マガジンのカバー画像

学生のときに考えたこと【更新を終了しました】

27
大学卒業を控えて、これからの人生を考え始めた。いま自分が生きている社会のこと。そのなかでどう生きていくかということ。 【大学生・就活・生き方・人生論】
運営しているクリエイター

記事一覧

学生として最後に、“理想”を語る。

2018.03 この記事は当マガジンの最後となる。 学生最後の日に書いた特別な記事だ。 ーーーーー さてさて、卒業の季節ですね。 僕は今日、早稲田大学の法学部を卒業しました。 法学部を卒業して漁師になるというと、急にやることが変わるように聞こえますね。でも、僕は2年生の頃から一次産業の現場を目指して就職活動をしてきたし、なんなら法律と漁師の関係性について語ることだってできます。 やっていることや目指していくことが違うものになるわけではないんです。 【大学で得られる

商品が棚に並ぶまでの物語こそ、これからの時代に大切なことだ。

2018.3 日頃使っているモノは、「どこで、誰が、どうやって」作っているか考えたことがあるだろうか。知らないことって、意外と多いものだ。 仕事をすればお金を稼ぐことができる。お金があれば、「完成」されたモノを買うことができる。この状況のなかでは、どのように作られているかを知ることはあまり意味のないことである。 それは他人の仕事で、自分とは無関係なことだ。 しかし他人の仕事への無関心は、自分の暮らしへの無関心と同じこと。 いつの間にか、自分をも苦しめることになるという

地域が移住者争奪戦をする時代に、住む場所を自分で選ぶということ。

2018.3月 僕たちはどういった理由で住む場所を決めているのだろう。はるか昔に時を遡れば、人類は暮らしやすい土地を求めてアフリカ大陸から移動してきた。 その労力たるや、想像を絶するものだ。それだけ苦労してまで土地にこだわる僕たち人間にとって、理想的な土地とはなんだろう? 前置きが壮大になりすぎたけれど、今回は地方移住をテーマに暮らす場所について考えてみようと思う。 【都会と田舎をめぐる人の流れ】 ふたたび根本的な話題となる。 もともと日本は農耕社会で、自分たちが

資本主義社会を拒絶して生きる方法。

2018.03 僕はこの数年間、社会にたいして何度も絶望してきた。社会の闇を探るなかで行き着く社会構造の問題点はいつも資本主義だった。 社会に翻弄されずに生きていく方法について、とことん考えてみることにした。具体的な方法として、田舎で自給自足の暮らしを営むのはどうだろう。 【田舎に住んで資本主義から逃れる】 時間的な視野を広げて考えてみると、実は半世紀前にも田舎への人の流れがあった。西暦に直してみると、1960〜70年頃。その頃は日米安保締結に反対した安保闘争に始まり

もし自給自足に憧れる若者が、「足るを知る」暮らしを目指したら。

2018年3月 近頃、「田舎に移住して仕事をする」ライフスタイルを選択する人が増加している。なぜ田舎がこれまで以上にクローズアップされるようになったのか。 その理由のひとつとして「足るを知る」「自給自足」という言葉をキーワードに考えていこう。なぜこれらの言葉は魅力的な光を放つのだろう。 【モノで溢れた社会】 僕たちが暮らす社会は資本主義という仕組みで成り立っている。この資本主義は大量生産・大量消費という構造を生んでいる。お金を払えば欲しいモノがすぐに手に入れられる状況

繰り返しの日常の中で「理想の暮らし」を考え続けるために必要なこと。

2018.02.14 22歳 先月、東京から三重県の漁村に引っ越した。海に出て仕事をする毎日は繰り返しで、1日のサイクルが安定に向かいつつある。今日は、漁村の暮らしを営むなかでふと感じたことについて。 【肩書を手に入れるということ】 学生生活のあいだ、「頭の中」で考え続けてきた。考えることと、ちょっとした「体験」しかできない学生という身分が嫌いで、活動を伴った言葉を発信できる人間に憧れていた。 ようやく自分の肩書きを手に入れることができる。それも、今まで自分が目指して

人間が生きる意味と死ぬ意味。心のままに綴る言葉たち。

2018.01.13 21歳 死後人間がどこへ行くか、僕はわからないとは思わない。 人間はいま、死ぬことがあまりにも現実的でない場所で生きている。 わからないことに対して、人間は怖がる。 わかりやすいもののなかで暮らし、本質的なことを遠ざける。 「死」とはなんだ。 それは、役割だと思う。 自然のなかで、生き物は自分の役割を果たしている。 人間の身体は死後、腐敗する。腐敗とは微生物の生命維持活動であり、また腐敗によって人間は新たな要素へ生まれ変わる。 生物の「

「社会のため」は何のため?僕がボランティアを偽善と言いたくない理由。

2017.10.28 21歳 ボランティアは偽善なのか。 ボランティアだけではない。学生運動や地域おこしなども含めた社会貢献活動のすべてを含めて、僕は改めて考え直したい。 社会のために何かがしたい!と思うことは、偽善なのだろうか。 この問いに対する答えは、学生のあいだ考え続けていた。 今の時点で暫定的に出した答えを書き記すことにした。これからも考え続けていくであろうこの問いかけを、今日のテーマにさせていただく。 【なぜ「社会のため」と言うのか?】 人の役に立ちた

これからの社会が向かう方向を予想しよう。

2017.10.12 21歳 今回のテーマは、これから社会はどのように変わっていくのか。 どんな社会に住みたいかという僕の主観を取り除いて、なるべく客観的に時代の変化を読み解いてみることにしよう。 【加速度的に便利になる社会】 ここ数年でますます便利にな世の中になった。先月iphone10のモデルが発表されて、ホームボタンがなくなって新たに顔認証機能が追加された。 僕が初めてiphoneを手にしたのが2014年で、大学入学祝いで親に5cを買ってもらった。それまではガ

1ヶ月牧場に住み込みで働いてわかったこと。

2017.09.27(21歳) 人生最後の夏休みが終わる。 小学生から数えれば16回目の夏休みで、長い学生生活だったなと、その終わりを受け入れる確かな覚悟を自分のなかに感じている。 夏休み最後の1日の今日は、岡山県にある日本三名園・後楽園で過ごしている。この1ヶ月間、僕は香川県の牧場でインターン生として住み込みで働かせていただいた。だから今回は牧場で暮らして感じたことをまとめる。 【第一次産業を巡る旅をしている】 僕が一次産業に興味をもったきっかけを簡単に紹介してお

何かを殺すことでしか、僕たちは生きられない。狩猟の現場で感じたこと。

2017.09 人と自然がうまく関わり合って生きていくために必要なことは何だろう。自然界のなかですっかり悪者になってしまった人類が直面している問題であり、持続可能社会(SDGS)のテーマとなっていること。 京都の北部には、人口70人の限界集落がある。今年の2月に僕は、村留学を通してこの村を訪れた。村留学とは持続可能性をテーマに社会のこれからを考える、大学生を対象とした教育プロジェクトである。 僕が行った時の久多の風景。集落が雪で埋もれていた。笑 この雪国での滞在中、鹿

30日間の農業修行を終えて感じたこと。

2017.08.27 21歳 人生最後の夏休み。僕は今日1ヶ月の農業修行を終えて、高知最後の日を満喫している。今回はその感想をまとめる。 【農業修行をした理由】 どうして農業修行をしようと思ったか。僕が一次産業に興味をもっていることについては、別記事を紹介させていただく。 簡単にまとめると、自分の暮らしの根幹を支える部分について無知でいることへの不安。人が暮らす社会と生産の現場がかけ離れていることへの違和感から、一次産業の現場を自分の目で見て回ることにした。 今回お

教育は先生。治安は警察。政治は政治家。他人に任せる社会は嫌いだ。

2017.08.06 21歳 今回はコミュニティという言葉がテーマである。日本語で言い換えると、共同体という意味だ。僕は将来田舎に住むことを目標にしているのだけれど、これには一次産業の生産現場で働くこととはまた別の理由がある。 それはかつての農村社会がもっていたシステムや慣習こそ、現代社会が抱える社会の脆さを解決する手段であると考えているからである。 【隣人を知らない社会が警察を生んだ】 法学部には法社会学という分野がある。なぜ警察が誕生したかという歴史については、治

生きるために本当に必要な力は、お金を稼ぐことではない理由。

2017.08 僕は一次産業を志している大学生だ。一次産業に興味をもった理由は、一人暮らしをした時に感じたことが影響している。 自分が生きるためにどれくらいのお金と労力がかかるのかを知りたいと思い、「生きる力」をつけるために一人暮らしに始めた。でも実際に一人暮らしをして感じたのは、全然自分の力で生きることのできない無力感だった。 スーパーやコンビニで食材を調達して、それを調理して食べればたしかに自炊力がつくけど、そもそも買ってきた食材がどうやって作られているのか、自分は