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「お返し」は、企画で。

贈り物をもらった時、

何を返そうかなぁ〜って迷うことありますよね。

僕は、極度の優柔不断なので

いつも友達のことを想像すると、大体渡すタイミングを逃してしまいます。

良くないですよね、気をつけるよ。


で、今回はそんな「お返し」の話。

そう言われると、何をもらったんだ!?

と気になりますよね。

うん、早速教える。

僕は、「ことば」をもらいました。

阿部広太郎さんという人に。


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阿部広太郎さん (電通)


みんなの頭に「?」がたくさんあると思いますが、

ここで2019年9月6日18時17分に、時を戻そう!!(ペコパ風)


当時の僕は、かなりの「困ったちゃん」でした。

大学3年生で、そろそろ就職活動を始めなきゃいけない時。

「本当に好きなものって何なのかな?」
「どんな仕事が向いているのだろう?」
「そもそもこれから先何を成し遂げたいんだ?」

も〜ね、かなり病み期に入っていたわけですよ!

自己分析とやらを、ど真面目にやっていましたが、

どっぷり自分に浸かると、自分の弱さとか情けなさとか

そういう、見たくない現実まで見えちゃって、、。

大変ですよね。


そんな時にね。

Twitterで誰かからリツイートされたnoteが僕の手元に届いたんですよ。

それが阿部広太郎さんとの初めての出会いだったんですよね。(恋愛か!)

見つけてほしくて取り組んだ宣伝会議賞。僕の場合は結果、2,223本だった。

このnoteのタイトルに、なぜか惹かれた訳です。

多分だけど、当時の僕は、

「見つけてほしくて」

この言葉に目には見えない引力を感じ、心が通じ合った気がしたんですよ。

多分だけど、当時の僕は、

「見つけたかった」

のでしょう。自分が何者なのかを。


noteを読み進めていくと、

阿部広太郎さんは、電通でコピーライターをされていて、
最初の配属は人事だったけれども、
コピーライターになりたい想いを叶えるために、
ひたむきに言葉と向き合ってきた。
そして宣伝会議賞を通じて
言葉で自分を企画した人なんだと知ったんです。

その瞬間、僕の手はすぐペンを握ってた。

そんなの嘘だ〜!!
って思うでしょ?

ほんとだもんね。

当時の僕にとっては、
コピーライティングが
得体の知れないものだったけれども
本能的な好意、つまり言葉に惚れたのです。

そっからの僕の行動は早かったんですよ。何かに取り憑かれたように。

まず、宣伝会議賞に取り組んでみた。
阿部さんが2000本やってみろと言っていたので(幻聴)、
毎晩毎晩、知識が無いなりに言葉と向き合った。
僕のデビュー戦は、1220本だった。
目標の本数に到達しなくて、やっぱ向いてないのかなぁ.......
って思うよりも前に、「奥深い」「面白い」「もっと知りたい」

苦じゃなかったんですね。
やっぱこれだ。って思えた瞬間だった。
自分を信じて取り組めてよかった。

そして気付いたらお次は、宣伝会議のコピーライター養成講座に通っていた。
思ったら即行動しちゃうあたりは、長所でもあるけど、親からはとても心配されるものです。ごめんね。
そんな親に17万円の借金をして、講座に通うことを決意した。
(ちなみにまだ借金は返せていません。僕のコピーでもらったお金で返していこうと思ってます。)

この講座での学びは、とても刺激的。チクチクしちゃいます。

一流のコピーライターの「コピーの考え方や書き方」はもちろん、
課題を通して実践の場を与えられたり、
同じ教室内で切磋琢磨し合える仲間と出会えたりもした。

僕にとっては、海外の観光地に行っているような
目がキラキラしちゃうことの連続だった。

10月〜3月まで必死に学び続けた。
そしてついに、講座も終盤に差し掛かった頃、待ちに待った講師が登場したんです。
まぁ、察しはつくでしょう。

阿部広太郎さんです(拍手)

講座の日程表のところに講師の名前が書かれているんだけど、
阿部さんの名前を見たときに思わず発狂しちゃった。
「よっしゃ〜〜〜〜!!!」

約半年前の僕が惚れたことばの持ち主と再会できるって訳で。
ちょっとした緊張もあった。(だから、お前は恋人なんか!?)

そして心待ちにしていた講義がスタート。
期待以上のものだった。

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あっという間の2時間だった。

「え、もう終わり!?」って感じ。

阿部さんのマシンガンから放たれる愛のこもった言葉の銃弾は、
防護服を着た僕の心を射抜きました。(もうダメだ、これは恋だ。)

その中でも、特に印象に残った言葉があったんです。

私は私でしかない

この言葉を受け取ったときに、
何者なのかわからなかった半年前の僕とお別れができた気がした。

じぶんらしく生きていけばいいんだ。そうだよな。それでいいんだよな。

そして、僕が僕である証の名前にこそ
じぶんらしい生き方のヒントが込められているのかもしれないって思えた。

僕の名前は「拓史」と書いて「たくみ」と読みます。
親からは「歴史を切り拓く男になれぃ!!」と言われました。
なんとも重〜〜〜〜い十字架を背負わされた気がしたよ。

だけど、今、僕が向き合っている「言葉」こそ
歴史を切り拓く可能性を秘めている武器なのではないか。

だって、その被害者が僕ですもん。
阿部さんの言葉によって、僕の運命は大きく変わった。
好きなことが見つかった。

簡単に世界を変えることはできないかもしれないけれども、
相手のことを思いやる言葉をかけることで、
困っている誰かの背中を後押しができる。
それって、相手にとっては歴史を切り拓けたと言えるんじゃない?

まぁ、そんな感じで僕は阿部さんの講義を受けて、
自分の「名前」と「生き方」と「好きなこと」を結びつけて
満足していた訳です。


そして、その日。

講義が終わった後にTwitterで感想を言った。

すると、阿部さんはすぐ受け取ってくれて。

しかもDMまで送ってくれた。

なんか感動しちゃって。これまで阿部さんに抱いていた思いの丈を全てぶつけた。

その文章を送って、思ったんですよ。

ほんと、贈り物もらってばっかりだなぁ。。。

なんかお返ししなきゃなぁ。。。

って。

でも阿部さんは、誰かもわからない奴からどんなもの貰ったら喜んでくれるかな。


そう思ったときに、講義で学んだことを活かすことこそが
講師として一番嬉しいことなんじゃないかと思ったんです!


もうここからは強運の連続でしたよ。


翌日、僕が所属している大隈塾というコミュニティで
とあるミーティングがあったんです。

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そもそも大隈塾というのは、
「たくましい知性を鍛える」という早稲田大学の講義の略称で、
学生が主体的に講義を企画・運営・広報をする特徴を持ち、
リーダーシップを持った学生を社会に輩出することを目的としている。

僕は、大隈塾の中でも有志で講義設計の手伝いをするStudent Stuff(通称:SS)という役職で活動していました。

で、その日のミーティングでは、
新型コロナウイルスの影響によって、
早稲田大学の講義開始日が延長になり、
5/22(金)にご登壇していただくゲスト講師の枠が空席だったため
誰をお招きしようか話し合いをするものだった。

「うわ、俺ついてる〜」って思って
その場で「阿部広太郎さんをお招きしたい!」と全力プレゼンをした。

学生主体とは言えど、サポートをしてくれる教員が大隈塾にもいるんだが、その人が阿部さんのお話を”朝渋”っていう渋谷を拠点に全国で活動する、日本を代表する朝活コミュニティで聞いていたらしくて、「ぜひ、お呼びしよう。」と言ってくれた。

「よっしゃ!!!」

早速、いつもゲスト講師を呼ぶみたいにwordに依頼文を打ち込んでいってたんだけど、ここで思い出した。

講義で学んだことを活かすことこそが
講師として一番嬉しいことなんじゃないか」

阿部さんにとって喜ぶもの。
それは、依頼文じゃなくて、企画書だ。

そう思って送った企画書がこちらです。

(これで見れるのかな?笑)
(ところどころnoteの機能について理解しきれていないところがあるので、先に謝っておきます。)

企画書では、
阿部さんの著書やnote、講義などから学んだことを詰め込んだ。

「伝われ〜〜〜!!」と祈りながら
24枚の企画書を阿部さんにメッセンジャーで送ってみた。

すると!

「おおお、見ますね!!!!」

と返事が。おお、いいぞ。

すると!!

「今、ようやく見ることができて、企画書がすばらしくて感動しています。
素晴らしい。。。ぜひやりましょう、ぜひ実現させましょう!!
この思いに応えたいです!」

と返事が。泣きました。

想いが伝わった。

すげぇ、嬉しい。

就活のこと忘れるくらい(笑)


それからは、阿部さんと打ち合わせをして
受講生たちにどんな学びがあってほしいかを中心に
講義のテーマ・到達目標を決めていった。

決まったのが、こちら。
【テーマ】
心をつかむ言葉のつくり方
【到達目標】
自分の心をつかみ、人生の主導権をつかもう。

相手の心をつかむために、
自分の心をつかんで言葉と向き合い
行動してきた阿部さんだからこそ言えることがあるのではないか。

コロナ禍を歩んでいく中で、
やりたいことに向かってどうアクションをしていくかを
言葉にして企画していくことが重要なのではないか。

そのような想いをお互いが共有しながら準備を進めていった。


そして、5/22(金)

約束を果たす日がやってきた。

なんか、ソワソワしていた。めっちゃ緊張してた(笑)

運営メンバーとリハーサルをしても、

「いわちゃん堅すぎるよ〜(笑笑)」
「4年生にもなって〜(笑笑)」

と言われた。

そうですよ〜。わたしゃ、本番にめっぽう弱いんです。
野球でも、1アウト満塁で、ピッチャーゴロ打って、ホームゲッツーとか食らうくらい大一番に弱いんです。

でも、準備はやりきった。
「よし、やるぞ!」

本番がスタートした!

僕は、冒頭阿部さんのことをこのように紹介した。

阿部広太郎さんを講義にお招きしたいと思った理由は、単純です。
それは、阿部さんに「惚れたから」です。
何に惚れたかのかというと、阿部さんが発することばです。
阿部さんの著書やnoteなどを拝見すると、
阿部さんは誰よりも、ことばの力を信じ、誰よりも、ことばにおもいやりを込めている方なのだと感じました。
言語化を重視する大隈塾のみんなが、もっと言葉に対して興味を持ってほしいし、もっと言葉を丁寧に扱って欲しい。
そんな想いを胸に、阿部広太郎さんをお招きしました。
大変長くなりましたが、みんなで一緒にことばについて考える時間にして行きましょう。
それでは、阿部さん、宜しくお願い致します。

これでも、短くしたんですよ。
もっと伝えたい想いがあって、みんなに知ってほしい想いがあったけど
それは阿部さんが代弁してくれると信じて言わなかった。

講義は順調に進んでいった。

ここで、講義にて阿部さんが放った深イイ言葉のご紹介。
・縁が運をつれてくる。運が良い人は縁が多い人。
・原体験こそが原動力。
・世界は変わらないけれど、自分を変えることはできる。
・勝手に諦めて自分を誤魔化していない?
・自分が好きなことが、どれだけ好きか試されている。
・言葉にはリーダーシップがある。

講義を受けている受講生の目を画面越しで見ていると感じたことがあった。
半年前の自分と同じ目をしているような気がした。

受講生の中で、何かが変わり始めている予感が
ひしひしとオンライン上でも伝わってきた。

そして阿部さんの講義の終盤に、
『半年後の自分を企画してみよう』というワークをみんなに提示した。

それぞれの学生が、自分の過去を見つめ、その経験から何が言えて、
本質的なところは何なのか?
そこから半年後の自分へどんなメッセージを送るのか?

そのことばを受講生にチャットで書いてもらった。

130名以上の学生が一気にチャット欄に書き込んでいった。


衝撃を受けた。


PCに映る黒い字が、
光り輝いて見えたんだよ。ほんとに。


受講生のみんなが、
自分の言葉で半年後の理想の自分を表現しているキャッチコピーは
僕には明るい色に見えていた。

これが「伝わることば」なのかもしれないと
ひとり教室の最前列で勝手に学んでいた。

そして、このワークを終え、講義は幕を閉じた。


ほんとうに、企画して良かったな。
ほんとうに、行動して良かったな。
ほんとうに、出会えて良かったな。


こんな想いを、今、僕は感じている。
阿部さんは、僕からの「お返し」をどのように受け取ったのかな。
一緒に創り上げた、あの学生と心がひとつにつながる瞬間は、
僕にとっては何にも代えがたい体験でした。

あぁ。また、もらってばっかりですね(笑)



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