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「『問う力』が最強の思考ツールである」マガジン

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本マガジンの内容が書籍化決定! 「『問う力』が最強の思考ツールである」(フォレスト出版)として2020年8月9日発売です。 「問いづくりの教科書(仮)マガジン」として行った出版企…
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2020年6月の記事一覧

授業や、会議で使える!3人称の問い

1人称の問いから順番に説明してきましたが、いよいよ3人称の問いです。 3人称の問いって、どんな問い?3人称の問いは複数の相手に対しての問いです。ここでいうのは、文法上の“3人称”とは少しニュアンスが違います。 問いかけ自体は“あなたたち”(複数の2人称)に行いますが、その結果、その人たち同士の何かを大いに期待するという意味を込めて、ここでは3人称の問いと呼ぶことにします。 授業や、さまざまな会議の場面で使える問いあなたが先生なら、生徒たちが相手でしょう。そう考えると普段

問いと合わせて使いたい傾聴の力

これまで、ずっと“問う”ことに焦点を当てて解説を積み重ねてきました。 しかし、実は2人称の問いは“問う”ことだけでは、その効果は発揮できません。“傾聴”がセットでないと意味がないのです。 傾聴とは何か?傾聴は英語では、“Active listening” つまり、ただ聞くことでなくて、積極的に聴くことです。積極的に聴くというのはどういうことでしょうか? 真逆のことを考えると、そのことの理解が深まりますから、ここでは“積極的に聴いていない”様子をイメージしてみましょう。

答えられない問いを投げていませんか?

あなたは、人から問われて「何を答えればよいのだろう?」と戸惑ったり、逆に問いを投げかけたのに「何を答えればいいのですか?」と質問されてしまったりした経験はありませんか?  説明の後の「いかがでしょうか?」さして興味のない商品やサービスの説明をされてからの、「いかがでしょうか?」という問いがこの代表です。 なんとなくの感想を言えばよいのか、欲しいか欲しくないかの判断を答えればよいのか、あるいは、説明がわかりにくいところについて質問すればよいのか、戸惑ってしまいますね。 ど

つい「なんで?」と言ってしまうけど…

なんと! 本日300個目のスキ♥を頂戴しました! とっても嬉しいです。 ありがとうございました!! リアクションをいただくのが、一番モチベーションがあがりますね。特にオンライン講座だと、受講者の方のモチベーションが伝わりにくいので…。 今日は「なぜ?」「Why?」という問いの使い方についてお伝えします。 子育てや、部下の指導などにも役立つ考え方です。 つい「なんで?」と言ってしまいませんか?・なんで、また○○したの? ・なんで、まだできないの? 例えば忘れ物を繰り返す子

事実や価値観に目を向けさせる問い

問いづくりの教科書(仮)マガジン、30本目の記事です! ♥をくれた皆様に感謝いたします。 今日は2人称の問いの中の、相手に事実や価値観に目を向けさせるための問いについてです。 人は気づいていない事実や価値観を持っている2人称の問いを華麗に使いこなす仕事の一つに、コンサルティングがあります。コンサルタントは問いを使って、今起きていることを白日の元にさらし、さらに隠れた原因を突き止め、根本的な解決策に導きます。 ところが、今起きていることや感じかたをそのまま認識する、あるい

認識していないことを言語化させよう

人には“問われてはじめて意識する”ことや、“問われて改めて考える”ことが存在します。1人称の問いでは、リサーチクエスチョンなどの探究の問いがこれに当たるでしょう。 ここからは、情報という観点で整理したうちの、自分は知っているが、相手は知らない領域と、自分・相手のどちらも知らない領域の問いの領域に入っていきましょう。 まず、自分は知っているが、相手は知らない領域については、問いを使わずにあなたが情報を伝える“指摘”でもよいはずです。それでは、この領域で問いを使うメリットは何

その問いの主語や主体は何ですか?

相手と1対1のコミュニケーションを取るときに使える問いを、2人称の問いと呼んでいます。 主語や主体がない問いのリスク下記の自社の製品の売上推移に関する問いを、もし上司・部下の関係性の中で上司から投げかけられたら、どのような印象を受けるか想像してみてください。 A:最近、〇〇がよく売れるようになった理由って、なんだと思う? B:最近、〇〇がよく売れるようになった理由って、あなたはなんだと思う? Aの問いでは、主体や主語が明示されていません。Bでは「あなたはなんだと思う?

問うことで信頼関係を築く

信頼関係を築く方法はいろいろあると思います。 ここでは、信頼関係を築くために、問うことで相手の話したい話題を引き出し、対話を行う方法についてお伝えします。 あなたが信頼関係を築きたい人は誰ですか? お客様や、上司・部下、生徒、プライベートな知人など、どんな相手や情況においても、問いは信頼関係を築くのに役立ちます。 垂直の問い問いを“垂直”と“水平”の2つに分類することがあります。 垂直というのは“掘り下げる”問いとも言い換えられ、ある事柄をさらに詳しく知ろうとする問い

知らない話題を掘り下げよう

最近は社内制度として1 on 1と呼ばれる、上司が部下と1対1で成長を支援する場として、定期的なミーティングを実施しているところも増えているようです。 コロナ禍においては、今まで以上にこのようなコミュニケーションが必要かもしれません。 部下との信頼関係を築くには?1 on 1では、部下の成長を支援することが目的ではありますが、現在の仕事の話だけをすればいいというものではありません。 部下本人のやる気を引き出すためには、まず部下との信頼関係を深め、部下の価値観を踏まえた上