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【雑記】『バトルアスリーテス 大運動会』のお話

『バトルアスリーテス 大運動会』というアニメをご存知でしょうか。
先日、新作の発表がありました。

特に弊社が関わっているわけではありませんが、単純に「懐かしいなあ…」と思っただけです。

元々私は大阪のゲーム会社で働いていたのですが、25年程前に東京のゲーム会社に誘われ、そこで最初にガッツリと開発に参加した記念すべき第一作目が『バトルアスリーテス 大運動会GTO』というゲームでした。


東京での初めてのゲーム開発

ゲーム内容については、色んな事情からここでは触れませんが、当時の私は『バトルアスリーテス 大運動会』というアニメを見たことがなく、また、当時の私が苦手としていた絵柄でした。

とはいえ、こちとらプロでございますので、ゲーム開発に取り掛かる際には、開発メンバーで一緒に仲良くOVAとテレビアニメを全話観賞し、お気に入りのキャラを見つけ出し、アニメ内のセリフを普段から連呼し、『バトルアスリーテス 大運動会』への愛情をたっぷり育んでから開発に取り組ませていただきました。

アニメに登場する『いっちゃん』という女の子の台詞『根性で気合でガッツやで!』を当時の私はよく声に出していたように思います。


3Dモデルを動かすお仕事

開発での私の担当は、キャラクターの3Dモデルに動きをつける『モーション』でした。

3Dモデルに動きをつけて、少しずつ動かしてポーズを作り、ポーズ間の動きに緩急を付けつつ、色んな動きを制作していく仕事です。

全キャラクターの全モーションを担当することになったのですが、その為には、全キャラクターの動きをとにかく徹底的に調べる必要があります。

アニメを繰り返し繰り返し何度も見返し、キャラクターの特徴や魅力をモーションでしっかり再現し、3Dモデルに生命を与えようと頑張っておりました。

モーションを作るため、重心移動や筋肉の動き、動きの仕組みを理解するために、運動不足の体に鞭打って自らも動いたりします。


諸事情から開発期間は短かったのですが、期間内にできることを無我夢中になって全力で取り組んだので、やはり思い入れはかなり強いものがありますね。


スタッフロールの名前をどうするか?

ゲームをクリアしてエンディングを迎えると、スタッフロールが流れるのですが、当時のゲーム業界では、スタッフロールには開発者の本名を載せることはほとんどありませんでした。

ゲーム業界の諸先輩方が、本名ではない様々な名前をスタッフロールに掲載しているのを見て、そのことに憧れ、私もスタッフロールに掲載する名前は、当時のニックネームを使用していました。(ちなみに当時の私のスタッフロール名は『CAROL』という謎な名前です。)

勿論、『バトルアスリーテス大運動会GTO』のスタッフロールにも、私は本名ではなくニックネームを掲載していただきました。

とはいえ、若かった私としては、いつかはオリジナルの大作ゲームを開発し、そこでは『本名』でクレジットを残すことができたらいいなあと淡い夢を抱いていたものです。


もらって嬉しいサンプルソフト

そんな中、『バトルアスリーテス大運動会GTO』の開発を終えてしばらく経ったある日、当時の会社の社長に呼ばれてサンプルソフトを支給してもらえました。

完成したゲームソフトのサンプルです!これは嬉しい!


ただ、手にしたパッケージの表面のイラストは、主人公『神崎あかり』の目玉の「どアップ」でした。
(ぜひ、パッケージ画像を検索してみてください。)


「・・・え? なぜ片目の、どアップ???」

少々困惑しながらも、早速、パッケージのビニールを剥がし、取扱説明書にパラパラと目を通します。

開発期間中、チェックも兼ねてゲーム自体はたくさんプレイするのですが、完成して製本化された取扱説明書を見るのは、このタイミングが初めてになるので、とても新鮮です。感動です。

取扱説明書の1ページ1ページに大切に目を通し、ゆっくりとページをめくっていきます。


すると突然、見開きで、『ブルマー』が「どアップ」で描かれているページが目に飛び込んできました。

そのブルマーが大きく描かれた見開きのページには、開発メンバーとして私の『本名』がしっかりと書かれていました。

『なんでやねん!』

大阪のゲーム会社から東京のゲーム会社に移ったものの、関西弁でツッコミを入れる機会が多いのはゲーム業界ならではかもしれません。

それ以来、スタッフクレジットに掲載する私の名前は、ずーっと本名です。


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