見出し画像

平山さんのいる世界

「PERFECT DAYS」 
カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞の役所広司さんが演じた平山さんが提示してくれたもの。

その静かな促しを受け止めています。

こんなとこ人の住むとこちゃうで!っていつも出かける度に思うような
大都会のコンクリートジャングルで
まるで深い森の中にいるかのように、
平山さんは気持ち良く深呼吸し、
空を見上げ、木漏れ日の美しさに心を奪われている。

トイレ清掃という、人の憧れの対極にあるような仕事を、
まるでこの世界で最も尊い仕事であるかのように、心血を注いでいる。

一見、何も持たないようなミニマムな暮らしの中でも、
良質な音楽と本、そして世話をする小さな植物があれば、十分に心豊かな暮らしで

毎日同じことの繰り返しのように、
仕事に出かける早朝、
普通は憂鬱な時間であるはずなのに、
ふと人生の喜びに震え涙する、今ここにある「完璧さ」と繋がっている人。

私にとって大きな宿題というか、可能性というか
あらゆる修行の辿り着きたい場所は、ここじゃないかという境地。

静かに、心の中に平山さんを宿して
生きてみたいと思いました。

そしてつくづく
人間の品格は
自宅以外の公共のトイレをどのように使うかに出ると思います。
自分の子供が、公共のトイレを綺麗に使い、
その場所を清掃している名もなき人への感謝が出来るようになれば、
その子育ては成功ではないでしょうか。

トイレ掃除とは誠に不思議な行為で
心を込めて掃除をすればするほど、
謙遜になってゆく行為

だから
トイレ掃除をしない人は
どこか傲慢で不遜
嘘臭さが匂う
ような気がする、、

厳しいな、私。

大体、傲慢な人に出会ったら、
そっと聞いてみたらいい。
「あの、、普段、トイレ掃除って自分でしてはりますか?」

多分、人にやらせていますね。

映画の平山さんは実在の人物ではないけれど、
これからは公共のトイレを使うたび、
心の中で手を合わせて、
平山さんにお礼を言うでしょう。

有難う御座います、平山さん
有難う御座います、全国の平山さん

それにしても
役所広司はいい俳優ですね〜〜〜
普通、寡黙な中年のおじさんの日常を寝顔のアップや風呂場の肢体を含め、
ひたすら2時間もガン見出来ませんよ、、
世界が認めた絵になる中年のおじさんを、どうぞ観てみて下さい(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?