学生から漁師になった。そこにあった僕の想いを振り返る。
昨日4ヶ月ぶりにnoteを更新した。
最近はよく言えば「今」に没頭していて、悪く言えば考えることをやめていた。それは意識的にしていたわけではなくて、毎日の日課に追われる生活がそうさせていただけなのだけれど。
その記事は、日々の中で何にこだわって暮らしたいかを考えさせる記事で、改めて自分の中にある理想のライフスタイルに想いを馳せる時間ができた。
そして、気づいた。
自分の中にある信念やベースとなる価値観は、学生の頃抱いていたものとなんら変わっていなかったということ。
都会の消費的な暮らしに疑問を抱き、実際に自分の手と足で生み出す仕事……否、暮らしそのものを探し求めていたあの頃。
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ぼくは法学部を卒業してすぐ地方の田舎に引っ越して、漁業の現場の仕事に従事した。それは理想論ばかりを振り回す机の上の世界に嫌気が差していたのと、紛れもなく自分自身もその一部であることを自覚していたからだった。
傲慢にも、自分はそういう人たちとは違うと行動で示したかった。そして、リアルな現場で汗を流して働く人々の姿に純粋な憧れをもっていた。
風の性をもったぼくは土に憧れ、土を求めて吹く風だった。
そして土に憧れたぼくは今、土になることができたのだろうか。
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今のぼくは、風性の土のような存在だと思う。
親しい友人から見ず知らずの人まで、僕の存在を通してこの土地を訪れてくれた人たちがいた。彼ら彼女らを「おかえり」と言って迎え、そして「また来てね」と見送る。
ふと思い出して、また訪れたくなる場所。それは忙しない日常に埋め尽くされた心のどこかで、その人を支えてくれる存在になれる。
そういう人に、ぼくはなりたかったんだよね。
憧れていたんだよね。
だからぼくは、風の心をもつ土になった。
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今の暮らしに満足してますかと、ぼく自身に問いかける。
それに対してぼくは、「いいえ」と答える。
当たり前だよ。
だってぼく自身はまだ、何もつくりあげていないから。
今のぼくの状況は、「染まる」という言葉がしっくりくる。
その土地の文化や価値観を理解し、身体に馴染ませる。その土地の人と共に仕事をして、話を交わし、習慣や礼儀を教えてもらって、真似するうちに自分自身のものになっていった。
憧れていた生活は今、すべてが日常だ。
今、風性の風だった頃の記憶が蘇る。
そして当時の想いが今も変わらないことを知る。
今年で田舎暮らしは3年目に入る。
目標は、自分を出すこと。
ぼくだからこそ果たせる役割を大切にすること。
染まるだけじゃやっぱり、目指しているものとは違うから。
今も変わらぬ理想を胸に、風性の土として現実を生き抜いてみたいと思う。
#2020年の抱負
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