コンサルタントとクリエイターは、何が違うのか?
今日は少し角度を変えて、仕事の違いについて
極めて個人的な経験をもとにした考察を書いてみます。
僕は純然たるコンサルタントとして仕事をしたことがないのですが
今までご一緒させていただいたコンサルタントの方との経験上、
問題解決をするためのアプローチがクリエーターとは、
いろいろと異なっているように思いました。
1 コンサルタントは、答えを出すまでが仕事?
最近では、運用も行う実践型のコンサルタントの方が増えているようですが
かつて、クライアントへの提案書の打ち合わせをしていた時に、
このように言われたことがあります。
「これ、答えを出しちゃってますね。これじゃ、仕事にならないですね」
広告クリエイティブの仕事では、答を出すのが仕事ですが、
当時のコンサルタントの方のお話では、クライアントに問題提起を行い、
その仮説を検証するための調査設計、分析をすることが
コンサルタントの方のビジネスになる、ということでした。
広告クリエイティブのアイディアは、仮説でしかないので
厳密にいえば答えではないのですが、多くの場合はひと通りのマーケティング課題や事情がわかれば、なんとなく「答え」のようなものが見つかります。
それは、経験によって得た技量であるのですが、
コンサルタントの方からしたら、「やりすぎ」と受け取られてしまったようです。
2 科学か、主観か。
広告クリエイターは、数字があまり得意ではありません。
今では、広告の仕事でもさまざまな調査をもとに実行案を考えるので
昔ほど数字アレルギーの人は多くはないと思いますが、
調査部門の担当者とクリエイティブディレクターが言い合いを
することは、珍しくありません。
「そんなこと、調査しなくてもわかってるよ」
「それは、あなたの主観ですよね」
「主観? それのどこがいけないの?」
みたいな終わらない会話が続きます。
たしかに、個人の思い込みや勘だけでは、
今のマーケティング 環境の中では確度があまり良くないかもしれませんが
調査の数字だけが真実とも限りません。
優秀なコンサルタントの方は、分析が上手なように思います。
データ分析は、集計することに意味があるのでなく、
どのような仮説をもって分析するのかが大事とされますが、
この仮説をもつ、というのは、極めて個人的な「感覚」でもあります。
データ分析には、センスが大事、と言われますが
じつは、数字をそのまま鵜呑みにしているのでなく、
どこかで「主観」を入れながら、仮説設計をすることが
コンサルティングであっても、クリエイティブであっても
大事なように思います。
3 ゴールイメージは、何か。
コンサルタントの方とクリエイティブの最も大きな違いは、
このゴールイメージの描き方ではないか、と思います。
広告クリエイターは、アイディアを考えるときには、
具体的なイメージを頭におきます。
動画やグラフィックを制作する仕事でなくても、
完成形をビジュアルでイメージすることで施策を組み立てて
いくわけですね。
具体的なビジュアルで施策を説明するために
クライアントにとっては「わかりやすい」というメリットもあります。
(近年、この提案用のビジュアルづくりがどんどんエスカレートして
作業が大変ではありますが、、)
一方でコンサルタントの方のゴールイメージは、何でしょうか。
支援する会社に起こる変化、経営陣や社員の態度の変化、
あるいは、グラフのようなものや、数値的なものかもしれません。
それぞれがもっているゴールイメージが違うことで
そこに至るまでの手法や考え方も異なります。
広告クリエイティブ の企画書も「根拠」が必要で
それは、個人の主観だけでは限界があります。
従来は、その根拠を調査やマーケティング担当の方に手伝って
もらっていたのですが、それも行き当たりばったりなことも多く
なかなかうまく「接着」しないことも多かった記憶があります。
コンサルタントとクリエイターの協業ということも
これからはもっと活発になっていくのかもしれませんね。
まったくの個人的な経験や「主観」によって考察をして
みましたが、これからもコンサルタントとクリエイティブの仕事は
クロスオーバーしてくる部分が多いのではないか、と感じています。
今後、そうした協業が進む場合は、まずはそれぞれの
立場を理解しあいながら、より効率のいいコラボレーションが
生まれるといいのでは、と思っています。
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