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61 日本の大学とアメリカの大学はどう違う?

大学説明会は、娘の学校でもありました。
その中で知って驚いたんですが、アメリカの大学は全土に3000校以上あるそうですね。

日本人がよく知っている、ハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)、スタンフォードなどといった大学は、ほんの一握りの超一流校。

他にも世界から学生が集まる有名大学から、あまり知られていない歴史ある名門校まで、さまざまな大学がある。
その中から、自分の学びたいことや条件に合うところを選んでいけばいいんです。


これからアメリカの大学に進学したいという方が、大学を選ぶ時の参考にしていただけるように、今回からポイントとなる点をまとめていきますね。

その前に、日本とアメリカの大学にはこんな違いがあります。


1 学費は授業料だけじゃない。


日本では、大学生は自宅から通うか、通えない場合は大学の近くに部屋を借りて住むのが一般的。

でも、アメリカの大学は多くが全寮制で、学生は国内生も留学生も一緒に、大学の敷地内にある寮に住みます。
社会人になるための第一歩として、親元を離れて生活することや、様々な地域や国から来た学生同士が生活をともにして学び合うことも、大学教育の一つであるという考え方からのようです。

都会の大学の場合は、寮に住むのは1〜2年生のみで、学年が上がると大学の近くのアパートを借りて住んだりするようですが、その場合も一部屋を学生同士数人で借りてルームシェアすることが多いよう。


そういうわけで、日本で大学の学費というとイコール授業料なところが、アメリカの場合は
「学費=授業料+寮費」
と考える必要があるんです。

寮費とは、寮の宿泊費のほか、学食での1日3食の食費、光熱費等、基本的な生活費を含めたもの。
敷地内にある分、 日本の大学と違って交通費や通学時間がかからないのがメリットです。

留学生は全寮制か否かに関わらず、この生活費の部分も考えておかないといけませんよね。

地域の短大的なコミュニティ・カレッジの場合は、寮や学生専用のアパートもなく、生活費がものすごくかかることが多いようなので、注意してください。


2 「奨学金」が意味するのは。


日本では、返済の必要な学生ローンのことを奨学金と呼んだりしますが、アメリカで言う「奨学金 / Scholarship」とは、すべて返済不要のもの。
返済の必要なものは奨学金とは言わず、あくまで「ローン / Student Loan」です。

そのため、実質的には
「奨学金の額=学費免除額」
ということ。
奨学金がもらえるということは、その分だけ学費が免除されるということなんです。

一口に奨学金と言ってますが、実は奨学金には種類があるので、それについてはまた詳しく解説しますね。


3 大学の規模は意外に小さい?


日本では、一流大学ほど規模が大きい傾向がありますが、アメリカではその逆で、一流大学の多く(すべてではなく)は学生数1000〜7000人など、小規模から中規模。
できるだけ少人数で、丁寧な教育を行うという傾向があります。

学生数が少ないからといって、キャンパスも小さいわけではなく、特に郊外にある大学の敷地は、授業ごとに建物を行き来するのにかかる時間が日本のように5分や10分ではないので、自然に体力が鍛えられてしまう広さ。

バスや自家用車での移動が必要なところも少なくなく、日本人からすると、
「この人数でこの広さ!?」
って感じです。


UCLAなど州立大学は、基本的に州内の学生が安く通えるためのものなので、一流大学でも2〜3万人という大規模なところが多いようです。


4 大学院も一般的。


日本では、大学がゴールという感覚がありますが、アメリカでは、医学や法学、MBAをはじめ、専門的なことは大学院で学ぶことになっています。

そのため、大学は大学院のための土台や通過点として考え、最終的に目標とする大学院を目指す、という道も一般的です。

というのも、同じ大学の大学院に進むことはほとんどなく、大学院側としては違う大学の卒業生を求めるものだからだそう。
たとえば、ハーバード大学を卒業してハーバード大学院に進むという例は滅多にありません。

アメリカでは大学院への進学でも、企業への就職でも、大学での成績が重視されます。
そこで、大学は無理せず堅実に学べるところを選び、いい成績を取って卒業して、ハーバードやMITなど一流の大学院に進むことをゴールにするという人も多いんです。


5 卒業が難しい?


アメリカの大学は卒業が難しい、ってよく言われますよね。
これは、栄陽子留学研究所のセミナーで聞いて知ったんですが、70点以下の成績を取ると、即退学だそうです。

つまり、一度でも手を抜くと、その時点で学生生活を続けることができない。
そのくらい厳しいんです。


ただ、成績は日本のようにテストだけで測られるわけじゃありません。
レポートや授業の貢献度、発表や共同制作など、教授や授業によって、何が重視されるかのバランスも違ってくるよう。

逆に言うと、読んだり書いたり発言したり、教授や他の学生とコミュニケーションしたりなど、自在に対応できないといけないので、そのための英語力がまず必要になってきます。

TOEFLやSATの英語でいい点を取って入学できるかどうかより、入学後にネイティブと肩を並べてこれらをやっていけるかどうかを目標に、英語力をつけていった方がよさそう。


日本人にとっては大変なハードルですよね〜。
どうやって実際に使える英語力をつけるか、こちらなど、これまでの記事を参考にしていただければと思います。

14 ラジオ講座だけで英語が話せるようになるには。

34 どうすれば本当のバイリンガルになれるかというと。





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