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南伊豆町・白水城址〜発掘調査⑤

伊東では降っていた雨だけど須崎が見えてくる頃には、覆っていた厚い雲から青空が覗き始めた。寒冷前線が通る直前は南西、通り過ぎると乾いて西風になる。今日は穏やかな海だ。

古文書を読んでみると造船は冬の間に行うことが多い。材木集めは11月まで、12-1月で造船、3-4月に初めて乗り出す。5月に処女航海で江戸へ往く。

伊豆半島の古道を歩いていて痛感するのだけど、陸路は山越えの厳しい地形が多い。伊豆半島の便利な交通はズバリ海路だ。海路こそが伊豆半島の真の古道なのかもしれない。

前回までの発掘調査の様子はこちら

9じ 石廊崎港に集合。代わる代わる発掘調査に新しい人がやってくるのだが、馴染みの顔ぶれも安定してきた。この発掘調査に来るたびに南伊豆のコミュニティの輪が広がり、南伊豆に関する知識が深まっていく。

何よりも物理的に自分の身体を南伊豆の座標を動かせているのがありがたい限りだ。地に足がついていくのを文字通り身体で感じている。

お昼休憩は石廊崎港のふじやへ。今日のメニューはラーメンセット。ご飯とおかずと海苔はおかわりサービス。日ごとにメニューが豪華になっている気がする。

この土日で狩猟が終わったので、白水城ではイノシシが我が物顔で出没するそうだ。

いよいよお城時代の地層に近づいてきた。考古学の用語でいう〝遺物が生きてる地層〟まで、なるべく平らに掘り下げて行く。

17時前。本日までの成果を持って南伊豆町役場の教育員会へ。

水瓶、摺鉢、天目、染付、青磁、種類豊富な遺物から小田原北条氏の時代を推察することができる。豊臣政権と対立して滅亡する1590年。

全体的な評価としてはまだ破片が小さい。あと2日発掘を追加するのか。


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