アラサーは恋愛を諦めた

急に土曜日の日中が空いてしまって焦ったものの、
金曜日の午前中に無事に仕事を見つけることができた。
タイミーありがたや。

そんなわけで今日の午前はスーパーでひたすらお寿司を作っていた。まだ首が痛え。
ここのスーパーは家から約1時間かかるため、
8時からの仕事はマジでキツい。
化粧する暇がなかったし、
初めて行くところなのでまたほぼすっぴんで来た。(恒例)

ここは10年前に辞めたアルバイト先の近くだ。
旧帝大に合格した高3の春休みに、
初めて応募した音楽ホールで案内をするアルバイト。
わたしは大学よりもこちらに居着いてしまい、
バイトの先輩でここの近くの私大に通っている3歳上の男と3年付き合っていた。
市内に住んでいてもわざわざこの辺に来ることはないので、
バイトが終わったら彼はいつもここのベンチで待っていてくれたなとか、
お手洗いがずいぶんキレイになって空港みたいだなとか、
一人で思い出めぐりをしながら駅へ向かった。

晴れた土曜の昼間の公園はとてものどかで、
幸せそうな人ばかりだ。
わたしは日蔭のベンチを見つけて、家から持ってきたおにぎりを食べた。
この後は献血に行く予定なので、ご飯を抜くわけにはいかないのだ。

わたしも来世は休日にカッコいい彼氏と公園デートする女になれますようにと念じながら食べた。


もう今世では無理な気がする。たぶん無理だ。
平日も週末も、地元でも遠征先でも、
いつどこに行ってもひとりでウロウロしてんのは世の中にわたしくらいじゃないかと思ってしまうほど、
のどかな昼だ。

彼氏とよく待ち合わせしていたベンチも10年前と変わらない。相変わらずボロボロだ。
10年、いや正確には11年以上前には、
わたしの仕事が終わるのをひとりで待っていてくれた男がたしかに存在したのだ。
あれから11年間、そんな男はひとりも現れなかったなと改めて思う。
ずっと仕事はしているけれど、
わたしの仕事が終わるまで待っていてくれる男はこの世の中には存在しない。
あれも学生時代の、若い女の特権だったのかなと笑ってしまう。
でもよくよく考えてみると、
この11年間わたしも、
男の仕事が終わるのを待っていたことがないのだ。
大人は忙しいから、
他人の仕事が終わるのを待つ暇があったら早く帰って休みたいのかもしれない。

今週は好きな人の職場に行けるかどうかで心底疲れてしまった。
わたしはもうこういうのは無理だ。
来週はとっとと他の仕事で埋めてしまおうと思った。

彼は祝日は出勤している可能性が高い。
しかし来月は祝日が無いし、
7月は遠征で地元にいない。
8月もフェスの予定が入るかもしれないからあまり期待できない。
9〜11月の休日は趣味のイベントでほぼ埋まる。
となると年内の祝日はもう絶望的だ。
しかも夜は他の仕事をするから、
今のまま夜に募集が出る限り、
瞬殺の彼の職場には申込みすらできる気がしない。

なんかもう疲れてしまった。


行けたら行けたで彼がいるかどうかはまた別問題だし、
ハイタッチ男に会ったら怖いし(過去記事参照)、
近くの気に入っていたレストランにも行きにくくなってしまったし(過去記事参照)、
彼以外のことでもわたしはもうなんだか疲れ切ってしまった。
やっと会えても彼が優しくない時もあるし。
もうわたしはこれ以上このことで消耗したくない。
楽しいことは他にたくさんあるのだ。

そして今追いかけているバンドのツアーはこの夏で終わるけれど、
わたしが中学生の頃から20年ファンをやってるユニットのアルバムのリリースが決まった。
夏にアルバムを出すということは、
今年の秋から冬はツアーをやるのだろう。

まだまだわたしは稼がなければならない。


わたしは直接会って話せる現実の男の人が大好きだ。
でもわたしが安心して夢中になれるのはやっぱり旅行だ。
帰ってきて1週間だけど、
もう次の遠征に行きたくて行きたくて、
夏の遠征の旅程をもう完成させてしまったほどだ。

最近いろんな男の人に出会って浮足立っていたけれど、
連絡先を交換したりご飯に行く仲になるほどの人はひとりもいなかった。
わたしはきっと休日に公園でデートするような女にはなれない。

もう現実の男の人に期待するのはやめよう。


わたしは年相応に、
ただのアラサーのおばちゃんに戻るのだ。