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就職前に好きだった写真と心理学を、人生後半の仕事にしていきたい

僕が独立を選択した理由-相徳敏久さん
大学時代に心理学を専攻していて、写真好きで写真部に入ってあちこち行っては風景を撮っていたという相徳さん。会社を59歳でまさかの早期リタイアし、自身が好きだった世界で人生の後半戦を生きていく決断をします。好きだったことをやることで人は輝ける、いくつになっても挑戦することはカッコいい! そんなことを教えてもらいました。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

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相徳 敏久(あいとく としひさ)さん

オジカノ結婚相談所
カウンセラー&フォトグラファー
通信系企業でのサラリーマン生活をあと1年というところで退社。
好きだった写真と心理学を勉強し直すことで、新しいビジネスをスタート。

定年1年前に退職して独立!
しかも突然目覚めたカウンセリングの世界⁉

 大学卒業後の就職では通信系の企業に入り、好きだった心理学も写真も、いつの間にかやらなくなっていました。技術職という立場でひとつの企業で仕事を続けてきて、50歳を過ぎたときも、このまま定年を迎え、雇用延長して65歳まで働くだろうと思っていました。これまでの多くの一般サラリーマンが考えてきた人生を歩むことになんの疑問も持っていませんでした。
 2018年、定年の1年前倒しで退職して独立することにしました。今は本格的に自分でビジネスを始める準備をしながら、心理学の勉強をしているところ。ヒプノセラピーという催眠療法を取り入れたカウンセリングの仕事を、メインにしていきたいと思っているんです。

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 独立に至るキッカケはなんだったんだろう?(笑) 最初はストアカでモデル撮影イベントを見つけたことです。なんだか久しぶりに写真を撮りたくなって申し込んでみたんです。行ってみたら、コンパクトデジカメで来ているのは僕1人だけで、みんな立派な一眼レフ持参でした。でも、撮影会がすごく楽しかったんです。学生時代はずっと風景ばっかり撮っていたんだけど、ポートレートもおもしろいなぁ、って思って、すぐに一眼レフを買いに行きました(笑)。
 そのころ、会社のプロジェクトに参加してたんですが、もう50代後半になっていて、会社が自分に期待していることってこんなことか、みたいなものも感じるようになっていました。自分で何かを始めたかったのかもしれないですね。

 昔好きだった心理学の勉強もまたしたくなって、学校に通いはじめました。そこで、いろいろ気づくことがありました。例えば、モデル撮影のときに、先生から「もっとモデルをその気にさせるようにしないとダメだ。その人の内面が出る写真を撮ることが大事だ」とアドバイスをもらったんです。つまり、モデルに声をかけて盛り上げていい表情を引き出すことが大事ってことなんです。これは、心理学でいうラポールを築く(相手の信頼を得る)ことだなってことが理解できました。心理学って人と関わることなので、いろんな場面で活用できるってことを改めて理解したんです。

学生時代に学んでいた学問としての心理学ではなく、社会人としてさまざまな経験をしたからこそ理解できるようになった人間関係で必要な心理学的アプローチ。そこへの興味が出たとたん、相徳さんの学びモードは一気に加速します。仕事として始めたのは、結婚相談所。唐突な気もしますが、ちゃんと理由があるそうです。

カウンセリング後に生まれる本当の笑顔
その笑顔を撮ってあげることが、僕にはできる

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 正直、僕自身はあまり人とのコミュニケーションが得意なほうではなかったんですが、一気に興味が出てきました。その人のよさが出てくるような写真を撮りたい、そのためには、ラポールを築くことももちろんだけど、その人が抱えている課題を解決するお手伝いをしてあげることで、本当の笑顔を撮りたい、そんな気持ちが生まれてきたんです。
 カウンセリングやコーチングをしっかり身に着けたいと思うようになって、そんなことばかり考えているうちに、会社に行っている意味がわからなくなってしまいました。あと1年で定年だっていうのに、ある日突然「会社辞めようと思う」と妻に話したところ、妻も「いいんじゃない」って言ってくれました(笑)。その翌日には会社に退社の意向を話しました。

 結婚相談所を始めたのは、「まずは動いてみよう!」ってところで、手続きが簡単だったから(笑)。というのもあるけど、結婚できなくて悩んでいる人たちの悩みを聞いてあげて、自信を持たせてあげる、そんな彼らが安心したところでいい表情の写真を撮ってあげて登録する。ということのお手伝いが、自分のやりたいことに近いと思ったからなんです。
 今はカウンセリング、特にヒプノセラピーという催眠療法をマスターしたくて勉強をしているところです。のちのちはカウンセリングやコーチングのほうを本業にできるくらいにしたいな、と思っています。

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会社を辞めてからは時間があるからと、継続的に学校に通いながら、多くの友だちのプロフィール写真を撮影してあげているそう。また、太極拳に通っていたり、大充実の毎日を送っています。いくつになっても自分がやりたいことは始められるし、楽しめる。そんな人生を楽しむ体現者です!



下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!