オープンキャンパス
気付けば、新年度。小学校に入学する娘たちの名前シール貼り付け作業を終え「小学生かー」と前向きな気持ちになっています(そして双子の算数セットへの貼り付け作業で無の境地を経験しました)。
さて、先日。
専門学校のオープンキャンパスで登壇してきました!
今回はその実施レポートです。
■ 現場の声を届ける
オープンキャンパスといえば学校の説明会ですが、今回は学校で学んだ先にある業種や就職先の「現場の声」を紹介するという趣旨でお話する機会を頂きました。担当したのは、会計専門職を目指す次のコースです。
「現場の声」…となれば私だけではなく、年が近い先輩の声もあった方がよいだろう!ということで事務所スタッフとともに新高校3年生にお話ししました。
税理士とはこんな仕事で、会計事務所の仕事はこんなことしてて、大変なことはこんなことがあるけれど、でもこんなやりがいがありますよ。なんて話を税理士と会計事務所職員という視点からお話ししました。
■ 将来性のこと
今回、一番伝えたかった点は「職業の将来性」だけでなく「自分の将来性」という視点を大切にしてほしいということ。
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン教授は、2013年に「雇用の未来(The Future of Employment)」を発表しました。そこから今後10~20年でAIの発達で無くなる仕事というリストが様々な場面で取り上げられるようになり、会計業界も一般的に将来性が問われる業種と認識されました。
AIや少子化、受験に対する経済的な負担など様々な要因が重なってではありますが、会計業界を志望する学生は年々減少しています。税理士試験の受験者数なんてこの10年で4割減です。
では、会計業界はこのまま無くなるのか。簿記は不要なのか。というと、まだそんなことはないと思います。
確かにコンピュータやAIの発達により、ここ10年で事務作業は非常に楽になりました。スマホ申告も急増しており、自分で申告する人も増えています。しかし、仕事が減ったかというとむしろ逆で忙しくなっています。税制度が複雑化することで税務相談やコンサルティングの業務が増えています(直近ではインボイス制度の説明や手続き、取得の有無の相談など)。
こちらは、講義で用いた資料の一部。今後、事務職が人材余剰となり、逆に専門職の大規模な人材不足が生じるというレポートです。同じ会計業界の中でも「事務作業をメインにするのか、専門的なサポートをするのか」で領域が変わります。
簿記や会計力を用いた創造的知性やコミュケーションなどの社会的知性が求められる場面は変わらずあります。一般的な知識や最適・合理的な回答はChatGPTが答えてくれても、多少非合理でも俯瞰的な結論や心情的に顧客が求めている回答を導き出すのは人の方が優れているだろう。AIといかに共存できるか、活用できるかだと信じています。
どの業界でも飛び込むときに「受け身」であれば、職業の将来性の中で明るくない部分に飲み込まれてしまうかもしれない。自分自身がどうなりたいかを思い描き、目標に向かって学ぶ。高校卒業後、専門学校を選ぶのであれば、業界へ「能動的」に飛び込むための準備の場と考えてみては?というお話をしました。
■ おわりに
嬉しかった点は、質疑応答が盛り上がったこと。質疑応答の時間は「あの~どなたか…。感想だけでも……ね?ね?」と司会が困るパターンが多いですが、ポンポン手が挙がりました。自分の将来を色々と模索している若い力に私もパワーを頂きました。
あともう1つ。事務所のスタッフに「一緒に登壇してみる?」と誘った際「やりたいです!」と即答してもらえたこと(たぶん〇〇ハラではなかったと思う笑)。今年度はあと2回、夏のオープンキャンパスで登壇します。今回のデビューを機に、次はそれぞれ単独で「業界の先輩の声」回と「専門家の声」回に分けて行うことになりました(がんばれー)。