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フォントメーカーの新オフィスを公開!【オフィス改装】

みなさんこんにちは。
フォントメーカー、イワタの畑中です。

この度、本社のオフィスを改装しました!

そこで今回は、完成までの道のりと生まれ変わったオフィスを紹介したいと思います。

最後には新しいオフィスツアーもありますので、ぜひご覧ください!



1.オフィス改装に踏み切ったワケ


イワタの前身である岩田活版母型製造所は1920年に京橋で経営を開始しました。そして、アナログな活字母型製造からデジタル業務へと移行するなかで、数回の移転を経て1999年に千代田区岩本町に本社を移しました。

現在のオフィスでの営業開始24年目になるこのタイミングで、なぜ改装することにしたのか。

社長に突撃して聞いてみました。

社長(水野):
改装を決意した大きな理由は、ずばり「増員対応」と「働きやすさの向上」です。
 
いまのオフィスに移ってから社員も増え、レイアウトも煩雑になりましたが24年もの間、何とかごまかしてやってきました。
ただ、これから更に新しい社員を迎えていくにはさすがに限界が近いなぁ…とも感じていました。
 
あと、これまでのオフィスには中央を仕切っていた大きな書類棚があり、この棚が社員間のコミュニケーションを遮る「」となっていました。それを取っ払うことで自然と会話が生まれるような働きやすい空間にしたかったんです。

壁となっていた書類棚。ほぼ天井まで書類でびっしりでした…

 広い事務所に移るという選択肢もありましたが、いや待てよ。たまりにたまった書類や物を処分したらスペースも広がるのでは?と思い、一から事務所を作り上げる決心をしました。

──なるほど…。
私自身、約1年前に採用面接で本社を訪れた際のオフィスの第一印象は「古本屋さん」。
それはそれで老舗の趣きを感じることができ、逆にテンションが上がったのを思い出します。
 


2.改装に向けた準備とパートナー選定


2022年7月、一念発起してオフィスを改装することが決定し「改装プロジェクト」が発足しました。
 
プロジェクトメンバーは私を含めた社員4名。
社長の意向でオフィスのレイアウトやデザイン、什器に至るまでほとんど全ての決定権を委ねてくれました。
 
ここからは、改装に向けて具体的にどんなことをしていったのかをご紹介します。
 

① 他社のオフィスを見学

プロジェクトが発足したといっても、まずは何からすれば良いのやら状態。
 
そんなときは、先人に学ぶのが一番!ということで、オフィスの見学を実施している会社やお付き合いのある会社へ3社ほどお邪魔させていただきました。
 
どのオフィスも違った良さがあり、多くの気づきがありましたが、その中で最も大切だと感じたのは「コンセプト」。
当たり前ですが、どんなコンセプトにするかによって会社のイメージそのものにも影響するほどオフィスの雰囲気がガラッと変わります。
 
ということで、まずはNEWイワタオフィスの「コンセプト」を決めることからスタートしました。
 

②社員アンケートの実施とコンセプトの決定

満足度の高いオフィスにするために、本社の全社員にアンケートを実施しました。

【 アンケートの内容 】
  ・現状のオフィスの満足度
  ・設備ごとの不満点や要望
  ・「イワタらしさ」とは(=コンセプト)

アンケートを集計してみると、なんと約8割の社員が現状のオフィスに満足していないということが明らかになりました…笑
 
その他にも、こんな風にしてオフィスの設備の不満や要望をまとめました。

 また、社員アンケートによりコンセプトも決定しました。

コンセプト ・・・ 「伝統と挑戦」

 2020年に創業100周年を迎えたイワタの「伝統ある知見」×「個々の新たなアイディア」を融合させるオフィスにしたいという想いが込められています。

③改装のパートナー

次は、実際にイワタの想いを形にしていただくパートナー探しです。
 
改装会社にコネがあるわけでもないので、インターネット検索からいくつかの会社をピックアップ。
社員アンケートの結果や希望コンセプトをお伝えし、できればそこに+αの提案をしていただくように依頼しました。
 
様々な提案をしていただいた中で、今回のオフィス改装のプランニング/設計をお願いしたのは、株式会社ヒトカラメディア

せっかくなので、イワタへの改装プラン提案における想いを伺いました。

ヒトカラメディア:
イワタさんからコンセプトを聞いて、早速チームで「伝統と挑戦」を体現するにはどうしたらよいかミーティングを行いました。
 
来訪いただいた方には、イワタの歴史(伝統)に触れつつも、新たに挑戦していく姿も見てもらいたい。
そこで、実際にイワタを訪問した来客者になった目線で考えてみたんです。
 
まずはエレベーターを下りて受付の電話をかける。
その後は、エントランスで待機する。
…エントランスで待っているときって結構手持ち無沙汰になりがちですよね。そこで、いっそのことエントランスをイワタの博物館のようにして、ショーケースを見てもらうのはどうか。
これなら、伝統を感じながら時間も無駄することはありません。
 
また、エントランスから直結した会議室は、エントランスとは対照的に彩りを加え明るく、これからの挑戦を感じるような空間にしたい…というように、人の導線にコンセプトを落とし込んでいきました。
 
社員の方が執務をするワークスペースでは、これまで個々の社員を分断する壁となっていた大きな棚を排除し、解放的な空間でコミュニケーションを取りやすい空間に。
ブーメランデスクやハイデスクを取入れることにより、常に誰かから見られているわけではなく、目線もうまく交差するような設計になっています。

ブーメランデスク

──イワタの要望をしっかりとおさえた上で、+αでオフィスのシンボルとなるようなショーケースやブーメランデスクなど要素の提案をしていただきました。
 
また、パートナーという観点では、担当者の方たちの気さくで話しやすい雰囲気に、とても好感が持てたのも決め手になりました。

3.キックオフから完成まで


・ミーティング

理想のオフィスを創るために、延べ4ヶ月間にわたり10回以上ミーティングをおこないました。

湧き出てくる「ああしたい」「こうしたい」という要望を、その場でイメージとしてうまく具現化していただいたおかげで、実際に働いている姿を想像しながら進めることができました。

打合せで実際に使用した資料

・荷造り~工事

大量にあった書類や本などは、廃棄もしくはスキャンをとるなどして、もともとの10分の1の量まで削減することを目標に荷造りをしました。
 
24年間たまりにたまった資料や物を断捨離する作業は、かなりの重労働。
めちゃくちゃ大変でした。

書類はなくなりましたが、オフィスが棚と机ほぼ埋め尽くされています


什器やデスクも全て捨てて、きれいさっぱり。
 

空っぽになったオフィス、こんなに広かったんですね…

2023年2月末から改装工事が始まりました。
 


4.新オフィスをご紹介


オフィス改装プロジェクトが発足してから約9ヶ月、完成しました!
 
それでは早速、新しくなったオフィスをご紹介します!

■エントランス

美術館のような厳かな雰囲気を感じます


■ショーケース

イワタの文字100年の歴史を展示しています


■ミーティングルーム

エントランスとは対照的にカラフルな色合いです


■ワークスペース

大きなブーメラン型のデスクを中心に会話が生まれやすい解放的な空間になりました

 

■ロッカーの名前部分

パーソナルロッカーの名前部分には、「東亜重工R」を使っています


■ポスターに込めた想い

新オフィスにはエントランス、ミーティングルームに1枚ずつポスターが飾られています。

このポスターは、当社のデザイン部で制作しました。

エントランスのポスター

デザイン部 坂口:
さまざまな書体の読点を集めたポスターです。色はイワタで初めてテーマカラーを決めた福まるご仮名ファミリーから発想を広げ配色しました。
一見同じように見えるものでも、ここにあるものはすべて違う形をしています。
デザインの多様さを感じていただき、詳しい方にはどれがどの書体かを予想していただくなど、待ち時間の小さな話題や息抜きになるようなポスターになれば幸いです。


ミーティングルームのポスター

デザイン部 本多:
日本の活字書体において歴史の長い明朝体、その明朝体のエレメントのひとつであるウロコをモチーフとしたポスターです。ウロコと英数字の形状は、岩田母型の活字見本帳の文字から起こしています。
現イワタの前身である岩田母型製造所は1920年に設立され、2020年に100周年を迎えました。
矢印のようにも見えるウロコに、イワタの歴史がこの先も末永く続くようにとの想いを込めています。



明るく生まれ変わったオフィス。

「伝統と挑戦」は改装のコンセプトに留まらず社員全体の共通意識として、より良いフォント作っていきたいと思います!

早速、これまでにない社員の交流が生まれ始めています。

コロナ禍で延期になっていた社員の歓迎会もすることができました。


改装にあたり、見学させていただいた会社の方々やヒトカラメディアさん、関わってもらった全ての方に感謝を申し上げたいと思います。
ありがとうございました!



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