見出し画像

いい子ってどんな子?

おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士の岩田です。
僕は今「虎に翼」を見ているんですが、トラちゃんが自分の子供に「お利口さんでいてって呪いをかけてごめんね」というシーンがあります。(ネタバレになるのでこれ以上はやめておきます笑)
そんなシーンを見て、今日のお話にしました。

「いい子ってどんな子?」

子育てをしていると、「うちの子、いい子かな?」って悩むことがありませんか?特に発達に不安があると、「もっと言うことを聞いてほしい」「もっと大人しくしてほしい」と思う瞬間があるかもしれませんね。

「良い子」と聞くと、一般的には親の言うことをよく聞き、手がかからない子供を想像することが多いです。例えば、静かにおとなしくしていて、親の言いつけを守り、迷惑をかけない子供。
もちろん、それが悪いというわけではありません。しかし、子供は大人とは違って、自分の気持ちをうまく表現できなかったり、自分の欲求にまっすぐな行動をとることが普通です。それが子供らしさであり、発達の一部でもあります。

例えば、電車やバスで赤ちゃんが泣かずに静かにしていると、「おとなしくて良い子だね」と言われることがあります。でも、赤ちゃんは泣くことで自分の要求を伝えるのが仕事です。お腹が空いた、眠い、寂しい、何かが不快だ、といった気持ちを泣くことで表現しているんですね。それを「泣かないから良い子」というのは、少し違うかもしれません。赤ちゃんが泣くのは自然なことなのです。

また、もう少し大きくなった子供が、退屈だからお母さんにちょっかいを出したり、気に入らないことがあると口答えすることもあります。これは子供が自分の気持ちを表現している証拠であり、決して「悪い子」ではありません。その年齢に応じたわがままさや感情表現があってこそ、健全に成長していると言えるのです。

反対に、親の言うことをよく聞いて、大人の期待に応えようとする子供は、一見「良い子」に見えるかもしれません。しかし、気をつけたいのは、子供が大人の気持ちを先読みして、自分の意思を抑えてしまうことです。「親に迷惑をかけないように」「怒られないように」と常に考えて行動する子供は、次第に自分の意見や感情を表現することが苦手になり、自立して行動する力が身につかないかもしれません。

もちろん、親としては子供に手がかからない方が楽に感じることもあるでしょうし、思い通りに動いてくれた方が安心するかもしれません。でも、もし子供が将来、大人になって自分で考え、自立して生きていってほしいと思うなら、子供のうちから「自分でできる力がある」と信じてあげることが大切です。親の言う通りに動かすことよりも、時には口答えさせたり、わがままを言わせたりすることが、子供の成長に必要な場面もあるのです。

「良い子」とは、親の言うことをただ聞くだけではなく、時には反抗し、自分の気持ちを表現することができる子供だと思います。それが子供らしい「良い子」の姿ではないでしょうか。

いわたコトバのそうだん室では、YouTubeも開設し、言葉や発達に関する情報を投稿しています。ぜひチェックしてみてくださいね!

YouTubeチャンネルはこちら:https://www.youtube.com/@iwata_kotoba_no_soudansitu

もしこの記事が良かったと思っていただけたら、ぜひ「いいね」をお願いします!いわたコトバのそうだん室では、毎日1000文字〜1500文字の言葉に関する投稿を行っています。また、YouTubeやインスタグラムでも随時、言語発達などの情報を発信していますので、ぜひフォローしてください。

YouTube:https://www.youtube.com/@iwata_kotoba_no_soudansitu
インスタグラム:https://www.instagram.com/iwata_kituon
ホームページ:https://kituon.sakura.ne.jp/

【吃音支援のメンバーシップのお知らせ】
吃音当事者と言葉の専門家として、「吃音の子供が笑われない世の中にしていく」ことを目指し、活動を続けています。支援者の方を募集しております。詳しくはこちらからご覧ください。
https://note.com/iwata_kotoba/membership?from=self

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?