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乱歩先生の「孤島の鬼」が今の私に最適過ぎた話。

ここ最近の私はというと、「んああ~!小説本文書きたい~!!」とわめきながら、ミステリー小説のプロットを詰めながら、BL展開有りホラー小説を思いつきで書く、みたいなことをやっているわけですが。そこに「孤島の鬼」という読書をキメるともろもろタイムリー過ぎたよ、というのが今回のお話です。

すげえな乱歩先生、「孤島の鬼」だけで最近の私が小説でかかずってること、全部網羅してたわ。

・同性愛展開
・異形系ホラー
・ポエムで宝探し探偵

1冊読むだけで3得みたいなやつだった。積ん読の束から無作為に1冊抜いてこれだよ。イイ引きだったぞ、私よ。天啓過ぎるぜ。

以下には本の内容にも触れているので、ネタバレお断りな方は先に乱歩先生の「孤島の鬼」を自力でお読み下さい~。


BL的な観点から。


元々もう十何年も前に「孤島の鬼」についてはBL展開がある噂だけは聞いていたけど、本文はまだ読んだことなくて。少し前に買うだけ買ったまま積んでおいたのでした。それで今日何となく読もうかな…と手に取ったのでした。

やー、何かノンケのゲイ殺しがヤバかったな!自分に熱心に好意寄せてきているゲイの男の気持ちを察していて、それを心地好く友情として受けとれる部分だけいい感じにつまんで、極限で頼りまくり、結局自分は女としか付き合わず、ゲイの気持ち自体はきっぱり拒否るという、すごいなこの主人公!ワルいな!アッハッハ。さいこう。ギリギリ状態でさ迷った結果、それでもセックスできなかったのでちかたないね。

でも知見を得たんだよ、私は。

私はホラーとBL展開込みの自分の小説をどう書くか、ここ数日悩んでいたわけですが。ホラーとしての「何でそんな恐ろしい事態になってしもたのよコイツら?」のところは昨日たまたま思い付いたネタで処理できそうで、今日は主にじゃあBL小説としてはどうか、で悩んでいたわけです。

BL小説にしてしまうと、その2人の男を確実に恋人同士にしないといけない。その2人がくっつかないとしても、別に男キャラを用意してそいつとくっつけないといけない。なぜならそれが「ボーイズラブ」というジャンルだから。

でも、ホラー小説であるなら。あえて2人をくっつけるジャンル的な理由はなくてもいいんだな…。

そこに気づいてしまい、にちゃり…と、笑うつみれなのだった。私はもう二次創作のBLの書き手ではない…ホラーとミステリーの書き手としての道を模索している。例えBL自体は好んでいるとしても、「BLの書き手固定」として振る舞う必要はないんだねぇ。

そこに自由度を感じている時点で、もう「BL要素があるホラー」の書き手寄りであり、「ホラー要素があるBL」の書き手寄りではないのかもしれんね、と。少し寂しくもありますが。二次創作時には存在したはずの「好きな作品の、好きなキャラのカップリングだからこそ」という気合いが消えると、本当恋愛もの苦手意識強いんだな…。


ホラー的な観点から。


やっぱりこういう混沌とした時代感と世界観の設定、好きだな…。空気がじっとりする感じ…。乱歩先生とか夢野久作先生とかのあの幻想怪奇系のアレですね…。ちょい狂い異世界ファンタジックでさぁ。今やると普通に差別的とか猟奇的過ぎるとか、もろもろ怒られるやつね。異形系は特に。120%善意による人道的検閲、つらいな。

それで私の小説もちょい体の一部が異形化するホラー展開なわけですが、そうなる理由はご時世的に「安全な理由」じゃないともう厳しいんだろうな。と。もしくは具体的な描写を避けるか。

あれですね、あんまりの闇過ぎると人間性疑われるような時代になっちゃったから、公開せず書いて隠すか、乱歩先生と夢野先生の作品あたりをただ読むことしか出来ないね、もう。ネチネチ描写しても18禁にすれば許される、のままであってほしかった。この先新規の作品量産は難しくても、旧作の存在を消されませんように。

でも逆に一般小説では無理そうだけどライトノベルとか漫画では引き続き生き残るかもしれないよな…。上手くバトル系とかミステリーとかホラーとかファンタジーの影に隠せば。何とか。


ポエムで宝探し展開という観点から。


ここ最近私がずっと考えている「探偵が数行のポエムの記述から推理して隠れたお宝を発見する系ミステリーの書き方」なのですが。

ちょうど今回読んだ「孤島の鬼」もソレ方面でしたね。そうとは全く知らなかったので読み進んであまりのタイムリーさにびっくりしました。

具体的なことはネタバレなので書きませんが、アレとアレが重なる場所、なるほど…ってなったよね。普通に見てて勉強になったし、やっぱ楽しくて好きだな、ポエム系推理。

ただ私が今考えている話の世界観は「魔法がある世界」なので、推理結果にうまいこと魔法ネタも違和感なくねじ込まないとな、と。物理的なリアルと魔法的なリアルのバランスを上手く取れたらいいなと。

あとやっぱり作中現場の猟奇的雰囲気とポエムのおどろおどろしい雰囲気が引き立て合ってるな…と。乱歩先生そういうとこ、雰囲気作りが上手いし好き…。謎をポエムに入れ込むことは当然なのですが、ホラーの雰囲気も同時に入れ込まれてるのがね。迷路で謎に対する思考だけでなくゲイの男への対応も込みで惑う感じとかね。


3方向まとめて、このタイミングで読んでよかったです。


そんなわけで、私の中でどうしようかなぁ…となっていた3つ分の迷いを解決するために「孤島の鬼」は非常に役に立ったのでした。

普通に面白く読んだだけでなく知見も得られるなんて、さすが乱歩先生…私の好みの源泉だよね。

ポエム系謎解きミステリーの資料はもっと欲しいところですが、ひとまずBL系ホラーの展開についてはホラー優先と決まったので、2話目以降の方向性を考え付くこともこれで無事できそうだなと。

ひとまずホラーで夏の終わりまでにそこそこ長めのを1作品作れたらいいな…と以前にも言っていたので、それから実現させたいなと。ミステリーの方はまだまだ時間かかりそうだなぁ…。

何か1作品でも早く書き上げたい…。まだ何も書き上げられてない現実に焦る…。短編ばっかり考えればそらそれなりの量書き上がりはするだろうけど、やっぱり長編が好き…。


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