しらふ

【お酒】
まず、美味しい。いい気分になってくる。あー、今日は嫌なことあった、仕事疲れたし、ご褒美に飲もう。あー今日は暑いし、ちょっと酔っ払いたいから酒飲も。あー好きな人から連絡来ない。コンビニで簡単に買えるお酒。癒してくれるし、気持ちよくなるし、いい感じに眠らせてくれる。嫌なことも忘れさせてくれるしね。見た目も可愛いし、ずっと一緒だよ。どーせ死ぬなら、死ぬ時後悔しないように飲みまくるぞ。というマインドでお酒を飲む日々。いつの間にか、毎日飲んでる。今日もコレ。今日はコレ。何故か当たり前のように手に取る。もちろん、タバコも。酒が飲めると「飲みに行こう」というワードも使うようになる。もちろん、人に使われるようにもなる。普段は言えない事もちょっと言えるようになって、人と仲良くなった気分になる。少し曝け出して、人に自分を知ってもらって、お酒ってすごい。楽しい。美味しいし、幸せになれる。お酒飲めてよかった〜いつの間にか今日も朝だ。

【最低】
記憶なくす。嫌な事があったから飲んでいたはずなのに、昨日のストレスは今日も抱えたまま。忘れたい事があったから飲んでいたはずなのに、起きるとあのことを思い出し、昨日のいっときは忘れてたのに…と自己嫌悪に陥る。しかも、身体がすげーだるい。しかも頭もホニャホニャ。なんも集中できない。やる気出ない。まぁ頑張ったから酒飲んでもいっしょ。なんなのよ。マジ疲れたし、とりま、やる事やる前に、先にご褒美で今日も酒飲むか。一缶飲んだら終わりにすればいいし!という悪循環。次の日、寝起きが凄く悪い。ほぼ毎日寝坊。遅刻で人に迷惑をかけたこたも度々。人に危害を加えることも増えて来て、信用も失くしていく。もちろん、自分も痣だらけ。記憶のない傷が体を痛めつける。しかも全身筋肉痛。昨日何したっけ?って思って考えるとお酒を飲んでいただけなのだ。ググると、アルコール性筋症と出た。絶対それだよな。あーなんか皮膚の感覚もないけど、お酒飲まないとしんどい。今日も飲む。疲れたし。美味いし、最高な気分になれる。ゴクゴク。幸せ!次の日、辛い。風呂にも入れてない。え、無理。1週間以上溜まってる皿の山。動けない、だるい。無理。休日、昼過ぎまで眠り、暗くなり始める手前で目覚める。カーテンなんか開けない。1日を無駄にしたとは何故か思わない。昨日の深酒で自尊心を保つからだ。ふと我に返ると、何も出来ていない自分に苛立ちを覚える。なんでこんな怠惰なんだろ…。もうやだ…。疲れた。あー。だる。なんか楽しいことないかな。でも今から出かけるのは億劫すぎる。コンビニなら行けるな。酒買ってくるか〜。酒のためなら何故か動き出せる体。その元気があれば5分で終わる食器洗いも出来るはずなのに。
そして、またいつものように飲む。「うまっ!」やっぱお酒だな〜という意味のわからない感情が生まれる。いつからか、お酒を「嗜好」ではなく「精神的支柱」としてしまっている自分がいた。それを間違いとは一切思わず、飲み続ける日々。わざわざ人と予定を立てて、出かけるくらいなら
昼に起きてお酒飲んでまた昼寝で眠ればいいというよく分からない事もよくやっていた。飲み物がお酒しかないから、寝起きから飲む事も多々。でも、少なからず、あの時の自分には「救い」となっていた。一時でも現実逃避したいストレスがあって、お酒で考える力を狂わされてるから、お酒でしか解決する方法はないとさえ思っていた。でも、正直あの時の自分には間違ってはいなかったと思う。しかし、いつからか、人とお酒を飲む機会があると、人として言ってはいけない「最低」な事や、人付き合いとしてのモラルが欠如した発言とかをツラツラいってしまったりした。しかも記憶のない状態で。それが自分の本心なのか、面白いことになりそうだから言っちゃった、なのかは記憶がないから分かることは出来ない。記憶がある状態だったとしても、酔ってるから何言ってもいいやという、変な慢心さえ生まれた。お酒が飲めるってだけで、そこまで仲良くない人に飲みに誘われ、お酒を飲みたいから行くも、その人と飲む事が凄く嫌で帰ってから大泣きしたこともある。女の子には「最低」と言われ、好きな男には振られ、好きな人は傷つけて、精神的なトラウマを植え付けてしまってると考えても仕方がないことをしたりもしてしまった。
女の子は、「最低」と言った後に、「ご飯行きましょう」と言ってくれた。これが社交辞令なのかは分からない。謝罪をした相手には、「慣れているので大丈夫です。だけど、他の人にはやめた方がいいと思います。次はないです。」と言われました。自分の記憶の無いところで、人を傷つけている。全然好きじゃない男とキスしたりもした。これは全然後悔してないけど。終電に乗るはずだったのに電車を間違えて、結局タクシーで帰ったりもした。もちろん、また身体には記憶のないアザがある。生きてる中で、1番楽しいと思う瞬間がお酒を飲む時だった。1番の至福と感じるのがお酒を飲む時だった。1番のご褒美なのがお酒だった。1番の理解者だと思っていたのがお酒だった。1番の精神的薬なのがお酒だと思っていた。1番、楽になれるのがお酒だと思っていた。お酒の力だけを信じていた。でも、周りを見渡すと酒に飲まれてる人はいないし、お酒の場は楽しんでいるかもしれないけど、お酒を飲んでない人の方が幸せだったり楽しみを感じている事に気がついた。ちゃんと記憶もあるしね。

【しらふ】
お酒を飲んでいない状態で、景色を見た方が綺麗に感じる。お酒を飲んでいない状態で、映画を見た方が確実にいい。お酒を飲んでない状況じゃないと、本は読めない。お酒を飲まなければ、ちゃんと風呂に入る事ができる。お酒を飲まなければ、本心で話す事が出来る。お酒を飲まなければ、食事をちゃんと楽しむ事ができる。お酒を飲まなければ、感覚が鈍っていない状態で五感を震わす事ができる。お酒を飲んでいた期間全部、時間の無駄だったと感じた。たしかに、あの時はお酒しか方法はなかったのかもしれない。人と飲む機会も早々なかったから、「ここでしか酒は飲めねえ!」という、意味不モードに入り酒を浴びる。それで本当に楽しかったのかは、記憶がないから覚えていない。
ふと
「え、お酒飲んでた意味なくない…?」と感じてくるようになる。たしかにマッコリとかは味が好きだ。あの味はマッコリでしか味わえないし。でも、マッコリって大抵は韓国料理屋か焼肉にしかないから食事がメインとなる。この時、自分にとって「お酒」の優先順位が下がっているのだ。
それ以外のお酒は、お酒をメインにしないと楽しめない。飲んでも意味のないお酒を。
しかも、お酒で太る。お酒を飲まない時期少し作るだけ、体が軽くなり痩せる。肌荒れもしなくなるし、むくみもしない。
お酒を飲まなければ、壊れなかったことばかりなのではないかと考えるようになる。あの時、飲んでいなければ、、、という思考がどんどん巡るようになる。でもそれは、過去の自分を冒涜するのではなく、今、必要がなくなったという事なのだ。普通にお酒と付き合える人は、ちゃんとお酒に対して何かしらの決まり事があるのだろう。過去の自分は、その決まり事が「精神的支柱」になってしまっていたからどんどん人間として欠落していってしまったのだ。じゃあ、精神的な支えになってもらうんじゃなくて、嗜めばいんだ!と言う風に考え、お酒に向き合えばいいって話ではない。絶対に、無理なのだから。もう、本当に無理なのだから。それくらい、自分にとってお酒との付き合い方は単純じゃない。絶対にわたしはお酒を飲むと、その、自分との決まり事も忘れてしまってまた同じことを繰り返す。これはもう、本当に学びました。なので、キッパリと断つことを誓う。一生シラフでいきるのだ。人生、なにかを辞めることも必要。今の自分には必要ない。またなんか辛いことが出来たら、その時は一回水を飲んでから考える事にする。第一、今はお酒がなくて大丈夫なのだから、大丈夫なのだ。正直、人生狂わされた。二十代の1番大事な時期をお酒に費やしてしまった。今更、後悔する。そもそも、お酒が弱くなかったっていうのも精神依存に発展してしまった要因でもあると考える。飲めない体質なら、まずお酒に頼るという事ははぼないはずだし。200円もしない値段で、脳みそ溶かすなんてまっぴらごめんだ。
金輪際、口に含めない。
今までありがとう。悔いはないです。これで死ぬ間際にもっと飲んどけばよかった…とか思ったらウケるけど、そん時はあの世で飲む事にしてください。死んでたらもう、人に迷惑とかかけても意味ないから!お化けになってめっちゃ脅かすとかしても、お化けだから!で許されるから、逆にあの世ではオススメかも!頑張って!この世から応援しています。

病院とか言ってないから分かんないけど、
多分アル中でした。
絶対寛解。
人生、有意義に過ごすぞ。


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