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ともだち

今日から長男が修学旅行だ。
長男の高校は、行き先が選択制で、沖縄かニュージーランド。
我が家は、即決でニュージランド。

「可愛い子には旅をさせろ」「獅子の子落とし」的な。笑

まぁそんなわけで、成田まで車で送っていったのだ。

集合場所へ行き、同じニュージーランドに行く子達が全部で30人くらいかな、集まっているのだけど。

……彼はその中に入っていけない。

私は久しぶりに、彼の交友関係を目の当たりにして、あぁそうだよね…って苦い気持ちを思い出した。

彼は、「友達」と呼べる人がずっといない。

高校生になって、学校での様子を見る機会もぐんと減って、私はすっかり忘れていた…というか、気にしなくなっていたのだけど。

小さい時から、誰かと遊びに行ったり、家に呼んだりしたことは一度もない。
でも、毎日決まった生活は、特に不自由なく送れるし、わからなかったら質問したり、お願いしたりはできる。

それでいいじゃないか。と思う時もある。
でも、こういう時、とても心配にもなる。

人は一人じゃ生きていけないから。


…それだけならまだいいんだけど。

同じクラスの子は慣れてるから、彼のASDな言動をスルーしてくれる。

でも他のクラスの子達は知らないから、ちょっと普通とは違う様子を、くすくす笑われてたりして。 (そういうのはだいたい女子)

そんなのを見ちゃって、久しぶりに胸がきゅーってなった。


…友達って、どうやって作るんだろうね。

礼儀正しく、人の文句も絶対に言わない、素直で優しい子なんだよ。(親バカ)

でも、たわいのない話をして笑い合う。
悩みを相談する。
そんな相手って、どうやって作るんだろうね。
みんなが普通にやってることだけど、すごく難しいね。

でも私は、彼に友達を作ってはあげることは、できないのだ。


私一人で勝手にきゅーっとしてたら、
ふと、少し遅れて来た優しそうな女の子2人に、彼が自分で話しかけにいった。

同じクラスの女の子らしい。
きっと友達…ではないんだろう。
でも嫌な顔せず、一緒にいてくれてた。
ありがとう。
私の心がどれだけ救われたか。

そして、あぁこうして、彼は彼なりに、自分を受け入れてくれる人をちゃんと選んでいるのかもしれないと思った。
もしかしたら無意識で。


どこにいても、
理解してくれない人はいるし、
くすくす笑う人や、バカにする人はいるかもしれない。

でも同じように、
どこにいても、
手を差し伸べてくれる人も、きっといるよね。
その人を、大事にすれば、それでいいのかな。

ただ親としては、いつか、
彼にも、くだらない話で笑って、
辛いことを打ち明けられる、
そんなことができる相手ができたらいいな。
と思わずにはいられない。


彼が幸せに生きていくために、
私は残り少ない時間で何を彼に伝えたらいいんだろう。

そんなこと思いながら、空港をあとにした。

どうか、笑顔で帰ってきますように。

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