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【乱読一考】『或る霊能者の奇妙な日常3: 無意識の能力者』(ネタバレあり)

【乱読一考】は、私が片っ端から思いつくままに読んでいる本から受けた第一印象・思いつき・ひらめき・あれ?と思うようなことを、忘れないように書いておくnoteです。

数年前から霊能者マンガにハマっています。世の中にこんな不思議なことがありえるのか、とビックリするばかりなのですが、この井口清満さん/神楽京さんのシリーズも、出版されたらすぐ読んで「おぉおお」とひとりで慄いています(笑)

「井口さんが神楽さんについて描く」というような形で始まったシリーズですが、この巻は神楽京シリーズとほぼ変わらない感じ。5つの霊的な問題を神楽京さんが解決していきます。

『悪魔と悪霊』では、西洋の悪魔らしき存在に取り憑かれた女性を救うのですが、タイトルで思い出したのは、学生時代の恩師の質問。先生から「君たちは悪魔と幽霊、どちらが怖いと思うかね」と聞かれ、尻尾の生えた悪魔のイメージしかなかった私は「幽霊」と答えたのですが、先生の答えは「圧倒的に悪魔」ということでした。なぜならば、幽霊は外的な存在であるけれども、悪魔はあなた自身の心を脅かす存在だから、ということでした。

もちろん、これはキリスト教者にとって、ということではあるのですが、その意味がわかってきたのは、ずっと後になって、キリスト教について少し齧った頃でした。

しかし、このエピソードでは、本当に悪魔らしき存在に取り憑かれた女性が登場し、エクソシストに出てきたような「首ぐるん」が出てきます・・これ、超怖い! そして物理的・肉体的にもかなり厳しい戦いが繰り広げられるのですが、やはり十字架が鍵とのこと。「悪魔祓い」という職はシリアスな仕事と聞いていたので、心を脅かす存在というだけでなく、本当に強い存在なんだろうな、と読んで思いました。

このエピソードは、戦いを終えた神楽京さんが、自分の第一チャクラの動きが止まっていることに気づき、メンテナンスをしなければ、というところで終わっています。神楽さん、自分のチャクラの動きをちゃんと分かるんだ、ということにも感心しました。

他に『遺品回収業者の怪』『無意識の能力者』『死してまでも金貸しの怨念』『土地の歴史が恐ろしい』の4編が入っています。

『無意識の能力者』で、高校生の暴走しかねない能力を封印した神楽さん、どこをどうするかを「光」が教えてくれると話しています。ヒーリングでも治すべきところが光って教えてくれるとか。いろいろな感じ方があるんですね。

『死してまでも金貸しの怨念』では、神楽さんが破邪の結界を張ることで、その結界内のお寺の住職さんが態度を変えた、というのが凄いと思いました。結界、そんな広い範囲に張れるもんなんですね。

この3巻目でシリーズは完結ということですが、座敷童の座視子ちゃんにはまた会えるといいな。

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