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ある日突然「あいさつ」がこの世から無くなったら。

先日、研修で「あいさつ」”意識としての反応”ではなく、”身体として反応”という事を学んだ。

つまりは、相手から「おはよう」と言われた時に、無意識に体が動くように瞬時に「おはよう」と返してしまうもの。
そして、元気に笑顔で挨拶をされた時は、笑顔で「おはよう」と返していないだろうか。
きっと、あいさつを返す前に”相手が笑顔だからこっちも笑顔で返すか”とか考えたり、意識したりしていないだろう。

あいさつは、
個人と個人をつなぐ基本的な部分で、それは意識を超越した”身体のつながりだ”
。という事を先日の講義で学んだ。

UnsplashのCytonn Photography

▽「あいさつ」は対面通行

「あいさつ」はビジネスシーンや様々な人間関係の上で非常に大事だと言われている。

あいさつは特に誰から教えてもらうわけでもなく、自然に身につけていくものが多いのではないだろうか。

「おはよう」「おやすみなさい」「ただいま」「おかえり」「いってらっしゃい」などなど。

数えたらキリがないくらいだ。

きっとそれらのあいさつは全て一方通行ではなくて、
「おはよう」と言われれば「おはよう」と返すし、
「ただいま」と言われれば「おかえり」と返す。
そして、「いただきます」と言われれば「めしあがれ」と返す対面通行なのがわかると思う。

時々、一歩通行になるときはあるが、そんな時はモヤモヤするだろう。

つまり、これら全ては意識の中で交わされるものではなく、無意識に身体的反応でやりとりがされているのだ。

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▽”あいさつ”のない世界を想像してみよう

少し考えてみた。

もし、この世に突然「あいさつ」が存在しなくなったらどんな世の中になるんだろうか?

想像してみよう。

朝起きて、「おはよう」の挨拶がないから、無言でテーブルに座り、朝食が出てくるのを待つ。

そして、何となく相手の機嫌が良いのか悪いのかわからないので、何の話を切り出していいか悩んでしまい、何となくテレビの話題で話しかけたりしてみる。

会話の中から相手の機嫌を確認しつつ、出された朝食は無言で食べ始め、食べ終わったら、無言で食器を片付け、仕事にいく準備を済ませる。

「そろそろ、行ってくるかなぁ」と独り言のように呟き、無言で家を出る。
きっと「行ってきます」がないので「行ってらっしゃい」もない。
だから自然と玄関での見送りがなくなっていく。

きっと挨拶がないと、こんな朝を迎えるのだろう。

職場に到着してからも、こんな感じではないだろうか?
社員が次々に出勤してくるが、「おはようございます」のあいさつがないので従業員皆んなのコンディションがいまいちわからない。

朝礼も「おはようございます」から始まらないと、どんな感じでスタートするんだろうか?雑談からスタートするのか、あっさり共有事項だけで終わってしまうのか。

そして、社内では「お疲れさま」のあいさつも無いので、なんとなく従業員同士のコミュニケーションが気まずくなり、仕事をお願いすることもなくなっていく。

そして、「お先に失礼します」の挨拶もないので、気がついたら事務所に1人だけになっていた。なんてことが想像できる。

仕事が終わり、帰りにお店に寄ったが店員から「いらっしゃいませ」のあいさつがないので何となく孤独を感じてしまい、購入したところで「ありがとうございました」もないので、そこのお店では買い物をしなくなっていく。

買い物はネットで済ませるようになっていくが、配達する配達員さんもあいさつがないので、事務的に無言で印鑑のやりとりだけで終わってしまう。

いつしか「ご苦労さま」とか「いつもありがとう」のような、感謝の言葉もなくなっていく。

こんな世の中を私は想像してしまった。

そして『幸福』とはかけ離れていき、やがて孤独になっていきそうな気がした。

そう考えると、世の中は”あいさつ”に溢れていて、あいさつがなくなると自然と人とのつながりが薄れていくんだと思った。

AltmannによるPixabayからの画像

やっぱり”あいさつ”は個人と個人を繋ぐ基本的なものだったのだ。

wacciというアーティストの「感情」という歌にこんな歌詞がある。

今日もよろしくねって意味の「おはよう」
明日もよろしくねって「おやすみ」
wacci 「感情」

きっと他にもこんな意味もあるんだろう

  • 作ってくれてありがとうって意味の「いただきます」

  • 気をつけてねって意味の「いってらっしゃい」

  • 無事に帰ってきたよって意味の「ただいま」

  • よく来てくれたねって意味の「いらっしゃいませ」

あいさつにはきっと意味がある。

こんな、あいさつの無い世界を想像したら、あいさつの重要性が理解できるかもしれない。

日本人にはない欧米のあいさつの「ハグ」は人とのつながりを深め、幸福感をさらに高めてくれるものだったのだと思う。

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