仕事術・処世術 仕事を任せるのはいいけど任せ過ぎはダメ
企業は、組織が大きくなるにつれて分業するようになりますね。
分業して組織が分化していくときは、
よく考えて仕事の流れを作る必要があります。
例えば経理の仕事です。
経理はお金を扱うだけに、
一人に権限を集中させると使い込みなどの事件が起こります。
長い間、一人の社員が経理の全てを取り仕切っていて、
不祥事が起こるという話はよく聞きますよね。
もし、そんなことになったら、会社も混乱するし、
罪人を出すことになるので、皆が不幸になります。
でも、これは一人にまかせっきりにした会社も悪いんです。
経理だけではありません。
営業マンだって同じことです。
例えば、営業マンに領収書を発行する権限を持たせたらどうなるか?
その営業マンが領収書を発行して集金し、そのまま代金をネコババするかもしれません。
売掛金が未回収のままになるので、しばらくすると経理が気がつきます。
しかし、経理がボーッとしていると数か月間気がつきません。
やがて、金額が大きくなって大騒ぎになるんです。
ネコババした営業マンは、たいてい最初はすぐ返すつもりです。
それが何も言われないと、二回、三回と繰り返すようになります。
金額も大きくなって、取り返しがつかなくなるんです。
こういうことを100%防ぐのはかなり難しい。
でも、事務処理を一人にやらせなければ、簡単には実行できません。
人間って、意外に誘惑に弱い生き物だと思う。
簡単にできると思えば、誘惑に負ける人が一定数いるんです。
作らなくても良い罪人を作ることになるので、
こういう組織は罪作りとも言えます。