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20240301-0316 ミクニヤナイハラ稽古、おぼえていないことのいくつか

3/1 金曜日
横浜シネマリンでカール・ドライヤー「奇跡」。映画館で見れてよかった。ヨハンネス、最高だった。

3/2 土曜日
家の近くの区民センターで場所をとって一人で稽古。声を出せるのはいい。

3/3 日曜日
引き続き区民センターで一人で稽古。声を出す。少し体を動かす。もっと前からこの場所を活用できていればよかったなあ。これから執筆に行き詰まった時などに使わせてもらおうと思った。

3/4 月曜日
ずっとミシンを踏む。ロックミシンはとにかく緊張する。セリフが出てこない。

3/5 火曜日
ずっとミシン。セリフで頭が破裂しそうだと思った。セリフというより不安で、か。

3/6 水曜日
稽古が始まった。吉祥寺まで定期券を買う。この定期をなくさない。メンタルを守るためそれがまず大切な大切なミッションとなった。いささか緊張しながら吉祥寺を歩いていると偶然山本圭祐くんに遭遇。本気でびっくりして声が出なかった。今までミクニヤナイハラプロジェクトではいつも一緒だった山本くん。運命のような気がした。なので運命を信じてそのまま稽古場に来てもらう。時間あるからいいですよ!いきましょう!と優しい山本くん。まるで付き添いのお父さんのよう。そして、渡辺梓さんと鈴木将一朗さんと、矢内原美邦さんとの稽古の日々がはじまった。とにかくガンガン進む。その速度。

3/7 木曜日
稽古。とにかくガンガン進む。もう後半部分に差し掛かる。とにかく集中してついていこう。そう思いながら。終わると立ち上がれないのは肉体的疲労というより、頭脳の疲労だと感じる。あとは喉だ。喉をケアしながら。そういえば私は長いこと俳優業をやらせていただいていたのだ。忘れていた感覚を少しずつ思い出す。

3/8 金曜日
稽古。とにかくガンガン進む。疲れたので終わってからプロテインとアミノ酸を飲んだ。渡辺梓さんと共演させていただくのは初めてだか、本当に素敵な方だ。渡辺さんに出会えてよかったなあと余韻に浸りながら帰る。

3/9 土曜日
稽古。じゃあ通してみようとなった。通し稽古をやった。どうなることかと思った。不安だらけでどこを自分は彷徨っているのかわからない感覚もありつつ、通し稽古をしたことでこの戯曲に少し近づけた気がした。ミクニさんに質問したり。この意味は? など。なるほどなあー! など。こんなふうにやりとりをしながら稽古をしていることが、とても楽しい。

3/10 日曜日
稽古休み。午前、ZOOMミーティング。いろいろ考えながら、思いを馳せながら。意見を伺い、とても参考になった。勉強になった。股関節が痛いので整体へ。夜、カレーを食べた。スヌーヌーの不思議な旅のレポートを完成させる。素晴らしい感想文を書いてくださった赤羽健太郎さん、キムライヅミさんに改めて感謝。

3/11 月曜日
稽古。渡辺梓さんとのシーンを中心に。渡辺さんの笑顔に和む。ありがとうございますと言いたくなる。この関係が劇中の関係や感情にもつながっている感覚がある。将一朗さんとは長い付き合いだし何度も共演しているがこうやって一緒に芝居をする機会がなかったなあ。新鮮だよ。とにかく楽しいよありがとうと言いたい。よく行く薬局で響声破笛丸(喉がれに効くという漢方)が売っていない。お守りがわりに買っておきたい。

3/12 火曜日
稽古。通し稽古。自分の中でとにかくこの舞台を大切にしたいと思っているので、集中していこうと改めて。セリフをもう一度読む。自分が不器用なのが恨めしい。そういうところがあなたなんですよ、と言われるかもしれないが、自分ではとても歯痒い。

3/13 水曜日
稽古。通し稽古。終わった後は、ビールが飲みたくなる。吉祥寺シアターの職員の方が稽古場レポートを書いてくださった。 ありがとうございます。とても嬉しいです。→ミクニさんのインタビューも掲載されています!

3/14 木曜日
自主稽古。俳優3人でシーンを作ったり、気になるところを稽古をしたり。自分的になかなかうまくいかないところがあり、申告して稽古してもらう。やればやっただけ。やりすぎるとわけがわからなくなるかもしれないがまずはね。梓さんと将一朗さんに改めて感謝。山本くんに会う。だってここは吉祥寺。

3/15 金曜日
稽古。通し稽古。ミクニさんからの感想をもらって、少し自分の中でほっとするところがあった。セリフの意味、わかっていても、わかってないところ、もっと見つめること。見ること。もっと研ぎ澄ますこと。何度も読んだのに、今気がつくこと。今、それが大事だ。感情の問題。制作の秋津さんも感想をくれる。ありがたい。稽古後デザイナーの石田直久さんが来てくれてポスタービジュアル撮影。衣装を着る。ミクニさんがポーズを考える。そして、写真、かっこいい!石田さんと「前向き!タイモン」の時のポスター撮影の思い出話など。思えばずーっと石田さんとこうやって仕事をさせてもらっているなあ。「石田さんとともに今私はここにいる」と思った。嬉しいこと、幸せなこと。そういうことが沁みる。夜、演劇とは全く別のことでとても面倒なことが発生。

3/16 土曜日
とても面倒な事案に再び向き合う。ものすごく疲れる。
稽古。今日は音楽の石川さんと映像の高橋さん、照明の岡野さん、舞台監督の湯山さんが来た。音と合わせて、衣装を着ての稽古。いつもの稽古場とは全く違う雰囲気で、ものすごく緊張してしまった。緊張で息が苦しい。浮ついていたのかもしれない。自信がないまま通し稽古に入ってしまった。いつもと違うこと、違う光景があり、違う芝居もあって、いくつか失敗をしてしまう。呆然とするが、今失敗しておいてよかったよと自分を励ますしかない。できるなら失敗したくない、だからもっと稽古しようと改めて肝に銘じる。稽古は自信になるはず。きっと大丈夫。ミクニさんはいつも見ていてくれるし、大きく考えてくれている。有機的な稽古場。音も映像も素晴らしかった。慣れれば大丈夫だ。とにかく、いくつになっても舞台は怖い。震える。本番前はもうやめよう逃げ出そう脱走しようとさえ思う。これって複合技、コワタノシイってやつなのだろうな。稽古後、あ、疲れてるなと思った。加齢、集中稽古、怒涛の日々、それは疲れるだろう。でも、楽しい。作品を考え、日々生きること。俳優三人で稽古を積み重ねること。戯曲から発見を得ること。他者を想像すること。肉体のこと。疲労回復のこと。手を取り合うこと。泣いてしまうこと。人を思うこと。すべては日々の中、生活の中にある。
ふたたびとても面倒な事案について、思い出すと悲しくなるので自分で終了し、鍵をかけた。


石田さん、ポスター楽しみです!

ミクニヤナイハラプロジェクト
「船を待つ」
▷東京公演 2024年 3月23日(土)~31日(日) 吉祥寺シアター

◉矢内原美邦が描く現代版「ゴドーを待ちながら」
船を待つ人々の異なる想いが交差し、時のなかで運命の出会いや別れが紡がれる。永遠の船着場で彼らの孤独は謎めいた方向へ向かっていく。

◉ミクニヤナイハラプロジェクト最新作!
昨年12月大阪の扇町ミュージアムCUBEで初演を迎えた本作をさらにブラッシュアップし、音楽にTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの石川智久氏、映像美術に高橋啓祐を迎え、さらに東京公演バージョンとして新たな俳優陣も加わり、大阪公演の出演者とのダブルキャストで吉祥寺シアターにて上演します。

作・演出:矢内原 美邦
出演:渡辺 梓 笠木 泉 鈴木 将一朗

※ダブルキャスト
大阪公演バージョンキャスト:白木原 一仁 佐々木 ヤス子 沢栁 優大

音楽:石川 智久   美術:高橋 啓祐   照明:岡野 昌代

- Ticket
・一般:前売4,000円
・U22:2,000円 ※当日年齢のわかる証明書提示
・当日:4,500円
Peatixにて販売中。下記より日時を選択してください。
※注:◉は大阪公演バージョンキャスト


日付開演時間
3月 23日(土)▶︎19:30
3月 24日(日)▶︎14:00▶︎19:30
3月 25日(月)▶︎19:30
3月26日(火)休演日
3月 27日(水)▶︎19:30
3月 28日(木)◉14:00▶︎19:303
月 29日(金)◉14:00▶︎19:30
3月 30日(土)◉14:00▶︎19:30
3月 31日(日)▶︎14:00

*受付開始、開場共に開演の30分前。
*受付順のご入場となります。
*演出の都合上、開演後のご入場はお待ちいただく場合がございます。

お時間ある方、ご興味ある方がいらっしゃいましたらぜひ劇場へ足をお運びください。心よりお待ちしております。


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