学生時代の傷は一生消えない

怖い夢を見た。
いつも行っている運送会社の、
優しいけどわりときっちりしたおじさんに長いナイフを突きつけられ、

「もううちには来るな」


と言われてしまった。
理由を聞くと、
「いつも嫌そうな顔をしながら仕事をしているから。他の人来ないかなってみんな言ってる。」
と言われてショックで目が覚めた。
今日はまだまだ寝られるのに。

え、みんなあんなに優しかったのに裏ではそんなことを言われてたのか。ショックすぎる。つら。
人間不信が復活しそうだ。怖すぎ。
あのおじさんだって、
いつもにこやかに声をかけてくれてたのに、
実はそんなふうに思われてたなんて。
みんなわたしじゃなくて他の人のほうがいいのか。
ナイフまで突きつけられるなんて、
わたしめっちゃ邪魔者やん。
そんなに酷いことしたかな。
そんなに嫌な顔してたかな。全然気づかなかった。
ここ大嫌いな洗い物ないのにな。
一体いつそんな嫌な顔をしていたのか自分でも全然わからない。
わたしあの現場好きだからいつもニコニコしてたと思うんだけどな。
外だからマスクしてないし。おかしいな。
しかしこれから一体どこで働こう。
また他のとこ探さなきゃな。めんどくさ。

…なんて眠い頭で考えていたけれど夢だった。
よかった。嫌われてなかった。
でも目が覚めてきたら泣けてきた。夢なのに。


わたしは学生時代ずっと孤立していたからか、
今でも対人関係でたまに闇を感じる瞬間がある。


だから無理に学校なんて通わずに、
大人しく通信制高校に行けばよかったのだ。
多感な時期に自分だけ孤立していた心の傷は一生消えないのだから。

小学校高学年くらいからわたしはクラスで浮き始め、1軍の男の子にいじられるようになった。
見た目が良くて頭も良くて明るい男の子だったから、
当時のわたしは彼に話しかけられるのに悪い気がしていなかったけれど、
今思うとあれは確実にいじめの前兆だ。
変わり者だから排除されようとしていたのだ。

中学生になると、
スカートを短くする女子達についていけなくなった。

わたしは当時から推ししか興味がなく、
学校でスカートを短くしたいと思う理由が全く無かった。
寒いし毛の手入れは面倒だし、
いっそ靴下とスカートと繋がって脚が全く見えないほうがわたしは楽なのだ。
折ったら先生に怒られるし、
わたしみんなより脚太いし、
とにかく寒い。冷えたらまた太くなるとか言うし。
でもスカートを折らないと、
いかにも陰キャ丸出しで誰も話してくれなかった。


中学生のときは微妙な成績だったから微妙な高校に進んだ。
進学校と言えば進学校ではあるけれど、
中の上くらいだろうか。
わたしは見た目はガリ勉なのに微妙な成績で、
可愛い子のほうが勉強ができたのが悔しかったし、
学校でもなんだか居たたまれなかったので、
高校ではめちゃくちゃ勉強した。
でも高2まで友達は1人もいなくて、
学祭も修学旅行も嫌な予感しかしないからサボった。(過去記事参照
クラスの人とバスに乗るのは地獄でしかなかったのに、(2席だとマジで相手がいなくて孤立する)
大人になってから添乗員になるとは思わなかったな。

クラスで毎日孤立していると、
たまに用があって勇気を出して他の人に話しかけても無視された。
消しゴムが目の前に落ちてきたから拾ってあげたのにお礼も言われずに無視されたこともある。
わたしが机でお弁当を食べていても、
近くに人が集まると必ず誰かが無言でわたしの机の角に座った。
失礼すぎてイラッとした。
でもわたしは彼女達にとってはいないも同然なのだ。

テストで微妙な順位だと、黙って座っているだけで「悔しいんじゃない」と言われてムカついたので、
わたしは常に学年1位を目指した。
うちは塾に通うような裕福な家庭ではなかったので、
模試対策はできていなかったけれど、
期末試験はほとんど1位だったような気がする。
でも今思うと変に目立たないほうがよかったのかもしれない。
勉強ができないととてもクラスに居られなかったし、
チャラい人達と同じような私大には行きたくないし、
母子家庭で私大に行くお金も無かったから、
わたしは勉強するしかなかったのだけど。

多感な時期に辛い日常が5年以上続いたので、
わたしは今でも人に優しくされると、

「わたしはそんなに優しくされるような人間じゃない」


と思ってしまう。
この前運送会社でチャラい男の子とタイミーの女の子が笑いかけてくれたときも、(過去記事参照
反射的にそう思ってしまった自分に引いた。
もう33歳なのに、
高校を出てから15年も経っているのに、
わたしの中にはまだクラスで誰にも口を聞いてもらえない陰キャぼっちの女生徒が残っているのだ。
たぶんこれは一生消えないのだろう。
おばあちゃんになってもわたしはこうなんだろう。


でも大人のほうが世界は優しい。


どこも人手不足だから働けば無視なんかされない。
今思うと高校生のときも勉強じゃなくてバイトをすればよかったのだ。
学校以外に居場所があれば人生は絶対違ったと思う。

そしてヲタクはヲタクの世界に行けば排除されない。
今日も勉強会からの飲み会だ。
来週は遠征だからその前に美容室にも行く。
お金を払えばいろんなことができるのだ。最高。

大人になってよかったとわたしは本気で思う。
二度と学生になんか戻りたくはない。