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重要土地調査規制法案スピード可決「台湾有事のための戦時立法」アメリカ軍の戦略のために日本全体を最前線の「戦場」にする法案 ~岩上安身によるインタビュー第1044回 ゲスト 沖縄の風・伊波洋一参議院議員 2021.6.22

(IWJ編集部)

 6月8日、沖縄県出身の伊波洋一参議院議員が首相官邸前でスピーチを行った。その中で伊波議員は、「重要土地調査規制法」の背景に、「台湾有事」の際に日本列島全土を戦場の最前線とする米軍戦略があることを指摘。そこで6月22日、岩上安身は、沖縄の風・伊波洋一参議院議員をゲストにお迎えして、インタビューを行った。

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▲伊波洋一参議院議員(IWJ撮影、2021年6月22日)

 6月16日に閉会した国会では、2つの戦争準備法案が可決・成立した。その1つは、改憲・緊急事態条項導入への扉となる「国民投票法改正案」。もう1つは、米軍戦略に沿って日本列島全土をミサイル要塞=軍事目標にする準備となる「重要土地調査規制法案」だ。

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▲伊波洋一参議院議員のプロフィール

■ハイライト(動画の全編 約2時間11分は有料になります)

・日時 2021年6月22日(火)12:00~14:00
・場所 IWJ事務所(東京都港区)

重要土地規制法で政府・与党が想定する、自衛隊基地や米軍基地等の重要土地への「阻害行為」は完全な時代遅れ! 伊波議員は、「有人国境離島を監視してアメリカが使いやすいようにする役割」が一番の目的だと指摘!

 インタビューの冒頭、まずは伊波議員から、重要土地規制法の問題についてお話をうかがった。

 伊波議員は、重要土地規制法案を「防衛施設と在日米軍基地の周囲1キロを監視するような法案。あと1点は有人国境離島を同様に重視する」と概要を説明したうえで、沖縄県は島々を含めて全体がその範囲に含まれることを明らかにする。

 そして、伊波議員は「有人国境離島(の監視や土地取引等の規制)が一番の目的ではないか。有人国境離島を監視してアメリカが使いやすいようにする役割を持っているのではないか」との懸念を示し、「有人国境離島を総理が確保できる仕組み」だと指摘する。

 自衛隊基地や米軍基地等の重要土地への「阻害行為」について、伊波議員は「電波妨害と領海基線の根拠となる低潮線に影響を及ぼすおそれ。つまり、潮の満ち引きを決める線を削ったりする人がいるんじゃないかと」と、政府の想定を解説するが、岩上安身は「サイバー時代にものすごく時代遅れですよね」と評し、呆れる。

 岩上安身は続けて、「重要施設の中に原発あるでしょう。空からのミサイルに対してどうするんですか? と繰り返し言っているが、経産省は管轄が違うから知らない、防衛省も知らない」と、戦時における原発の危険性が想定されていないことを指摘。

 伊波議員は「重要土地調査規制法は、『台湾有事』で戦場化する南西諸島向けだろうと、私は考えています」と述べ、中国軍を「第一列島線内」に封じ込める「海洋圧力戦略」が2019年に打ち出されていることに注目する。

米国が謀る「海洋圧力戦略」の筋書き通りに進む日本の安全保障政策。しかしその実態は、日本を「盾」にして米軍を守る戦略! 日本は中国軍のミサイルを「無駄撃ち」させる「標的」として期待され、日本列島はミサイルの「蜂の巣」に!

 米国の「海洋圧力戦略」とは、「米国では、軍事戦略として、第1列島線上に分散し、残存性の高い地対艦・地対空ミサイル部隊などの同盟国部隊と一部米軍によるインサイド部隊と、第1列島線と第2列島線の間に分散、展開する空母機動展開部隊を含む米海空軍主体のアウトサイド部隊により、中国軍を第1列島線内に封じ込め、西太平洋地域における米国の覇権維持を目的とする」ものだと伊波議員は解説する。

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▲第1列島線には同盟国軍と一部の米軍によるインサイド部隊が展開、米軍の空母機動展開部隊など主力は第2列島線より東へ退避(地図データ © 2020 Google)

 インサイド部隊については、伊波議員は「ミサイルの射程圏内にいて戦うという意味ですね」と説明。これに対して、岩上安身は「あっという間にミサイルが飛んできてかなりやられてしまう」と驚くが、伊波議員は「それでも抵抗するのがインサイド部隊の役割」と説明する。

 つまり、米中戦争が起きた際に、同盟国部隊=日本が最前線で「盾」となり、後方に控える米軍を守る戦略ということになる。日本は、中国軍のミサイルを「無駄撃ち」させる「標的」として期待され、日本列島はそのミサイルによって「蜂の巣」にされてしまう。日本列島を舞台にして持久戦、ゲリラ戦が展開されることが前提とされているのだ。日本が強いられる犠牲は、はかり知れない。

※この記事はIWJウェブサイトにも掲載(https://iwj.co.jp/wj/open/archives/493483)しています。
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