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エッセイ#29 想像するって、愛
今日、吉祥寺の花屋さんで
母の日のために売られていたカーネーションの
花束が「母の日」というプラカードと
「50%Off」とかかれた値引きカードがセットになって販売されていた。
─
どういうつもりだろう。
─
もちろん、花を半額で売るなということではない。
生物はスピード勝負だから、早めに半額にしてでも
売ったほうがいい。
私はスーパーに売っている
おしゃれ、とはまた違うあのエモい組み合わせの花束が大好き。頻繁には買わないけれどやっぱり500円が250円になっただけで買っちゃうし、250円の花が部屋にあるだけで心にゆとりができる。
特に理由はないのに、花を買う自分に自惚れるのもけっこう好きだ。
そんな私が嫌だと思ったのは、
売り手の想像力のなさ。
私は「母の日」と「50%OFF」をセットにして売る
その心が嫌いだ。
販売する人の仕事に対する思いとか
お客さんの気持ちへの配慮とか
とにかくそこに、想像力はない。
半額でもいいから売りたい、
スーパーの半額とは訳が違う。
ペットショップで動物を買おうが
動物達には何も罪がないように
母の日の花が半額で売られていようが
花の価値は変わらない。
人間が勝手に売るために付加価値をつけているだけ。
ただ、付加価値は大切だ。
付加価値って愛だし、情熱だし、
私が仕事をする上で、付加価値は絶対に外せないものだと思っているから。
想像力のないところに愛なんてない。
愛がないってことは、なんとも思っていない。
ということだよ。
もちろん、半額で母の日の花を買えてラッキーだと思う人もいるだろうし、助かる人もいるだろう。
だから、半額で買う人の気持ちに寄り添ってほしい。
お店が最も大切にすべき人は
その花束をもらう相手ではない
その花束を渡す人だ。
お店のお客様は、
その花を買う人だし
花束を渡す人。
お店のお客様は
花束をもらう相手ではない。
せめて、母の日というカードは下げて
「50%off」として売ればいい。
きっとみんな売れ残りだろうと察するにちがいないけれど、そっちのほうが、やさしい。
写真撮ったけど、載せるのはやめておこう。
➶えりな