海のなかに、植物の種を植えました。
漁業の現場は閉鎖的だ。
あまり世に知られることもない。
とくに都会で暮らしている人なんて、
糸切れほどの縁もないかもしれない。
だから、伝える。
それが僕にできる役割。
日が昇るのが遅い。
なんといってもきょうは冬至。
太陽の光はなかなか姿を現してくれない。
6時半を回れば、
ようやくあたりの風景がみえてくる。
海の上で働く漁師の姿と、
エンジン音をふかせて走る漁船。
僕もその風景の一部になる。
漁船の上。海の上。
自然のなかで働いている。
学生の頃から憧れていた自分の姿だ。
太陽の光が射すと、
その美しさについカメラを構える。
12月はエビ網の季節だ。
真っ赤な色の網が陸の上で干されている。
造船所。
漁船はこうやって陸の上にあげて、定期的に点検する。
今回紹介するのは、ワカメの養殖。
海藻養殖は手間がかからないから、片手間でやる漁師は多い。
ちなみに、ここらではヒロメという。
一般的なワカメと、ちょっと違う。
グルグル巻きになっている糸には、ワカメの胞子が無数についている。
水産試験場から仕入れてきた。
これをほどいてから、
再びロープにグルグルに巻いていく。
巻きやすいようにフォークリフトでロープを張る。
さっきの糸を等間隔で巻いていく。
こんな風に。
完成。設置準備完了。
ロープを積んで、出航。
海の飛行機雲。
沖合にいくと
こうやって養殖筏が並んでいるのだけど、
その間にうまいこと、
先程用意したロープを張っておく。
人間が餌をやる必要はない。
海水に浸しておくだけで、勝手に成長してくれる。
海水に浸かっているだけで成長できるということは、
動物的感覚では理解に苦しむけど、
ヒロメは自然の力をそのまま吸収して大きくなる。
目にはみえない海の栄養。
そして太陽の光。
春頃になると、大量のヒロメが収穫できる(はず)。
散りかける秋。
きょうも海は平和でした。
よろしければ、サポートお願いいたします🤲 いただいたお金はより良い記事の執筆のため、大切に使わせていただきます。