ると決定版はまだらしい。 そもそもどんなものが「よい文章」なのかということも明確ではない。起承転結や5W1Hが大切だとも言われるが、確かにこれは一理ある。長い時間をかけたであろう文章でも、構成が悪く何を言いたいのかがわからないというものもよく見かける。情報伝達という意味ではこれは重要と

今すぐできる!文章力を上げるコツ

表現や文体でライティングの印象は大きく変わります。文章力を高めるにはどうすればよいのでしょうか。今回は簡単にできる文章のコツを紹介します。 情報の整理 まずは、表現を箇条書きで書き出して整理してみましょう。 文章に何を書くか、何を述べたいか、その順序や構成を整理します。これによって文章内に同じ言葉を何度も使うようなことは避けることができます。 わかりやすい文章を書くために、はじめに結論、理由、補足、まとめの順で書いていくとよいでしょう。そして、読み手に説明するような形にし

小説の書き方と読み方

図書館で『小説読本』なる本を見つけた。著者は三島由紀夫。内容は小説についての考察がいくつか収録されたものであった。三島の作品には他に『文章読本』というものもある。こちらも似た内容だが、小説以外の形式にも触れている。 彼の生きた時代も小説家を志す青年は多かったらしい。インターネットという発表の場が増えた現代では、その数は当時と比べ物にならないかもしれない。私が本を手に取ったのも同じ理由ではある。 誰だったか覚えていないが、ある作家が「小説は見たものを書く」仕事だと言っていた