「池袋への道ー」

こんにちは！今回は豊島区と東京芸術劇場が2021年1月23日に発行した極めて貴重なカタログ「池袋への道ー」をご紹介します。
このカタログは雑司ヶ谷鬼子母神堂に所蔵されている歴史的な資料から、池袋モンパルナスを経て、池袋に縁のある写真家の森山大道にたどり着く珍しい構成になっています。ちょっとだけ中を覗いてみましょう。

このカタログが画期的なのは、池袋における中国系・台湾系移民のコミュニティの歴史を紹介する小論が掲載されているところです。図像イメージだけを掲載するようなカタログではなく、池袋の歴史そのものを捉えようとする意図が感じられます。森山氏の写真をみた後に、この論文を読むことで、池袋の「今」をしっかりと理解することができるのではないでしょうか。

さらに面白いのは、池袋の「今」から雑司ヶ谷にある鬼子母神堂の歴史にたどり着く点です。ここでは絵馬に描かれた日本画が紹介されています。このカタログでは近世から現在にいたる日本画、油彩、写真、映像などの表現媒体に捉えられた様々な池袋像が掲載されています。ポイントは、「アート」の文脈というよりも、池袋という「地域」に焦点を当てている点です。
地域社会の歴史がどのように描写されてきたのかを概観できる点がとても面白いですね。ぜひ図書館などで手に取ってみてくださいね！

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