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裸では暮らせない私たち。“サステナブルファッション”を考えてみる 【洋服の一生】

私たちの暮らしに欠かせない【衣食住】のトップが衣服。食住より前にある理由はなぜでしょう? それは、アダムとイブが裸でいることを恥じたことから生まれた知恵を持ったことが起源。

そこから暖を取ったり、身を守るためなどの意味も生まれてきました。さらに流行などの楽しみまで加わり、どんどん意味が加わり進化を遂げてきました。そんな衣服について、改めて考えてみませんか?

名称未設定のデザイン (1)

SDGsのゴール目標に「つくる責任 つかう責任」が
あるのはなんでだろう?

SDGsではゴール目標の12番目に「つくる責任つかう責任」というものがあります。この言葉の意味を考えてみてください。「つくる責任」は当然、メーカーなど作り手である企業に課せられます。一方「つかう責任」は、私たち消費活動を行なっているすべての人を指していることがわかると思います。

コレをファッションに当てはめてみると、アパレルなどのメーカー側はしっかりと環境や人権などに配慮された商品づくりをしているか? 前回のnote記事(ファストファッションの光と闇)でも書いた通り、ファストファッションなどで大量生産を海外に安く請け負わせた結果が、バングラデシュで起きたような悲惨な事故です。

メーカーには製造工程における問題がないか? チェックしていくことが求められます。また、「つかう責任」という意味で、私たち自身もこういったメーカーの製造工程まで目を光らせておく必要があるということです。

出来上がった商品・サービスの背景や
製造工程にまで思いを巡らせてみる

さらに、製造工程における別の視点からの資料をいくつか紹介します。
(※環境省が作った「SUSTAINABLE FASHION」という、非常にわかりやすい資料からの抜粋です)

環境省_サステナブルファッション (2)

↑洋服1枚作るために、多くの水が使われCO2が排出されているのです。

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↑環境負荷をかけてやっと完成した服は、年間で75トンも捨てられています。リサイクルされるものはほんのわずか。そして、私たちが新品を買い捨てるまでのサイクルは、どんどん短くなっていると言われています。

服が作られて、私たちの手元に届くまでには、驚くほど多くの人の手と時間、そして自然環境への負荷がかけられていることを理解してください。

デザイン▶️型紙▶️裁断▶️縫製▶️運搬▶️販売という人の手、さらに生地や糸、ボタンなどの衣服を作るための素材ができるまでの製造行程で、多くの人たちが関わり、自然環境へ負荷を与えています。

気が遠くなるほどの人たちの汗水を経て完成した服。「安かったし、まいっか」と、買ってもほとんど着ずに捨ててしまったりしてませんか?

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私たちは買い物をするときに
自分の意思をしっかり持って選ぶことが大切

「つかう責任」の意味がわかってきたのではないでしょうか?
最後に、ある実験結果の動画をシェアします。2ユーロ(約260円)のTシャツの自動販売機が街中に現れた時。人々の行動をウォッチしたものです。

↑fashion revolutionという英国のNPO団体が行った実験。お金を入れて買おうとすると動画が流れ始める。それは、過酷な労働環境の中で服を作る人々の様子。最後に「あなたは、買いますか? それとも2ユーロ寄付しますか?」のメッセージと共に選択ボタンが表示される。

この実験結果で、ほとんどの人が寄付を選択したといいます。
私たちは自分たちでそのお金の使い道を選ぶことができるのです。たった少額だとしても、そのお金を何につかうのか? その商品・サービスの背景にある事実を知ることで、本当にいいと思える選択ができるようになります。


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SDGsへの向き合い方

下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!