クラフトコーラと海辺の少女【イワシとわたし 物語vol.2】
悩みや不安、壁を抱えて生きている。
どうにかそこから抜け出したくて、気づいた先にあったのは西方の海だった。
彼女は海の青さに溶け込むようにそこにいた。
どうして海に来たのだろうか。
別に海がこの胸のモヤモヤを解決してはくれないことなんて、
子供には戻れない彼女はもう知っている。
それでもこの海に来た。
バッグを引っ掴み、乱雑に中を漁る。
スマホと財布の最低限の荷物。
それに加えて、お気に入りのグラスと炭酸水。
そして、クラフトコーラ――パーティータイム。