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意思を無視した言葉は受取拒否を

「登校拒否」「不登校」わたしはこの言葉が結構好きです。それは、人の「意思」が感じられる言葉だからです。(と、いう話を、今日まおい学びのさとメンバーのひとりと話して盛り上がりました。)

「登校拒否しています」「不登校です」という言葉を聞くと、「いいね!自分の意思を持っていて素晴らしい!!」と、心から思います。

子どもたちが登校を嫌がりはじめた頃、学校の先生から「教室に入れなのは恥ずかしいことだよ!」と、私の目の前で長男が注意されたことがありました。児童の前ではアレなので、私はそれを別の先生に「あの声掛けはやめてもらいたいです」と伝えました。

しかし、「お母さんが子どもたちのわがままばかり通していると、何も我慢できない子どもになりますよ。」と言われました。

次に、長男に注意していた同じ先生に、体育館へ行くのを拒んだ次男がズルズルと引きずられて移動させられているのを目撃しました。次男は抗議に声を出すタイプではなく態度で示す方なので、完全に寝そべっている状態で引きずられており、下側になっている体の半分がほこりだらけになっていました。先生はそんな次男に、「ふざけて楽しんでるんでしょー」「いやじゃないくせにー」と声をかけながら、逃げようと抵抗する無表情の次男を必死に押さえつけ片足首をつかみ、一生懸命引きずっていました。私からすると明らかに次男は嫌がっているし、心で泣いているとしか思えませんでした。

私が子どもの対応をすることを嫌がり、こちらに任せてお母さんは早く帰ってくださいというタイプの先生だったので、何度かは見て見ぬふりをし我慢しましたが、何度目かに目撃した時に耐えきれなくなり、「その引きずるのやめてもらえませんか?嫌がっていると思います。」と言いました。すると先生は、「子どもというのはその時その時を生きているものです。多少嫌がることをしてもいちいち覚えてなんかいませんよ。」と言われました。

この言葉にはさすがに頭にきて別の先生に抗議しました。そして、小学校は子どもが我慢してまで通う場所とは思えないと伝えました。しかしその先生からは、「お母さんのように学校へ来ないことを選び、つぶれていった方をたくさん知っていますよ。必ず近々行き詰る時がきます。今は何を言っても聞き入れないでしょうから、その時がきたらまたお話しましょう。」と言われました。(まぁ、そんな時はこなかったのですが。)

これらの会話の何が不愉快かというと、完全にこちらの意思を無視したものだからです。子どもの意思をも無視しているからなのです。しかも、「〇〇すると〇〇になりますよ」なんて決めつける言葉は一番恐ろしいです。【こうしたら必ずこうなる】なんて定義は、人の人生において存在しないのですから。

この言葉を言った先生方は、こんな面ばかりではありません。たくさん話せば分かってもらえるところもありますし、素晴らしいなと思う部分もある先生方です。間違えなく、ご自分なりに一生懸命教師として子どもたちに向き合っていらっしゃるのだと思います。しかし、そんな方でも、人の意思を無視し感情に蓋をすることが正解であるかのような言葉を発することがあります。

そして、そんな言葉にとても惑わされ、不安になってしまう方がいます。

人の意思を無視した言葉などに惑わされる必要は全くありません。それは、相手の余裕の無さから生まれた言葉です。そんな言葉に傷付き、悩まないでもらいたいなと、苦しんでいる親御さんに会うといつも思います。

でも、どんな親でも子どものことを心から想うからこそ、不確かな未来に不安を抱いてしまうもの。そんな不安を抱えている時に、もっと不安になるような言葉をかけられたら悩んでしまいますよね。苦しくなってしまいますよね。その気持ちも、ものすごくよくわかります。

わたしはそんな言葉に惑わされたくなくて日々メンタルトレーニングを続け乗り越えましたが、子どもたちの登校拒否の意思を受け入れたばかりの頃は、家族から不安の言葉を投げかけられ、パートナーに責められ、先生にも否定され・・・そんな環境の中で毎日子どもたちと笑顔で接することはかなり困難でした。

しかし、そんな時こそ、子どもの意思にのみフォーカスを当て行動してみてもらいたいのです。すると、子どもの笑顔が得られます。子どもの笑顔が得られると、自分の自信に繋がります。これでいいんだ!と思えます。

そして、自分に投げかけられてきていた不安や否定の言葉は、いつしか理解と関心の言葉へと変化していきます。

辛く余裕がない時ほど、投げかけられてきた言葉の中に「こちらの意思の尊重は含まれているのか」を見極め、受け取るか受け取らないかの判断をしてもらいたのです。

不要なものをいただく必要はありません。そのまま受け取らずお返ししてください。こちらの意思を尊重し、子どもの意思に寄り添ってくれる言葉に心を寄せ、自分が笑顔になれる近道を探す。それが、子どもの個性にあったより良い環境を提供できる道へと繋がっているのだと思います。

子どもが周りの子とはちょっと違う道を選んだことで、不安になったり苦しんだりする親御さんがいない世界になりますように。

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