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つい「なんで?」と言ってしまうけど…

なんと! 本日300個目のスキ♥を頂戴しました! とっても嬉しいです。
ありがとうございました!! リアクションをいただくのが、一番モチベーションがあがりますね。特にオンライン講座だと、受講者の方のモチベーションが伝わりにくいので…。

今日は「なぜ?」「Why?」という問いの使い方についてお伝えします。
子育てや、部下の指導などにも役立つ考え方です。

つい「なんで?」と言ってしまいませんか?

・なんで、また○○したの?
・なんで、まだできないの?

例えば忘れ物を繰り返す子どもや生徒、指示した仕事がなかなか完了しない部下に対して、こんな問いをあなた自身が投げかけたり、あるいはそんな会話がなされている現場に遭遇したりすることはありませんか?

このような Why を使った問いかけは形式としては原因を問う疑問形ですが、その問いを投げかけられた相手は、文字通り「なぜ、わたしは〇〇してしまったのだろう?」とか「なぜ、わたしは〇〇できないのだろうか?」と原因を考えていったり、その原因を答えてくれたりするでしょうか?

言い訳をさせたい? 問題解決させたい?

マナーの領域で、“使ってはいけない4D言葉”というのがあります。4つのDは「だって」「でも」「だから」「どうせ」だそうです。

確かに、なんだか感じの悪い返答になりそうですね。しかし、冒頭の2つの問いは、むしろこの4つのDを誘っているようにも思えます。いかがでしょうか?

一方で、課題を分析するのに「Whyを5回繰り返しましょう」というトヨタ式の5W1H(Whyを5回繰り返し、原因を深く探ってから、最後にそれではどうするとはじめてHow を初めて問う)は、有名で多くの企業で実践されています。

つまり Why が機能する場合と、まったく機能しない場合があるのですが、その差はどこから来るのでしょうか? 表面的には言い方に差がありそうだ、という感じがします。しかしそれでは、その言い方の差はどこから来るのでしょうか?

問う側が求めている本当のコト

もう一度、この問いを見てみましょう。

・なんで、また○○したの?
・なんで、まだできないの?

問う側は、本当にその答えを求めているのでしょうか? 単に「もう〇〇するな!」という禁止命令したいだけ、「早く〇〇しろ!」という最大級の催促をしたいだけではないでしょうか?

場合によっては、それすらもなくて「〇〇する(まだしない)あなたに私はイライラする」という感情をぶつけているだけのこともありそうです。これは、すでに本書でいう“問い”ではありませんね。

そして、相手はその問う側の隠された意図や心情を忖度して答えます。「……すみません」この問答からは、真の問題解決の糸口は見えてこないでしょう。

システムや関連性として捉えるためのWhy

実は、トヨタ式を実践している多くの企業で大切にしていることは、誰かのせいにしないで、その状況をシステムや関係性として捉えるということです。

“システムや関係性”というとちょっと難しく感じるかもしれませんね。例えば、ダイエットのために食事を極端に減らす→イライラする→間食する→体重は減らないので、さらに食事を減らす→もっとイライラする(以下ループ)が単純なシステムです。

上司が恐い/部下が自分から報告しないのでイライラする→イライラしているので報告が遅れる/事態が悪化してから発覚するので、さらに怒る(以下ダブルループ)が関係性も含まれるシステムです。

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システムで捉えて、さまざまな問題の解決を図るアプローチのポイントの一つは“人は完璧ではない”ということをそもそも受け入れるということです。

(正確には、“人は完璧でなくてはいけない”という前提を疑うです)。これを“あり方”と呼ぶ人もいます。

問題解決をさせたいときは、どう問うか?

・なんで、また○○したの?
・なんで、まだできないの?

この“あり方”の上では、このように問うている“私”もシステムの一部であり、原因の一つであると考えるのです。そうすると、自ずと問いのニュアンスも変わってきませんか?

・どうして、〇〇してしまうということが起きるのか?
・いつも〇〇の優先順位が下がってしまうのは、なぜだろうか?

さらにこれらを一緒に考えてみよう、という姿勢を示せば、相手も(そしてあなたも)何が原因になっているのか、さまざまな要因をあげ、分析的、内省的に解決への糸口を見つけていこうとするのではないでしょうか。

このWhyは“人に向かWhy”だろうか?

”システムに向かうWhy”だろうか?

と、まず自分に問いかけ、確認してから口に出したいものです。

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