文字の読み書きと音韻意識の発達
おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士の岩田です。
今日は「文字の読み書きと音韻意識の発達」についてお話しします。
発達障害の子供を持つお母さんたちにとって、子供の読み書きの発達はとても気になるところかと思われます!今日のテーマである「文字の読み書きと音韻意識の関係」について知っておくと、日常のサポートがしやすくなるかもしれません。
音韻意識とは?
音韻意識とは、言葉を構成する音の粒を感じ取る力のことです。例えば、「さかな」という言葉が「さ」「か」「な」の3つの音から成り立っていることを理解するような力です。
この音韻意識は、読み書きの獲得と深く関連していて、日本語では、この音の単位をモーラ(音の単位)と言ったりして、1モーラが仮名一文字に対応します。
音韻意識の発達
音韻意識は、子供の成長とともに発達します。例えば、4歳後半の子供は「さかな」が「さ」「か」「な」の3つの音から構成されていることがわかります。6歳前半になると、3モーラ語の逆唱(「さかな」を「なかさ」と言うこと)や削除(「さかなからかをとって」に対して「さな」と言うこと)ができるようになります。
小学生での音韻意識の発達
小学生では、音韻意識はさらに発達します。
音韻操作が、より多くのモーラ数を対象に、より速く行えるようになってきます。
例えば、年長さんは3モーラ語から1モーラ削除する課題に数秒かかりますが、小学2年生では4モーラ・5モーラ語を対象としても4秒ほどでできるようになります。
また、特殊モーラといって「っ」「ん」「ー」などの意識しにくい音韻意識も確立してきます。
例えば、「パン」は2モーラ、「コート」は3モーラ、「切手」は3モーラという感じです。
特殊モーラを1つのモーラとしてとらえる意識の確立は、基本モーラより遅れ、小学1年3学期以降には確立されます。
発達性読み書き障害と音韻意識
発達性読み書き障害は、音韻意識の未熟さが関係しています。例えば、高学年でも作文で促音の「っ」を抜かしてしまうことがあります。これは、音韻意識が未熟なため、促音を1モーラとしてとらえるまでに発達していないことが原因です。
まとめ
音韻意識は、一つ一つをの音を意識する能力のことで、初めて耳にする新しい言葉や、音列の長い四字熟語や慣用句の学習にも影響を与えることが知られています。
お子さんの音韻意識の発達をサポートすることで、文字の読み書きの力も向上することが期待できます!
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