見出し画像

看護師さんを雇用する際に考えておきたいこと(通所・入所系施設および訪問看護の立場より)

今回の記事では、看護師さんを複数人雇用する立場から「看護師さんが感じやすいプレッシャーや悩み」について、自分の考えをまとめてみたいと思います。
*私自身は看護師では無く、またごく限られた範囲内での経験や想像なども含めた考えですので、偏りなどがあることを予めご了承ください。

前提として

看護師さんの話をする前に、まず医療関係者・介護関係者に共通する部分について触れておきたいと思います。

医療関係者・介護関係者の多くは、苦しんでいる人や困っている人を助けたいという思いで従事する人が多いと思っていて、
その性格的な強みとしては、「平和主義」「親しみやすく温かい」「気配り上手」「適応力や協調性に富む」「根気強い」「励ますのが好き」「自然な聞き手」などのような内向・感情型のタイプにあると思われます。
(参考:質問力でみがく保健指導、坂根直樹・佐野喜子 編著より)
反対に弱みとしては、「NOと言えない」「自分の気持ちを抑えて人の期待に応えようとする」「適応に時間がかかる」「事なかれ主義」「八方美人」などで、ストレスサインとしては「黙り込む」「内気になる」「過剰なほど慎重になる」などが挙げられています。

すべてとは言いませんが、上記のような性格の方が医療・介護従事者には多いように思います。
その中で実際に資格を取得し、以下のように働く場所によって求められる役割が異なるため、仕事の中での立ち振る舞いも徐々に変化していくのかなと思われます。

働く場所による役割の違い

看護師さんが働く場所というのは本当に様々あって、
・救命救急、ICUなど
・オペ室
・一般病棟(といっても、内科や外科など様々な科によって全然違う)
・外来
・訪問診療や訪問看護
・通所系施設
・入所系施設
・大学や看護学校の教員 など
もっともっとあるかもしれませんが、とりあえずざっとこんなもんかなと思います。

医療の分野が様々に分かれるように、これらの働く場所によって同じ看護師でも求められる役割が全然違うということもあるかなと思います。

また、通所系・入所系施設では「看護師1人職場」があったり、一般病棟などでは「複数人職場」だったり、そういった同資格者が何人いるかどうかという要素も、そこで働く看護師さんにとっては働きやすさが大きく変わるのではないか?と思われます。

さて、上記のような働く場所による違いと、医療関係者・介護関係者の多くの性格(内向・感情型)タイプを併せて考えてみたときに、
「看護師1人職場」になりやすい通所系・入所系施設および訪問看護で働く看護師さんならではが、感じやすいプレッシャーや悩みについてまとめてみたいと思います。
*訪問看護ステーションは看護師2.5人以上という人員基準があり一見「複数人職場」に見えますが、実際の訪問業務では1人で訪問先を回ることが多いため、ここではあえて「1人職場」ということにしています。

医療専門職であることと、1人職場ということ

まずは「1人職場」ということについて、普遍的なことを書いておこうと思います。

1人職場の良いところ・・・気楽、比較的自由、黙々とできる など

1人職場の辛いところ・・・孤独、相談できない、漫然となりやすい など

これらはあくまで一般論にはなりますが、
看護師さんが1人で通所系・入所系施設および訪問看護で働く場合においても、それらの対象者(利用者)のケアと向き合う際に上記のような状況になりやすい・感じやすいのではないでしょうか?

ここに看護師=医療専門職であることと、初めの性格(内向・感情型)タイプを当てはめてみると、

<良いイメージ>
・ゆっくりと対象者(利用者)と関わることが出来る
・周りの動きを気にせずに自分のペースで仕事が進めやすい

<悪いイメージ>
・医療的なことで誰にも相談出来ないのかな?
・同じ看護師としての意見が聞けない
・(1人職場だから)休みがとれない、とりにくいのでは?

こういったイメージが、通所系・入所系施設および訪問看護で働いてみようかな?やっぱり辞めておこうかな?と考える看護師さんはいると思われます。

チームが理解してサポートし合う

通所も入所も訪問も、多職種が集まったチームです。

お互いが働きやすい職場をつくるには、それぞれがお互いのことを理解しようとする必要があると思っています。

さきほど書いた、通所系・入所系施設および訪問看護で働けるかな?と悩む看護師さんに対しては、
<悪いイメージを払拭させて>
<良いイメージを支える>
ような職場づくりをする必要があって、これが出来ないと看護師さん(の雇用)が定着しない、ということになるかなと思います。

言葉にするとより実感しますが、
看護師さんは医療の専門職として、1人であれやこれやの医療的な課題に対して向き合わなければならず、そのプレッシャーは計り知れないように思います。
先に述べたように看護師さんは性格的にも「1人で抱え込みやすい性格」のため、周りからのサポートがより必要になってくるのではないかと思います。

一般の方も含め、「看護師以外の人たち」からすると、看護師さんは「とても頼りになる存在」です。
しかしその裏では相当なプレッシャーと戦い応対してくれていることを忘れないようにしなければなりません。
頼りになるがゆえに、ついつい看護師さんに依存してしまいがちですが、なるべく自分ごとで考え意識する必要があると思います。特に事業を運営するような立場にある人は、いかに看護師さんのプレッシャーや悩みに寄り添えるか?が、その雇用を定着させるポイントではないかと考えます。

医療・介護従事者が少しでも働きやすい職場・環境づくりに引き続き取り組んでいきたいと思います。