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シンプルにできないか。


アップルの仕事をしていた話は、以前にも書きましたが、
今日は、別の角度から、強いブランド作りの秘訣を書いてみます。

1 面倒くさいものは、嫌われる。

朝起きてから寝るまでの間、私たちは、
否応なしに膨大な量の情報を受け取ります。
そのほとんどをスルーして、自分に関係のある情報を
選び出し、理解し、また次の情報を受け取るという
繰り返しです。

多くの情報は、簡単ではありません。
たとえば、「じつはAだけど、Bなこともあって、Cな部分も
あります。」のような、複雑で面倒な話が多いです。

そうすると、どうなるか?

「なんか良さそうかと思ったけど、
面倒くさそうだから、いいや」
話を最後まで聞いてくれないでしょう。

最近、韓国ドラマがまた人気になっています。

豪華な俳優や制作費をふんだんに使った映像の面白さ、
ストーリー展開の楽しさなどもありますが、
どれにも共通しているのは「わかりやすさ」では
ないでしょうか。

ある意味、予想通りの展開、が多いのですが
その明快さが、大量の情報を浴びている私たちには
心地良いのではないか、と思います。

2 ひとつ、にしよう。

少し昔の話ですが、iphoneが人気を博した理由のひとつが
ひとつだけのホームボタン、でした。
(現在のiphoneにはホームボタンはありませんが)

アプリをいろいろ立ち上げていても、
ホームボタンさえ押せば、なんとかなる。
迷子になることがない。

このシンプルな原則が、スマートフォンの草創期にあって
「使い方が分かりにくい」と感じていた人たちに
大歓迎された、という話を聞いたことがあると思います。

ブランドも、同じです。

ひとことでいえば、特徴は何なのか。
セールスポイントは、何なのか。
他と違う点は、何なのか。

一瞬でわかるような、シンプルなひとことが必要です。

Appleは、ブランドだけでなく、商品ラインナップも
シンプルです。
複雑な品番が並ぶのでなく、シンプルな商品構成に
することで、選ぶ側が面倒くさくない、のです。

あれこれ言うのでなく、ひとつにする。
それが、強いブランド作りにとって不可欠な考え方です。


3 シンプルにする方が、難しい。

シンプルなものは、簡単です。
ともすると、「そんなに簡単だったら、高級感がないのではないか」
「子供でもわかるような簡単なものは、幼稚に見えないか」

いろいろな「心配」が出てくるかもしれませんが、
まさに、それくらいシンプルなことがベストです。

Appleの有名なブランドスローガンは、
Think Different ですが、たった2文字の簡単な言葉です。
シンプルすぎて不安になるような簡単さです。

ところが面白いことに、Think Differentの持つ意味は
さまざまなイメージを与えてくれます。

ある人にとっては、自分の生きる意味になります。
ある人にとっては、恋愛の秘訣になります。
ある人にとっては、上手な投資戦略にもなります。

シンプルな言葉は、このように受け取る人に
「考えさせる」効果があり、そのことにより
記憶に残し、愛着を生む作用があるのです。


今日は、シンプルにする、ということを
Appleを例にしながら考えてみました。
シンプルが持つ意味、大切なことはまだまだ他にも
たくさんありますので、また書いてみたいと思います。


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