知ってる? 食糧輸入国の日本。どんだけフードロス(食糧廃棄)しているのか?
SDGsのゴール目標の2番目は「飢餓をなくす」です。日本や先進国を見ていると飢餓どころか、食べ過ぎのためのダイエットやメタボの心配をしている人が多い状況ですが、世界では飢餓で苦しむ人々が増加しているんです。さらに、2020年コロナの影響もあり、23億人以上(世界人口の30%)が年間を通じて適切な食料を入手できなかったといわれています(※1)。
※1 ユニセフ(国連児童基金)、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連世界食糧計画(国連WFP)、世界保健機関(WHO)が共同で発行している報告書『世界の食料安全保障と栄養の現状より抜粋
まだ食べられる食品が廃棄されている=フードロス
世界では約13億トンのまだ食べられる食品が廃棄されています。これを食品ロスやフードロスと言います。FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書によると、13億トンというのは、世界の食料生産量の1/3に当たるのだそう。
ただし、この量は先進国ばかりの数値ではなく、後進国でも廃棄量がかなりあります。理由は、技術力不足でせっかく栽培したものが収穫できなかったり、インフラ状況が悪くて市場に届く前に腐敗してしまうなど、フードロスの理由はまるっきり違っています。
一方で、日本では年間2,759万トンの食品廃棄物等が出されています。このうち、フードロスの量は643万トン。東京ドーム6杯分以上の量に当たり、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(約380万トン)の1.7倍に相当します。ことか? 日本のフードロスを援助に回すことができたら、かなり多くの方たちが救えるということです。
日本では、毎日茶碗に1杯分のご飯を捨てている状況
また、フードロスを日本国民一人当たりに換算すると"お茶碗約1杯分(約130g)の食べもの"が毎日捨てられていることになるのです。(※2)
(※2 2020年消費者庁消費者教育推進課「食品ロス削減関係参考資料」より)
もう一つ関連データを紹介します。日本の食料自給率です。2020年の農林水産省によるとカロリーベースで38%。62%は海外からの輸入に頼っていることがわかります。
日本は食糧を大量に輸入しておきながら、
それらを食べずに捨てている
この2つのデータからわかることは、日本は自国で食料を賄うことができずに2/3近くを輸入しているのに、大量の食べられる食料を捨ててしまっているということです。
以前ショッピングルールの記事でもお話ししましたが、輸入するということは、運搬におけるエネルギーコストがかかっており、大量のCO2排出が伴います。その上で、輸入した食料を廃棄してしまい、ダイエットやメタボに悩む人たちがたくさんいる。
また、廃棄された食品は焼却されるため、そこでもCO2を撒き散らしていることになります。
この状況を皆さんはどう考えますか? どこかおかしい気がしませんか?
ここからは、私たちがフードロス削減のためにできることを考えていきます。まず、改めて日本のフードロスの状況データを紹介します。
私たちの日常生活でできることはたくさんある
フードロスには2種類あり、事業系フードロスが328万トン、家庭系フードロスが284万トンです。
事業系とは、スーパーやコンビニなどの売れ残り、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外食品。家庭系とは、残飯や賞味期限切れや腐敗による廃棄、皮のむき過ぎなどです。
↑2020年消費者庁消費者教育推進課「食品ロス削減関係参考資料」より
つまり、これらのフードロスに注目することで、自分にできることが考えられてくると思います。スーパーなどで賞味期限が切れそうな食品を積極的に買ったり、レストランでは食べられる量だけ注文することで事業系フードロスに貢献できます。
また、買い物ではその時に必要な量だけを買い、作ったら残さないように食べ切ることで家庭系フードロスを減らすことができます。
いずれも私たちに簡単にできることです。ぜひ、自分にできる小さな一歩から始めてみてください。
↓こちらの記事では、フードロスと戦う企業の紹介をしています。
↓こちらの記事では、私たちにできる地球に優しいショッピングルールについて紹介しています。
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下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!