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法人税・経営はひとごと? 【 大学生への租税講座 振り返り 】

 大学で授業(ZOOM)をしてきました。

 昔から密かに「いつか大学でも教壇に立ちたいな」と思っていました。「なりたい自分になろう」なんてフレーズを公言できるほど度胸はありませんが、心の中ではこっそり思っていたりして。

 今日は、その備忘録を残しておきます。

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■ 振り返り:経営は他人事か

 「税理士による租税講座」という授業の中で、私は法人税法を担当しています。法人税法をアカデミックに講義するのではなく、実務家として企業経営や会計、税務全般を説明します。

 初回はこのようなテーマで話しました。

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 本格的な税務・税法は次回以降とし、初回はイントロダクションと、会社の設立や会計の話。

 今回のnote備忘録では、イントロダクション「法人税を学ぶにあたり」を振り返りたいと思います。

 「法人税を学ぶにあたり」というテーマでは、新社会人になる学生へ働き方改革の話をしました。有給制度や男女雇用機会とかそんな話ではなく、「自身がどう働くか」改革という視点です。具体的にはこんなスライドから。

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 賛否はあるものの、国や企業は多様な働き方(ジョブ型雇用、複業など)を推進する未来がある。AIとの共存の中で戦略的、創造的な仕事の需要が増える未来もあるかもしれない。企業に就職しようと思っている学生でも、企業経営や関連する会計、税務は全くの他人事ではない未来が待っているかもしれない。

 この講義では学問というよりも、未来に備える「自分の事」として参加してほしいという趣旨の導入でした。

 実際、私の友人も起業家精神など全くなかった人が、組織に属する中で気付けば経営に携わっていたり、出向や退社後委託契約等でやはり経営に携わっていたり。
 タニタの働き方改革のようなケース、今度は電通も似た趣旨の制度を導入するそうです。

電通は「新しい働き方を求める社員の声に応じて制度導入を決めた」と述べ、人件費縮小などリストラ策ではないとしている。

 太字にした部分がどうしても気になるところですが、このような働き方改革が進んでいるのは確か。従来から業種によって「給与か、外注か」「雇用か、請負か」という線引き問題はありましたが、働き方改革が叫ばれる中で新たな業界が、新たな提案を始めていること。社会人の先輩として、実務家として感じる部分を学生に話しました。

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■ 密かなセルフブランディング?

 冒頭で「なりたい自分になろう」というこっぱずかしいフレーズを書きました。この点についても振り返ってみます。

 今回、この講義のイントロダクションを行うにあたり、参考にしたコンテンツの1つが #COMEMO (note)です。

日本経済新聞社がnote上で運営している投稿マガジン【日経COMEMO】

 昨年、アウトプットを高めたいと思い note を始めました。そして、自分の投稿との関連性が高いマガジンとして #COMEMO  を知りました。(同じような「学び」を求めるコミュニティ、Nサロンにも出会いました。インタビュー記事 ⇒ 岩下「心地よく刺激的な化学変化」 )

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■  COMEMOを読んできた成果は「引き出し(収納)」が増えたこと。

 知識は今までも現場や書籍等でインプットしてきました。ただ、重要な気付きに出会えても、頭の中のどこに整理すればいいか分からない。インプットが次々と入ってくる。日常の中で疑問や私見があっても、ゴチャゴチャ。

 そんな中、COMEMOではテーマ企画が行われ「副業(複業)ってどう?」「リモートってどう?」「働き方改革ってどうなのさ?」と引き出しが用意されていました。

最近のテーマ企画は #ずっと都会で働きますか
日経電子版有料会員なら無料のイベントも!(なぜか宣伝 笑)

 自分自身も考え、賛否両方の意見を読み、時には提示された情報の元を辿りまた考え。散らばっていた経験や知識、思考をその引き出しに納めれば、現時点での自分の答えや疑問が明確になり、すっきり。

 部屋を掃除すると部屋全体がよく見えるのと同じく、知識や思考が収納されだすと、自分自身が見えてきました。

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■ 「大学で授業したい」が「大学でこれを話したい」に変わる

 今回の講義は1から自分で構成し、資料を作成するものなので、余裕をもって1年前に依頼を受けました。お引き受けし、当初イントロダクションは「1 法人税法とは?」というストレートなものを用意しました。(これはこれで悪くはないですよね)。

 ただ、法人税法を伝えるにあたり、自分は何を伝えたいのか、感じ取ってもらいたいのか。その部分が、この1年で膨らみ【 「働く」を考えよう 】という引き出しからスタートしたいという結論に至りました。

経営って、思っているよりも近い存在かもしれないよ!

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このスライドもCOMEMO企画で話題になった要素がたくさんです。 

 自分自身が1年で成長したかどうか。この査定には時間を要しますが、1つ明確なのは、思考が整理され、幅を少し拡げられた点は評価できるかなというところです(他人に甘く、自分に激甘です)。

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 ZOOMのため、反応が分からないのが残念ですが、授業後のアンケートや質問には、熱心に聞いていただけた様子が伺えて嬉しかったです。来週の授業は、税優遇策・税額控除など経営だけでなく社会や政治に関係する項目も出てきます。

 相手に何かを伝えるには、大前提として自分の考えが明確であること。本業に集中しながらも、授業も良きものにできるよう努めたいと思います。

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■ 本業の「なりたい像」

 投稿を下書きした後、先程紹介したCOMEMOで、池永寛明さんがこのような投稿をしていました。(タイトルのシンクロに「ドキッ!」)

コロナ禍による経営危機に対して、現状をどう捉えるのか、未来はどうなるのか、そのなかで、私はわが社はなにができるのか、そもそも私はわが社は社会のなかで、なんのために存在しているのか、世の中からどう見られたいのか、どうしたら満足できるのかーの問いに答えられるか否か。(池永様の投稿より引用しました)

 さあ、気を引き締めて。本業を、会社をどうするか。お客様にどんな情報を提供できるか。これは密かにではなく自らとチームで考えていかなければいけませんね。

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