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問いと合わせて使いたい傾聴の力

これまで、ずっと“問う”ことに焦点を当てて解説を積み重ねてきました。

しかし、実は2人称の問いは“問う”ことだけでは、その効果は発揮できません。“傾聴”がセットでないと意味がないのです。

傾聴とは何か?

傾聴は英語では、“Active listening” つまり、ただ聞くことでなくて、積極的に聴くことです。積極的に聴くというのはどういうことでしょうか?

真逆のことを考えると、そのことの理解が深まりますから、ここでは“積極的に聴いていない”様子をイメージしてみましょう。

・何かをしながら聞いている
・話し手のほうに顔を向けていない/見ていない
・反応しない/言葉を返さない

なんだか、食卓で新聞を広げて、全く家族の話を聞かない“昭和風ガンコ親父”の像が浮かんできてしまうかもしれませんね。“積極的に聴いていない”のが上記なら、傾聴はその逆をいけばよいことになります。

・手を止めて、話し手に集中する
・体も、顔も話し手に向ける
・言葉で、態度で反応を返す

さすがに「相談があるんだけど」と持ちかけられたときには、多くの人はきちんと相手の話を聴こうという姿勢を見せるとは思いますが、日常でちょっと話しかけられたときにも、上記をしっかり意識している人は少ないかもしれません。

また、1 on 1 ミーティングなどでも「週末は何をしていたのか?」という何気ない問いに「久々に映画に行きましたよ」という返答があったとします。

ここで「そう」とだけ応えて、次の話題にいってしまっては「ああ、わたしの話には興味がないんだ」と相手は感じてしまうことでしょう。

傾聴しないことの相手への影響

ここで重要なのは、傾聴をしたら相手への興味が伝わりますが、傾聴しない場合には相手への興味が伝わらないのではないということです。

それどころか、相手への興味がないことが伝わってしまうのです(残念ながら、本当に興味がないのかもしれませんが……)。

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せっかく信頼関係を深めるために問いを投げかけたのに、答えに興味を持っていないことが相手に伝わってしまっては、相手はもう本音で答えたくなくなってしまうかもしれません。

当たり障りのない答えや、“問う側が答えて欲しいと思っていること”を忖度して答えるようになるでしょう。

コーチングでは、“傾聴8割、質問2割”などという言葉で傾聴の重要性を伝えています。

あいずちは”さ・し・す・せ・そ”

また、“好かれる会話のさしすせそ”として、次のようなあいずちも知られています。

・さすが!
・知らなかった!
・すてき!
・センスいい!(これだけはなんとなく無理やり感がありますね)
・そうなんだ!

2人称の問いは傾聴とセットで機能します。実際の会話や対話では、問う力だけでなく、聴く力も意識して、話を進めていきましょう。


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